2009年10月31日土曜日

Путин vs Медведев

Pod Castで聴く英国のニュース

この間酒井法子氏の裁判がありましたが、
なんとBBCのPod Castのニュースでこの話題を取り上げていました。

国営放送が日本のこんな話題を取り上げるのはどうかと思ってしまいます・・・
BBCもポピュリズムに傾いた放送協会ということなのでしょうか。

で、今回は、そのポピュリズムよりもひどい、
共産主義の元リーダーに関するリポートです。

BBC Global News から。

'A Great Leader, or A Mass Murderer?'

スターリンの死からすでに50年経つ旧ソ連、ロシア。
彼に対する評価は今も割れている。
ロシアの大統領であるメドヴェーデュェフ氏は、
スターリンに対する評価の見直しを進める人々がいることに深い懸念を示し、
かつ彼らを強く批判した。
「自国の民を虐殺した者などリーダーと呼ぶに価しない」と。
しかし、現在の首相であり、前の大統領であったプーチン氏は、
スターリンのことを、自国を超大国に変えた人物として評価する。
どちらの見解がロシア国民に広がるのか。

BBCの記者がモスクワで取材した。

メドヴェーデュェフ大統領は、
スターリンに対する批判のビデオを、
クレムリンのウェブサイトに投稿した。
このことがあったのは、
旧ソ連のスターリン時代に彼によって虐殺された
数百万人もの国民を哀悼する年に一度の記念日であった。
この大虐殺は、1920年代後半から、彼が死去する1953年まで続いた。
大統領は、スターリンの圧制は、
言葉で言い表せぬほど惨いものであったと発言した。
多くの反スターリンを掲げる人々や集団が虐殺され、
さらに彼らは埋葬される権利さえも剥奪されたと言う。

大統領は、このような大罪を犯したスターリンに対する見直しの動きが最近あることに
懸念を示している。
「スターリンは合理的で偉大な指導者であり、
ソ連を超大国に変えたのだ」
このような思想がロシアで広がりつつあるというのだ。

その先鋒ともいえるのが、元大統領で現在の首相であるプーチン氏。
彼は、学校での歴史の教科書に、
スターリンのachievements(達成事項)が加筆されるべきだと主張している。

今モスクワには、スターリンがテーマになっている喫茶店があったり、
スターリンの好んだスローガンを壁に掲げる地下鉄の駅があったりする。
さらに、最近ロシアの北部で、
スターリンの歴史的犯罪について検証する研究を進めていた学者が
逮捕されるという事態も起きている。

スターリンという非常に敏感な歴史問題により、
ロシアが二部されるのではないかという危惧がある。

(BBC Global News October 31 配信分より)

今のロシア国民は、
1991年の崩壊で、
共産主義の辛酸を嘗め尽くしたのではなかったのでしょうか。
70年以上に及ぶ実験で共産主義が間違いだったことを
身をもって示してくれたはずのロシア国民が何故このような
「間違った」方向にまた戻ろうとしているのか、
理解不能です。
プーチン氏よりメドヴェーデュェフ氏が
この問題に関して、国民の信任を得ることを
期待するのみです・・・

終わりです

2009年10月22日木曜日

PS

Pod Cast 英国 ニュース

やっと10月3回目となりました。

最近はアジアやアメリカ、欧州の話題ばかりを取り上げていましたが、
今回はアフリカ大陸のお話です。

BBC Global News から。

5500万人もの国民が携帯電話を所有する国、エジプト。
このモダンテクノロジーの浸透により、
多くの女性が拒絶してもいつまでもついてくる、
フォーンストーカーの被害に悩まされているという。

エジプトの首都カイロでBBCの記者が取材した。

車や人通りの多いカイロのダウンタウン。
ここのとおりを女性一人で歩くのは、
非常に危険だ。
ここカイロでは、女性が強姦に襲われるというケースが多い。
そしてさらに最近、あまり報告されていないが、
「フォーンストーカー」の被害も増えているという。
携帯電話を持つ女性に、見知らぬ男性から電話がかかってくるというのである。

フォーンストーカーのうち、ほとんどがランダムに番号をかける。
はじめは男性側は普通の会話をしているが、
しばしばエスカレートし、卑猥な話へと発展していく。
エジプトの女性の会メンバーであるコンサムさんはこう話す。
「女性がこのような電話に応じてしまうと、もう悲劇の始まりです。
フォーンストーカーは『お前を知っている、住所も職場も何を専攻しているかも』と言い、
女性を怖がらせる。
女性が電話を切ろうとしてももう遅いのです」


エジプトでは携帯電話を持とうとする人は、
もちろん氏名や住所などを登録しなければならない。
故にフォーンストーカー対策は簡単であるように思われる。
しかしここはmale-dominated country(男性優位社会)であり、
この種の問題が軽率に扱われてしまうことが多い。
しばしば女性はフォーンストーカーの被害を警察に相談しない。
それは彼女たちが、警察が真剣に取り合ってくれないことをわかっているからだ。

カイロのユースマガジンの事務所では、
どちらも10代の女性であるモナさんとソフィアさんが話をしている。
彼女たちは過去にフォーンストーカーの被害に遭った。
モナさん「この問題は深刻に取り扱われることはないが、
女性にとって、非常に大変な問題です。
何らかの形で解決されることを願っています」

アメリカのある研究機関は、
エジプトの結婚できない男性がこのストーカーの犯人の多くを占めると見る。
エジプトでは婚姻前の貞操は当然とされているからだと言う。

エジプト政府は、この問題の対処に乗り出そうとしている。
この種のストーキング行為やセクハラ行為への罰を強化しようというのだ。
しかし一番大事なことは、
国民が男女ともに、この種の問題に対する姿勢を変えることだ。
そうしなければ、お互いに不利益を被る結果となってしまうだろう。

(BBC Global News October 22 配信分より)

男性がこのようなことをすると言うのは、
情けない話です。
しかし、日本でもストーカーと言うのが流行語になるほど頻繫にあった時期がありました。
また、電話で相手に顔がわからないからと、
あることないこと言うというのは、
「オレオレ詐欺」と同じようなものですね。
文明の利を使って堕落行為に走ってしまう。
便利なものを正しい方向以外のことに使ってしまう。
エジプトでもここ日本でも同じような現象が起こってしまっているんですね。
悲しいことです。。。

2009年10月13日火曜日

トッポジージョ

Pod Castで聴く英国ニュース

私事になりますが、
薄型テレビとブルーレイレコーダーなるものを購入しました。
私はテレビはまったく見ないのですが、
映画が好きで、特にイタリア製の映画を32インチの大画面で
楽しむ日々を送っております。

今回はそのイタリアから、映画にもなった人気キャラクターの話題です。

英BBC Global Newsから。



イタリア政府は月曜日から新型インフルエンザのワクチン対策をはじめる。
ワクチンは国中に配られる予定だ。
さらに政府は、新型インフルエンザウイルスの拡散を防ぐためのキャンペーンのために
250万ユーロを使った。
キャンペーンに使われたのは、あるねずみのパペット。
ミッキーではありません。
デビューから50年を迎えるトッポジージョです。

ローマからBBCの記者がリポートします。

イタリアでは国民がトッポジージョの助けを借りて
新型インフルエンザについて学んでいる。
1959年にテレビ番組に初登場し、
小さな体と大きな耳で国民的人気を誇るキャラクターとなっている。
日本でアニメ番組として放送されているほか、
アメリカや南米でも大きな人気を誇る。
しかしここ数年、ジージョの人気は下がり気味であった。

広がりを見せる新型インフルエンザの影響で、
彼は復活した。
いつものトレードマークであったストライプの洋服ではなく、
医者のような白衣をまとい、
新型インフルエンザの啓蒙活動に努めている。

政府関係者によると、ジージョを選んだ理由は、
彼の圧倒的な知名度であったという。
多くの大人や高齢者の方が彼のことを覚えており、
小さな子供にも気に入られる愛嬌のあるキャラクターだ。

数週間以内に約850万人のイタリア人がワクチンを接種される。
これは妊婦や防衛関連組織に勤める人を含む。
子供や高齢者も近いうちにワクチン接種を受ける。
トッポジージョを通じ、政府はインフルエンザウイルスの撲滅を図る。

(BBC Global News October 12 配信分)

前回まで少し暗い話題が続きましたので、
心が穏やかになりそうな話題を選んでみました。
BBCの真面目なニュース放送でもこのような話題を取り上げるんですね。
日本でも早くインフルエンザの猛威が治まることを願っています。

2009年10月6日火曜日

中国雇用情勢

Pod Castで聴く英国のニュース

今回で、2年目に入ることができました。
果たしていつまで続けることができるやらというところですが・・・

実は一昨日の中川昭一氏の訃報に大変ショックを受けました。
日本の失った様々なものを取り戻すべく期待をされていた方で、
北朝鮮拉致問題については、
国家の威信にかけて最後の一人まで必ず日本に連れ戻すという決意を見せたこともあり、
「こんな国会議員もいるんだ」と深く感心させられた方でした。

少しブルーな気持ちで今回のリポートを書かせていただくことになります・・・

英BBC Business Weekly から、中国の雇用についての話題です


様々な問題を抱える中国。
都市部と農村部の格差、環境問題、自殺率の増加等など。。。
しかし最近、つい数年前までは考えられなかったようなことまで問題となろうとしている。
“a future shortage of workers(将来の労働力不足)”である。
中国の経済繁栄は、もちろん安価な労働力によってなされた。
しかし共産党のone-child policy(一人っ子政策)や高齢化により、
状況が変わりつつあるのだ。
経済学者、法学者、さらに政府のアドバイザーでもある、ロー・ファン氏に
BBCの記者が話を聞いた。

ロー氏「昨年のリーマンショック以前、中国では労働不足が深刻だった。
今中国は転換期にある。労働力を更に失おうとしているのだ」

記者「何故労働不足に陥ろうとしているのですか?」

ロー氏「demographic change(人口統計学上の変化)がある。
one child policy(一人っ子政策)によって、
年齢層の構造変化が起きてしまった。
都市部では、労働人口が減ってしまった。
それは農村部でも同じこと。
時代が経つにつれ、労働人口が減ってしまった。
これが将来の労働力不足の背景だ」

記者「それでは、中国はどうしようというのですか?」

ロー氏「先進国というのは、すべてこの種の、
労働力過剰から不足への推移という、
構造的な人口問題というものを経験してきた。
故に、これは中国にとって新たな時代の到来と言うべきものなのかもしれない。
労働力は不足するが、
その分給料は上がる。
また、都市部と農村部の給与の格差も是正される。
このようなことをわれわれは予測している」

記者「でもそのようにいい方向に推移するでしょうか。
この中国で。」

ロー氏「もちろんこれまで中国では様々な問題が起こってきた。
しかし、経済のグローバル化や規制緩和改革などを通して、
中国は経済成長の歴史の中で、特に早い速度で成長することができた。
労働力不足の問題があるとしても、他の先進国にようやく追いつけると言うことを意味するのです」

(BBC Business Weekly October 3 配信分より)

様々な問題を抱え、それらを一向に解決できる兆しの見えない中国。
問題はやはり共産党による一党独裁政権という状態でしょう。
いつかこの共産党は崩壊し、中国体制は大きな変革が起こると思いますが、
それが一刻も早く実現されることを祈るのみです。

2009年9月22日火曜日

Prison Suicide

POD CAST で聴く 英国のニュース

ようやく今月3回目です。

前回に引き続き、少々くらい話題になりますが・・・

英BBC Global Newsから。


“prison suicide”



ヨーロッパの国の中で、刑務所の囚人の自殺率が一番高いのは、
フランスである。
毎週のように囚人が刑務所内でその命を絶つ。
刑務所収容人数が多すぎてそれによる「混雑」が一番の原因であるとされ、
EU委員会も仏国の刑務所の状態はあまりにもひどく非人間的であるとして、
非難している。
今週、仏政府は刑務所内の環境改善に向けた法案を通す予定だが、
専門家たちはそれだけでは到底足りないと懸念する。

BBCの記者がフランスで取材した。

仏政府は、BBCによる刑務所内への取材を10ヶ月にもわたって拒否してきた。
EU委員会も懸念する仏の刑務所のこの劣悪な環境。

EU委員会に委任され、刑務所環境改善の任務に当たるある精神科医はこのように語る。
「フランスの刑務所は、まるで『死の地域』だ。
刑務所内で囚人たちが毎週のように自殺をするというのもよくわかるというものだ。
多くは首吊りによる自殺という。
フランスの刑務所では、多くの囚人が希望を見失ってしまうのだ。
われわれは彼らに希望を与えなければならない。
ただ、今週通る予定の法案だけでは、
十分な環境改善は見込めない」

フランスの刑務所施設には、
64000人もの囚人が「閉じ込め」られている。
24年間さまざまな刑務所施設に服役していたフランソワさんはこう話す。
フランソワさん「刑務所内の混雑が一番の問題だ。
多くの囚人が昼も夜も一緒にすごさねばならない。
9平方メートルの部屋に2人や3人の囚人が一緒に暮らしているのだ。
1人の囚人が用を足しているときに、
他の囚人は手紙を家族に書いたり読書をしている。
このような共同生活を強いられることで大きなストレスがたまることが
刑務所内囚人自殺の原因だ。
みな希望を失ってしまうのだ」

囚人の家族も運動を始めている。
昨年フランスの刑務所では115人もの囚人が自殺した。
今年はすでに88人に上る。
1月に24歳のある男性囚人が自殺した。
彼は何十種類もの鎮痛剤を飲み込んで自殺したのだった。
彼は、自宅近くの刑務所に移してもらえるようずっと激しく訴えていたという。
彼の姉は、弟はneglect(無視)によって自殺したのだと言う。
姉「刑務所の環境は、言葉に表せないほどひどいものです。
刑務官の数もまったく足りていない。
さらに、必要なのは刑務官ではなく、
医療従事者や精神カウンセラーだ。
弟はこのようなサポートがなかったから自殺をしてしまったんだわ。
彼の死から9ヶ月経ちますが、
彼が何時に死んだのかさえわからない。
誰か彼のために寄り添ってあげたのかどうかも・・・」

フランス大統領サルコジは、フランスの刑務所はフランスの汚点であると認めている。
彼は犯罪に対して毅然として対応するという公約を掲げ、大統領に当選した。
刑務所環境改善に手を打つことを期待されているが、
1875年以来フランスの法律に掲げられている、
「刑務所の囚人には個室を提供する」という義務を撤廃することも表明している。
彼がこのような態度を取り続ける限り、
フランスの刑務所の十分な環境改善は見込めないであろう。

(BBC Global News September 22 配信分より)

先進国と言われるフランスの刑務所がこのように劣悪な環境であるというのは、
少し意外でした。
個室はもちろん、きちんとした食事や医療も提供される日本の刑務所。
ここに入るためにわざわざ軽犯罪を何度も犯すという人もいるということを聞いたことがあります。
死刑制度があるということで人権侵害だと日本を非難しているフランスですが、
刑務所環境の面では、
日本は十分にフランスを非難できるのではないでしょうか。

2回連続して自殺というくらい話題になってしまいました・・・

2009年9月19日土曜日

Blue LED Light

今月2回目の配信です。

Pod Castで聴く英国のニュースです。

今回は日本に関する話題です。

でも少し悲しいお話です。

英BBC Global Newsから。



毎年何万人もの自殺者が出る日本。
世界でも自殺率が非常に高い国となっています。
長年にわたって、社会科学者や政治家たちはこの傾向を分析し、
自殺率を抑えるための策を探してきた。

ある鉄道会社が青い光によって自殺を抑えようという策を考えた。
プラットホームを青いライトで照らすことによって、
calming effect(気分を落ち着かせる効果)があるという。
東日本旅客鉄道株式会社によると、
ここ数年で電車に飛び込み自殺する人の数は急上昇していると言う。
果たして、青い光はどのような効果があるのか。

BBCの記者がカラーサイコロジストのアンジェラ・ライトさんに話を聞いた。

アンジェラさん「光と言うのは、われわれの日常生活のずべてに
何らかの影響をもたらします。
光によって自殺を食い止めようといいのは、
やはり効果のあることであると思います。
しかし、青色の光で自殺する人を止めさせようというのには、
実は疑問を持っています。
青と言うのは、実はとても明るく、強い光なのです。
青は脳を刺激してしまうような色なのです。
ちなみに、自殺を一番誘発してしまう色は、黄色であると言われています」

記者「なるほど。
ただ、私たちが一番気になっているのは、
色が人間の気持ちや行動に影響を与えるのかどうかと言うことです。
これについては、本当なのですね?」

アンジェラさん「そのとおりです。」

記者「それはどのようにですか?」

アンジェラさん「色とは光です。
光が何かに当たり、その光に色がついた反射のものを見て、
われわれは色があると認識するわけです。
われわれの眼が色を認識し、脳に送られる。
その脳が色を知覚し、
電気信号でわれわれのホルモンなどに影響を与えるわけです。
色を見るたびに、まず眼が入ってきた色に合わせて網膜を調整し、
脳を通じて全身に送られ、生理学的な影響を体全体で受けていると言うわけです」

記者「では、具体的にどのような色が気分を高めるためには有効なのでしょうか?」

アンジェラさん「たとえば赤色は、一般的に刺激的な色であると皆さんご存知であると思います。
気分が高揚し、時間が過ぎるのを早く感じさせ、体温も上昇します。
しかし、考えてほしいのですが、私たちが生活をしている中で、
ただひとつの色だけに影響を受けると言うことはあり得ません。
ですから、青色の光で自殺者を食い止められるかと言うと
やはり疑問符がつきます。
青の他に周りにどんな色があるのか、
そのような周囲の環境も配慮して、
色による自殺防止策をとったほうが良いのではないかと私は考えます」

(BBC Global News September19 配信分より)

私の勤めている会社の施策についてのリポートだったので、
うれしくて載せてしまいましたが、
実はその施策が誤っているということを報告してくれていたのですね・・・
このBBCのリポート、きちんと会社に報告しようと思います。

実際、山手線のホームには、青のLEDライトが設置され、旅客を照らしています。
正直、これで本当に何か効果があるのかということは
私もずっと疑問に思っていたのですが・・・

やはりこのような窮地の策をとる余地は、
自殺者が減るような、精神的安らぎのある社会を取り戻すために
何かをすると言うことが求められるのではないかと思います。

それにしても、日本が世界でも有数の自殺大国と言うのは、
本当に悲しいことです・・・

2009年9月13日日曜日

JELLYFISH

Pod Castで聴く英国のニュース!
9月第1回目です。

民主党政権ができてしまって、
憂鬱な日々をすごしています。

ここは明るい話題でいやな気分を吹き飛ばそうということで、
くらげに関するリポートを今回は紹介させていただきます。

英BBC Global News から。

‘Preparing Jellyfsh’

最近地中海でバカンスを楽しんだ方はいらっしゃいますか?
それなら大量のjellyfish(くらげ)を見かけたんじゃないでしょうか。
くらげといえば、
海水浴の敵、マイナスのイメージが多いでしょう。
しかし、ヨーロッパの科学者たちは、
中国の人々を参考に、くらげを食べ物として調理する方法を見出した。
くらげがenviromentally frinedly food(地球に優しい食べ物)になるというのです。

どいうことでしょうか。
スペインに滞在しているBBCのリポーターに英国のリポーターがインタビューしました。

スペインリポーター「あるお金持ちの女性シェフが
地中海の海岸近くに自分のお店を持っていて、
そこでくらげ料理を出しているとのことです。
彼女は日本にもお店を出していて、
そこでくらげを調理して食べるということを知ったそうです。
彼女はくらげを輸入しているそうです。
というのは、ヨーロッパではくらげは現在食料として認められていないから。
彼女はくらげが食料として認められるよう願っています。
彼女は、『地中海で取れたくらげを料理に使えないのは残念だけわ。
アジア産のくらげは塩味が効いてるけど歯ごたえがいまいちかな。
目の前の地中海で捕れるくらげを使えれば、
新鮮な素材で、いい歯ごたえのくらげ料理を提供できるのに』
と言っていました」

英国リポーター「なるほど。
くらげの個体数が増えているということも言われているのですが、
これはどういうことでしょうか?」

スペインリポーター「食物連鎖の上位の生物が減っていることですね。
くらげを食べるのは主に魚です。
われわれ人間が多くの魚を取るほど、
くらげの数が減少しにくくなる。
また、ある科学者によると、
地球温暖化の影響で海の水温も上がり、
それによりくらげがより繁殖しやすくなっているとのことです」

英国リポーター「なるほど。
ところで、くらげ料理が食べられるということですが、
どのように調理されるのですか?」

スペインリポーター「まず、塩に漬けます。2日間です。
実際、くらげはほとんど水ですので、
調理の家庭でどんどん溶けていってしまいます。
ほとんどの部分は食べられません。
しかし、残った部分を食べてみると、とてもおいしいんです。
塩の効いたすっきりした味と言いますか。
塩漬けきゅうりに似ているでしょうか。
くらげは海中の汚染物質を吸収しないので、
他の脂っこい魚に比べ、ヘルシーなんです。
また、中国の人によりますと、
くらげは血の巡りをよくし、血圧を下げ、
コレステロール値を安定化させ、関節痛にも効くと言います。
ヨーロッパ人も中国に見習って、
くらげを食べるということを習慣化すべきではないでしょうか」

(BBC Global News September 10 配信分より)

くらげを食べる・・・
以前日本海で越前くらげが大繁殖し、
さまざまな処分方法が考えられましたが、
その中に「調理する」という方法もあったように記憶しています。
その報道を見たときは、
「くらげを食べるなんて・・・」
と思いましたが、
実は体にいい食べ物になるのですね。

まぁ日本には他にもヘルシーフードがいっぱいありますので、
わざわざくらげ料理を食べる問うこともないと思いますが。。。

終わりです。



2009年8月25日火曜日

Chinglish

今月2回目の投稿させていただきます!!
今回はエキスポを控える中国から、言葉の話題を。

英国BBC Global News から。


海外に旅行に行ったとき、
自分の国の言葉が間違ったように使わている案内標識などを見ると、
なんとなく微笑んでしまうもの。

しかし、中国でのこの事態は深刻で、
微笑むこともできないようです。

中国当局は、この事態の改善のため、動き出しました。
公共の場にある、‘poorly phrased English’(むちゃくちゃに訳された英語)の案内標識を、
修正するという作戦を開始しました。
来年開かれる世界博覧会に向け、
このようなChinglish(Chinese+English)をすべて修正できるのか。

上海でBBCのリポーターが取材した。

上海当局は、この地のイメージ向上に躍起である。
来年の世界博覧会に数百万人の来場者を予測しているからである。
上海の学生たちは、ボランティアで、上海の英語の案内標識をチェックしている。
その英語が正しくないと判断した際、
学生は上海当局に報告する。
そして当局の職員は、その標識を管轄する部に修正を要請するのである。

ここ上海では、いわゆるChinglishを至る所で発見できる。
こうなった原因は、英語を中国語に翻訳するソフトに不備があったせいであるといわれる。

しかしときに、このようなChinglishの中にも、
何とか苦しくも理解できるようなものもある。
一部を紹介しよう。

①あるデパートのエスカレーター付近で見つけた案内標識。
“Please bump your head carefully.”
(「どうぞご注意して頭をぶつけてください」。頭をぶつけないようご注意くださいと言いたかったのでしょうが・・・)

②わたくし(記者)のお気に入りのフレイズは、地下鉄の案内標識にありました。
“If you are atolen, call the police.”
(「誘拐されたら、警察を呼んで!」。物を盗まれたら警察を呼ぶようにと言いたかったのでしょうが・・・)
これは、上海の公安当局が掲示したものだとのこと。

(BBC Global News August 25 配信分より)

粗悪でお粗末な国、中国ならではの事象と言って良いのでしょうか。
このようなものを直そうと心がけているだけでもまぁましと言うべきところなのでしょう。
昔、日本人より中国人のほうが英語学習に向いていると言う話を聞いたこともありますが、
それもなんだか怪しいですね。

終わりです。

2009年8月18日火曜日

Cafe in France

お久しぶりです!!!
今回はフランスのカフェに関する話題です。

加奈陀 CBC The World This Weekend から。


フランスストリートの象徴とも言えるカフェが減少しているという。
1960年には20万軒あったカフェが、
50年後の今日、4万軒まで減ったという。
1日に2軒つぶれる計算だ。
フランスのカフェ文化が衰退してしまっているのか?
CBCの記者が取材した。

天気のいい昼下がりのシャンゼリゼ大通り。
このとおりのカフェはいつも人でいっぱい。
観光客がレモネードをすすったり、
ビジネスマンがランチを食べたいたり、
ただ座って静かに時間を過ごす人がいたり。

これはパリのカフェの情景。
パリから少し離れた、ルベレという町のあるカフェでは、
状況が異なる。
今このカフェにお客は2人しかいない。
ここは、フランス国内にの労働者層の多い地域に散発して見られる、
ワンルームカフェ。
このカフェのオーナーさんによると、
経営はこのところ非常に厳しいという。

オーナー「政府の禁煙対策や、
警察の飲酒運転取り締まり強化などで、
お客が減少している。
以前は、ランチの前にカクテルを頼むというお客が多かった。
しかし今はそんなお客はいない。
また、以前は1日にランチが40~50食ほど出ていたが、
今は10食出ればいいほうだ」

このような状況は、郊外のカフェでは珍しくないという。
昔からあるカフェは、店をたたまざるを得ない状況に追い込まれることも多い。

フランスカフェ連合のトップ、カジウェイさんは、
このような状況になっているのは、
必ずしも禁煙や飲酒運転取り締まり強化のせいだけではないと言う。
古いカフェのオーナーが、時代の変化に合わせた経営をしていないせいだと言う。
カジウェイさん「最近のカフェは、きれいでないといけない。
ドリンクも、ビールだけでなく、オレンジジュースやスムージーなどの
ノンアルコール系のものも充実させていなければ。
さらに、新聞やテレビがあるのも当たり前、
テレビではスポーツ観戦ができるような環境も望ましい。
お客を引き寄せるさまざまな要素を兼ね備えたカフェでないと生き残れない」

カジウェイさんは、さらに、サービスの質も問題であるという。
ごみひとつ落ちていない、掃除の行き届いた店内で、
笑顔で接客される。
このような、お客の求めるサービスを実践できている店だけが
売り上げを伸ばしているという。
昔からある古いテーブルやいすを使っているようなカフェ、
アルコール類しか提供しないようなカフェは、
対照的に危機に瀕することになるという。

カジウェイさん自身、8つのカフェを経営している。
今日はそのうち1番新しくできた店舗に出向き、
店長にいろいろ忠告をしている。
「アルコールと古い家具」という、
従来のイメージに縛られないカフェ作りが彼のモットーだ。

フランスのカフェには、もうひとつの「脅威」が存在する。
フェイスブックやトゥィッターといった、SNSだ。
SNSで多くの若者が'socialize'していると感じる。
カフェはかつての'socialize'の場であった。
それがSNSに取って代わられようとしている。

フランスカフェ・レストラン産業機構代表のクリスティンさんは、
次のように述べる。
クリスティン「カフェは、フランスの国家遺産の一部を伸しているといっても過言ではありません。
それは、社会的、文化的、さらに建築的な観点からも言えることです。
このような場所がいつか消えてしまうかもしれないというのは、
悲しいことです」

フランスの文学者、バルザックは、かつて、
'Cafe are the paeliament of the people'
と言った。
そして、現在もこの言葉は真実である。
政治団体は、よくカフェで公聴会を開く。
家族以外のさまざまな人と出会えるのも、
このカフェである。

しかし、今の状況が続けば、
フランスのカフェ文化が、relic(遺物)と化してしまう恐れもある。
そうなってしまえば、本当に悲しいことだ。

CBC The World This Weekend August 10 配信分より


何にしろ、その国の文化や伝統の衰退は、
悲しいことであると思います。
しかし、新しい波を受け入れないと生き残れないと言うのは事実で、
そこは大きなジレンマでしょう。

ちなみに本文に、
「ごみひとつ落ちていない、掃除の行き届いた店内で、
笑顔で接客される。
このような、お客の求めるサービスを実践できている店だけが
売り上げを伸ばしているという。」
という文がありましたが、
これは日本の喫茶店などでは、
ほぼ当たり前のことでしょう。

2年前にパリに行ったのですが、
いろんなお店の店員さん、
また、施設のスタッフなどは、
あまり愛想がよくなかったという印象があります。

やはり、おもてなしと言った面では、
日本はかなり優れていると言って良いようですね。

終わりです

2009年6月16日火曜日

Pod Castで聴く英国のニュース
51回目です。

今日午後7時半からNHKのクローズアップ現代という番組を見てしまいました。
内容は、日本的経営というものが見直されているというもの。

売上が前年比3割ほどになっても、
一切リストラはせず、
むしろ社員の給料を上げたという
名古屋のプラスチック製品製造会社。
あえて上場をしないことで、
株主からの目先の利益追求要求にとらわれず、
研究者に時間や予算の縛りなく、
自由な研究をさせ、
画期的な商品を次々と世に送り出してきた
岡山の食品・医薬品メーカー。

これらの会社の経営者は、
松下幸之助や、井深大といった、
昭和の日本の大経営者の哲学に深く影響を受けていたと
インタビューで答えておられました。
「急成長を目指すのではなく、
つぶれないために、ある程度の成長を目指す。
それが寿命の長い会社につながる」
「会社でなにより大事なのは、人。
それはもちろん、株主ではなく、従業員。
人を第一に考えることが、
会社の長期経営につながる」
このようなことを話しておられました。

バブル崩壊期には、
欧米発の実力主義・個人主義傾向が日本でも広まり、
多くの日本の会社にその考えが広まりました。
しかし、そういったものが果たして本当に正しいかと多くの人が感じるようになった今、
メディアさえも欧米型経営に疑問を投げかけ、
日本的経営を短所があることを認めながらも見直そうという番組を
ゴールデン時間帯に放送する。
「日本的やりかたへの回帰」という波がじわじわ大きくなっているのを感じ、
個人的にとてもうれしく思いました。

また前段でくそまじめな話で長くなってしまいました。。。
今回は、英国から癌に関するお話です。
放っておくと大変なことになりますよ!!!!
おー怖っ!!

英BBC Global Newsから。

‘Cancer in Britain’

イギリスでは、ガンで死ぬ可能性が男性が女性より4割高い。
初期段階でがんが発達する可能性は、
男性のほうが女性より16%高い。
イギリスでこんな研究結果が明らかになった。

この原因は、男性のほうが医者をあまり訪れたがらないということ、
さらに男性が健康的な生活をあまり送りたがらないということにあるという。

BBCの記者が詳しく取材した。

恐ろしい結果が出てしまった。
ある英国の研究機関によると、
英国で男性のほうが女性よりがんで死ぬ可能性がはるかに高いという。
この調査を行った一人、
国立ガン情報センターの医者のデーヴィットによると、
これにはいくつかの理由があるという。

デーヴィット「英国の男性は基本的に不健康な生活スタイルを好みます。
さらに、体に何か病気に兆候が出たと感じても、
これが本当に病気なのかということを、信じたがらない。
医者があれこれ忠告やアドヴァイスを与えても、
無駄になるということが多いのです」

WHO(世界保健機関)によると、
2030年までに、癌の発症率は、
世界レベルでみると、男女ともに45%増えると予測されている。
また、ある別の世界的権威のある医療研究機関は、
がんの発症のうち3分の1は、
肥満を防ぎ、喫煙をやめ、
適度な運動を続けるという生活習慣を送ることで
防げるという研究結果を2005年に出している。

英国の研究者は、
男性のほうが女性よりがんによる死亡率が高い
biological reasons(生物学的理由)はないと結論付けている。
生活習慣を変えることが、
男性を癌から守る有効な手段であるとうったえている。

(BBC Global News June 16 配信分より)

英国では男性のほうが会社づきあいなどで
酒やたばこの量が多く、
多忙で運動もあまりできないということになるのでしょうか。
残念ながら、日本でがん死亡率の男女比に関するリポートは
ありませんでしたが、
日本でも、男性に関しては同じようなことがいえるかも知れません。
健康的な生活習慣を送る運動を広めて、
多くの人が保険金にあまり頼らない生き方をできる国にしていけたらいいんじゃぁないかと思います。

2009年6月6日土曜日

cheating

Pod Castで聴く英国のニュース
50回目。
やっと50回到達です

今回は中国の大学受験のお話です。

英BBC Global Newsから。

‘Entrance Exam in China’

中国の全国6万を超える大学受験会場の教室には、
監視カメラが設置されている。
これは受験生の‘cheating(カンニング行為)’を防ぐためである。
これまで、一部の学生が、
受験時に超小型レシーバーなどのハイテク機械を使い、
カンニング行為を行ったとして、
捕まるというこ事態が多く発生しているためである。

BBCの記者が北京で詳しく取材した。

有名大学に入るというのは、
世界中どこでも大変なことである。
しかし、中国での受験競争は、特に過激なものである。
来週から中国で全国一斉の3日間にわたる共通大学受験が始まる。
受験者数は1000万人。
中国では、大学受験は‘life-changing event(人生を変える一大行事)’
とみなされている。
一部の受験生は、高得点をマークするために、
高度な‘cheating methods(カンニング技術)’を駆使する者がいる。
超小型レシーバーは当たり前。
受験する大学の学生グループと組み、
試験中に携帯電話を使ってやり取りするという
ツワモノまでいる。

中には、信じられないが、大学に事前にお願いし、
問題用紙を手に入れるという者もいるという。
この件に関しては、
事件にかかわった学生やその親、
教授ら8人が逮捕され、刑務所行きとなっている

このような過去の信じられないようなカンニング行為を受け、
今年から受験会場では、
金属探知機が設置され、
教室内には監視カメラが設置された。
また、無線通信を遮断するための
特殊なバリアを張るという措置もとられた。
問題用紙を作成する教授陣たちは、
外部との接触を一切禁じられるということさえも行われた。

これでもカンニング行為が行われたことが発覚すれば、
検察の権力が動くことになる。
つまり、カンニング者は、
強制連行されるということになる。

公平な試験を目指し、
中国当局は様々な努力を重ねている。

(BBC Global News June 5 配信分より)

中国は昔から「カンニング大国」であるという話を聞いたことあがあります。
古代の時代から、官僚採用試験として、
「科挙」というものが行われていました。
これは、分厚い本何冊分もの法令を丸暗記し、
試験でその丸暗記したものをただ書き写すという試験です。
カンニングペーパーを衣服の中に忍び込ませたり、
飲み込んで試験時に吐き出したり、
手のひらや爪に覚えられなかった部分を書いたりと、
先人たちも様々な手を使って、
この官僚採用試験でカンニングをしまくったとのことです。
今の時代でもこれだけあからさまなカンニング行為があるというのは、
中国のお家芸と言っていいのかも・・・
失礼で済みません

ちなみに、この科挙の話をしてくださったのは、
私が受験生の時に通っていた予備校の世界史の講師。
この講師はいつも「大学受験なんてたいしたことじゃないから」
と言っていました。
受験でどの大学に入るかも大事だけど、それよりも、
大学で何を学ぶか、
さらに、そこで一生研究し続けられるテーマをいかに見つけられるかが、
より大事であると言っていました。
このことを中国の受験生も理解すれば、
あんなカンニング行為も起こらないと思うのですが。。。


2009年5月27日水曜日

food cooperative

Pod Castで聴こう英国のニュース
第49回。


今回は、食料品に関する話題です。

英BBC Global Newsから。

‘Food Cooperative’

経済危機により、お金のやり繰りが一層難しくなる中、
ブルックリンの`food cooperative`が活況を得ている。
食料品店で、お客さんがタダ働きするというもの。
その代わり、そのお店の商品をとっても安く購入することができる。
数千人の人が、そのシステムに興味を持っているという。

BBCの記者がブルックリンで取材した。

私が今買い物に来ているこの食料品店は、
ただのスーパーマーケットではないんです。
あるおばさんがお客を迎えている。
「いらっしゃいませ。ごゆっくり見ていってくださいな」
このおばさんは、実はお店のスタッフではない。
‘food cooperative(フードクーペラティヴ)’なんです。
フーソクーペラティヴは、このお店で買い物をするには、
まずここで働かなくてはならないのです。

「私の名前はナオミ。
今日はお豆腐と卵を棚に並べる作業をしています。
私は大学で心理学を専攻する学生です」

「私はジェニファー。
私も棚に商品を並べる作業をしています。
職業は、カウンセラーです」

「私はマーニー。
ゴミをステーションに持っていったり、
床を清掃したりしています。
本職は、ファッションデザイナーです」

このスーパーでは、
カウンセラーや弁護士など、
さまざまな職業の人たちが、
棚に商品を並べたり、
床を清掃している姿を見かける。
彼らは、給与を得るためにこのように働いているのではない。
お店の商品を安く購入できるようにするためだ。
人件費分を彼らが肩代わりしている分、
店の商品を40%割り引いた値段で購入する権利が与えられる。
このフードクーペラティヴ制度を利用しようという人は、
ここ最近の経済情勢を反映するかのように増加を続けている。

「最近はレストランで外食しようという人が減り、
代わりにスーパーで買い物をして自分で作ろうという人が増えている。
そのぶん、このフードクーペラティヴがより注目を集めている。
今は、約1400人の人がこの制度に登録をしている。
昨年の同時期よりも10%増えた」
店長のジョン氏はこう話す。

フードクーペラティヴのメンバーは、
4週間のうち、
3時間働くだけでよい。
非常に手軽で、これが人気を加速させる一因だ。

経済情勢がこのままで続く限り、
フードクーペラティヴ制度は根強い人気を
保ちちづけるであろう。

(BBC Global News May 26 配信分より)

一見アメリカっぽいとも言えるし、
アメリカっぽくないとも言えるシステムだなぁと感じました。
しかし、この制度、あまりにも広まると、
スーパーで普通に働きたいという人から
雇用を奪うのではないかとの懸念は残りますが・・・

2009年5月21日木曜日

Pod Castで聴く加奈陀のニュースです 

48回目今回は、アイルランドのお馬さんの話題です。 
経済危機で、アイルランドのお馬さんたちも苦労されているようです。 


加CBC The World This Weekend から。 


'Horses in Ireland' 


アイルランドは、世界トップレベルのサラブレットと騎手を生み出してきた、 
伝統的な競馬産出国であった。 
しかし、昨年からの経済危機により、 
サラブレット養成の需要は減少してきている。 
そのような馬を持ちたいという富裕層の縮小によるものだという。 
強いサラブレットは多くいるが、 
お金がない、という、需給の逆転状態にある。 

あるサラブレット養成師は話す。 
「ただでさえ、レジャーへの支出を抑える傾向が強い。 
なのに、サラブレット馬を飼い、育て、さらに強くしてやろうという 
金銭的余裕のある人が減らないわけがない」 

アイルランドのサラブレットの売り上げは、 
昨年比で44%も下がった。 
これは、アイルランド国内のことだけではない。 
アイルランドで養成されたサラブレットは、 
世界中の富裕層に買われている。 
世界規模で、大幅に売り上げが減少しているということだ。 

最近では、アイルランド国内で、 
サラブレットを‘abandon(見捨てる)’することまで起きている。 
ダブリンのある馬屋で、今、2匹の雌の馬が倒れている。 
休んでいるのではない。 
栄養失調と直射日光の強い刺激で倒れたのだ。 
数時間前、この2匹は道端に倒れいた。 
誰かに飼われていた馬が‘abandon(見捨てる)’され、 
あてもなくさまよい、最終的にこうなってしまったのだ。 
今は獣医の到着を待っている状態である。 
馬屋の管理者は、 
このようなケースを2009年に入ってから何度も見てきたという。 
管理者「栄養失調になった馬が道端で倒れているのを見かけるのは、 
毎週のようにある。 
通常、このようなケースは、年に45件ほどであるが、 
今年はまだ5月なのに、すでに59件も発生しています。 
恐ろしい数です」 

馬にとって、このような状態で倒れてしまうというのは、 
「死」を意味する。 
このような馬は、 
‘shoot(射殺する)’するというのが最も慈悲的な対処方法とする馬屋の管理者もいる。 
ある馬屋での取材の最中にも、 
その場面に出くわしてしまった。 
銃声が鳴り響き、倒れていた一匹の馬が息を引き取った。 

「見捨てられる」馬の数が増えているのは、 
アイルランドの経済危機が直接の原因であると指摘する関係者は多い。 
実はサラブレットが売れないという問題は、氷山の一角にすぎないという。 
ここ10年、アイルランドは、 
馬と共に経済成長を遂げてきたようなものであった。 
首都ダブリン郊外の多くの若い男性や男の子が、 
騎手や馬の調教師になることにあこがれ、 
あらゆる種の馬を飼っていたのだ。 
しかし、馬を育てるのは、途方もない時間とお金がかかる。 
そのような困難を知らずに馬を飼う家庭が多かった。 
そこに、経済危機が直撃した。 
馬を育てる余裕がなく、見捨てるほかないという人が増えているのだ。 

ジョッキーや調教師になり、 
自分の馬が優勝するのを祝福する。 
そんな理想は、ここアイルランドでは過去のものなってしまった。 
今やここに勝ち馬はいない。 
全ての馬がlooser(負け)となってしまっう可能性がある。 

(CBCのThe World This Weekend 5月17日頃配信分のだと思います) 

日本でも、レース用の鳩が殺されて水路に捨てられるという 
事件が最近ありました。 
人間の経済の都合で、 
動物たちもいい迷惑を被っているものです。 
私たち人間も、動物たちに多いに依存して生きているという事実を知り、 
敬意を払うという姿勢をもたなあきませんよね。 

2009年5月3日日曜日

abduction

Pod Cast で聴く英国ニュース 
第47回目。 

明後日はこどもの日ということで、今回は、子供の話題。 
中国での深刻なお話です。 


英BBC News Pod から。 


‘Abduction in China’ 

毎年数千もの子供たちが消えうせるという中国。 
彼らは、誘拐され、人身売買に巻き込まれる。 
彼らのうち、運良く家族と再会できるのは、ほんの数例。 
中国当局は、DNAを使った一致システムによる対策を始めた。 
連れ去られ、救出されて保護された子供のDNA鑑定を行い、 
元の親と一致するかどうか調べ、 
子供を親元に戻す取り組みである。 
中国の多くの親たちが、 
子供の誘拐・人身売買を防ぐための対策をもっと徹底するよう、 
中国当局に要請している。 

中国での子供の誘拐・人身売買に関するドキュメンタリーを作成した、 
ケイト・ブルイットという映画監督がいる。 
BBCの記者が彼女にこのことについてインタビューを行った。 

ケイトさん:子供の誘拐・人身売買は世界中で起こっている問題です。 
しかし、中国では、いわゆる一人っ子政策のせいで、 
この問題が他の国・地域より一層深刻なのです。 
今でも中国では、古い考え方ですが、 
多くの人が男の子を持ちたいという傾向が強いのです。 
一人の子供しか持てないために、 
都心部では、女の子を産むことよりも、 
地方で誘拐されてきた男の子を「買う」ということを選択する傾向があるのです。 
しかも、このように男の子をさらって売買するということは、 
今中国で活況を帯びるビジネスになりつつあるのです。 

記者:では、誘拐されるのは、男の子だけということですか? 

ケイトさん:いいえ、女の子も誘拐されます。 
中国では若い男性の軍隊が非常に重要な役割を果たしてきています。 
彼らの多くが、パートナーを見つけることが難しい状況です。 
そこで、地方で誘拐された女の子が富裕層の多い都心部へ連れさられ、 
軍人のパートナーにさせられることもあるというのです。 
このように、約20年前に始まった一人っ子政策のせいで、 
子供の人身売買が非常に深刻な問題になっているのです。 

記者:警察は行方不明になった子供をどのように捜すのですか? 

ケイトさん:私たちがドキュメンタリーを作成している際、 
地方の村で、親たちが「私たちの子供はさらわれた」と紙いに書いて、 
高く掲げているという光景を何度か目にしました。 
警察は何をするかというと、そういった人たちを、なだめるだけなんです。 
中国政府も、このことをあまり公にしたがらないようなのです。 
子供の誘拐・人身売買が盛んなんてことが知れたら、 
国の威信・国際的評価が失墜してしまう。 
だから、子供の人身売買の正確な統計も公表しない。 
警察も国の人間ですから、捜査にあまり協力的でないということです。 

記者:子をさらわれた親たちはどうですか? 
その問題解決を公に訴えたりするのですか? 

ケイトさん:誘拐されるのは、地方の、非常に貧しい村の子供たちです。 
故に、親たちも子供たちを捜索するお金もない。 
自分たちの住む村を出るお金さえもない。 
周りにいる人たちに、子供を見つけてくれるよう、 
協力をお願いするぐらいしかできないのです。 
そして、残念ながら、子供に再会できる親は、ほんの一握りにすぎません。 

記者:子供に再会できた親に会ったことはあるのですか? 

ケイトさん:はい、あります。 
ある農村の家族ですが、息子さんが6歳の時に誘拐され、 
あらゆる手段を使って息子さんを捜したそうです。 
警察の助けは借りなかったそうですが。 
周りの人からお金を集め、北京行きの航空券を買い、 
誘拐された息子を捜すという行動が、 
北京でマスコミに取り上げられるようになって、 
様々な人々から協力を得ることができ、 
再会できたとのことです。 
誘拐された息子さんは、人身売買集団にさらわれた後、 
ある夫婦のもとに連れて来られ、 
「おとうさん」「おかあさん」と呼ぶことを強制されていたと言います。 
その状況から運良く助け出されたんです。 

(BBC News Pod May 2 配信分より) 


怖い話っすよね。 
鄧小平以来、改革・開放路線を進めてきた中国。 
何よりも経済発展を最重要課題としてきた故に、 
経済成長は目覚ましいものがありました。 
しかし、改革=改善と信じ続けてきてしまったことで、 
様々な弊害が出ているのは認めざるを得ないところでしょう。 
格差の問題、環境破壊、毎年増加する自殺者、そしてこの子供の誘拐・人身売買。。。 

数千年の歴史を誇る中国、 
欧米に歩調を合わせた経済発展にばかり目を向けるのではなく、 
今こそ長い歴史の中で積み上げてきた伝統や知恵にも目を向け、 
打開策を探るときではないかと個人的には思います。 
まぁそれは日本にも言えることなのかもしれないのですが。 

終わりです!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

2009年4月22日水曜日

sakura

Pod Castで聴く英国のニュース 第46回。 

今回は、富士山とともに、日本を代表する自然の景色、 
さくらについてです。 
英BBCで、日本の花見を取材したリポートがありました。 
日本の伝統行事ともなっている花見が、 
欧州でどのように報道されているか、 
ご興味があれば、お読みになってみてください。 

英BBC From Our Own Correspondent から。 


‘Cherry Blossom in Spring’ 

春の桜の花ほど、気持ちを高揚させ、かつ落ち着かせてくれるものはあるだろうか。 
多くの日本人がこう感じている。 
桜を見、その木の下で食べたり飲んだいるするという花見(cherry blossom viewing)は、 
日本では国家の伝統行事のようになっている。 
日本各地で花見の光景が見られる今。 
しかし、戦後最悪とも言わるeconomic crisis(経済危機)を背景に、 
今年の日本の花見には少し違った光景がみられる。 

BBCのリポーターが東京で取材した。 

日本の冬は、寒く、長い灰色の時期である。 
そして、温かな春は一層待ち焦がれるものである。 
3月上旬になると、ただの黒いだけの木に見えた桜に変化が表れ始める。 
そしてその数週間後に、一気に開花するのである。 
その花のあまりの元気良さに、 
桜並木や桜の木の多く植えてある公園は、 
まるでピンクと白の雲に覆われているかのようになる。 

日本の首都である東京は、 
他のどの都市よりも多くの人口を抱える。 
そしてこの多くの人々すべてが、春の桜を待ち焦がれている。 
東京の桜の名所である上野公園では、あまりの人の多さに、 
何が何だか分からないほどになっている。 
アマチュアの写真家はあちこちにいて、 
携帯で淡いピンクの花を撮っているものもいれば、 
友人を桜をバックに撮っている人もいる。 

日本では季節ごとの自然の移り変わりを祝う習慣がある。 
秋の紅葉の時期や、初夏の田植えの時期などである。 
そのなかでも、桜の時期の花見は、 
とくに大事にされている。 
過去何世紀にもわたって、日本のaristocrats(貴族・皇族)たちには、 
桜の時期になると、その木の下を歩き、 
もしくは座って短歌を詠むという風習があった。 
blossom appreciation(桜の花をよく観察する)ということが 
日本人にとって、伝統的な文化であり、 
ここに'mononoaware(もののあわれ)'が一番よく反映されている。 
mononoawareは、移りゆく自然のなかに美を見出す意識のことである。 

最近では、毎日の天気予報の後に、ある「便利情報」が流れる。 
‘cherry blossom front(桜前線)’のことである。 
気温が上がるにつれ、日本列島を南から北へと移動する、 
花の「前線」である。 
日本で最初の桜前線は、1月初旬に沖縄にやってくる。 
首都東京では、気象庁の職員が、 
靖国神社の桜を毎日注意深く観察する。 
ちなみに、この靖国神社は、 
日本の政治に関連して、よくニュースで登場する。 
日本の天皇のために、特に太平洋戦争で戦死した、 
約250万人の御霊のために建てられた、メモリアルである。 
太平洋戦争時のA級戦犯も祀られているところで、 
日本の首相が参拝する度に、話題になる神社である。 
戦地へ赴く兵士は、しばしば美しくもはかない桜の花にたとえられる。 
「靖国で会おう」これが戦地へ赴く兵士の会話の中でよく出てきたという。 

靖国神社の中に、フェンスに囲まれた、特に珍重されている桜の木がある。 
この桜に5つ~6つの花が咲いているのが確認されると、 
東京の桜の季節が正式に始まったということが宣言される。 
そして、数週間の楽しい花見の季節が同時に始まるのだ。 

reserving task(場所取り)は、花見ではとても重要な仕事だ。 
会社では、新人がこの場所取りの任務を与えられる。 
日本では、桜のこの時期に学生が社会人になる。 
立派な建物での入社式を終え、一斉に社歌をうたった後は、 
ブルーシートを持って桜の名所へと駆り出される。 
今日も朝から新入社員ぽい若い男女がブルーシートを敷き、 
段ボール箱の机を用意しているのを見た。 

今年の花見は、戦後最悪と言われる景気停滞期を背景に行われている。 
多くの製造業が苦境に立ち、 
特に車や電機産業は輸出の落ち込みによる打撃が厳しい。 
伝統的な日本型経営に陰りがさし、 
いわゆる大企業でほとんどの新社会人が新たな生活を始めるという過去のスタイルは 
一般ではなくなってきている。 
政府による企業名公開のリスクがあるにもかかわらず、 
内定取り消しを行う企業も多い。 
花見にいる新入社員へのインタビューで一番多く聞かれた言葉は、 
‘I'm lucky to have a job.’(職を得られて幸せです)だった。 

(BBC From Our Correspondent April 18 配信分より) 


経済停滞といっても、 
やはり花見はなくならない。 
時代がかわっても、花見で新しく仲間になったメンバーを本当の意味で迎え入れるという習慣が続いているというのは、 
やはり私たち日本人が桜の花に特別な思いを抱き、 
それを心の奥底でずっと忘れずにいるからであると思います。 

2009年4月11日土曜日

soy sauce

Pod Castで聴くワールドニュース第45回 

今回は醤油に関して、ある日本人へのインタビューを見つけましたので 
ご紹介させていただきます。 

英The Economist から。 

‘Soy Sauce’ 

日本の寿司が世界的に有名になるにつれ、 
醤油の販売量も飛躍的に伸びてきた。 
イタリアのオリーブオイルやフランスのマスタード、 
ベルギーのチョコと同様、日本食材の代表格である醤油。 
50年以上も前に日本の醤油を世界に広めた、 
キッコーマンのユウザブローモギさんにインタヴューを行った。 

モギさん:我々はまず1957年に米国市場へのしょうゆ進出を試みました。 
それまでは日系米国人や米国に住む日本人へ醤油を販売していました。 
57年に一般の米国人にも販売路を広げ、受け入れられたのです。 
醤油はあらゆる料理に使えるseasoning(調味料)として宣伝していました。 
さらに、しょうゆを使った料理レシピを広めるということもしました。 

記者:「あらゆる料理に使える調味料」と述べられましたが、 
なぜ、日本特有の料理だけでなく、 
このような万能調味料としてのアピールを行ったのでしょうか? 

モギさん:大戦後、多くの米国人が日本に来て、滞在していました。 
ビジネスマンやジャーナリストや学者さんたちです。 
彼らは日本で何年にもわたって滞在していました。 
当時、彼らは醤油を日本料理だけでなく、米国の料理にも使っていたのです。 
それを見て、思ったんです。 
醤油は、日本食だけでなく、様々な料理に合う万能調味料だと。 

記者:あなたは米国留学中、 
米国で醤油マーケットを開拓することにご尽力されてましたね。 
どのように実現されたのですか? 

モギさん:大学の夏休みなどに、宣伝マンとして働いたのです。 
スーパーなどでのデモ販売です。 
醤油を使った肉料理の試食を提供したりしましたね。 
おおくの米国のお客さんが醤油の肉料理を気に入ってくれました。 
ここで、米国で醤油マーケットは成功すると確信しましたね。 

記者:醤油というのは製造はそんなに複雑な工程ではないですよね。 
醤油製造に必要な材料・過程を教えていただけますか? 

モギさん:soy beans(大豆)とwheat(麦)が主な材料です。 
まず、大豆を蒸し、麦を炒ります。 
そこにあるenzyme(酵素)を加えます。 
そこから発酵が始まります。 
そこで塩水を加え、大きな樽に移し替えて、 
4~5か月熟成させます。 
さらに圧力を加え、それをろ過します。 
最後にボトル詰めして、できあがりです。 

記者:キッコーマンさんは300年以上もの長い間醤油造りを続けていらっしゃいますね。 
御社の歴史を簡潔で結構なので話していただけますか。 

モギさん:17世紀、東京の北東の市、野田というところで醤油造りが始まりました。 
その90年後ほど後に会社となり、大戦後に株式上場企業となりました。 

記者:醤油は新たな発想から別の食品とのコラボレーションも実現されていますね。 
醤油アイスクリームというものがあると聞きました。 
どのようにアイスに醤油という発想に至ったのでしょう? 

モギさん:醤油というのは実は200種類以上もの味があるのです。 
そのうちの一つに、バニラ風味のしょうゆというのがあります。 
それをアイスクリームに使っているわけです。 
実際、野田にある製造工場にはちいさなカフェがあって、 
そこで醤油アイスクリームを販売しています。 
評判はいいですよ。 

記者:私も頂いたことがあります。 
おいしいですね。 
他にどんな意外な食品と醤油をコラボレーションさせているのですか? 

モギさん:甘味にしょうゆを含ませるというのは多いですね。 
ヨウカンをご存知ですか? 
‘bean paste cake’です。 
一部のヨウカンには醤油が使われています。 
醤油を使ったビスケットなんかもあるんですよ。 
本当に万能調味料ですよね。 

記者:中国について質問です。 
中国はこれまで同様、今後もとてつもないマーケットとなっていくはずです。 
中国戦略を聞かせていただけますか。 

モギさん:我々は2002年に中国に工場を作りました。 
中国というのは格差の大きな国で、 
中国では貴重品である醤油を購入できるのは、 
裕福な層の人々だけです。 
しかし、WTOにも加入し、国際社会へと 
門戸を開いた中国は、 
今後中間層の形成の拡大につれ、 
非常にわが社にとって有望な国となっていくと予想しています。 

(The Economist April 11 配信分より) 

上記でも書いてありましたように、 
醤油というのは世界的に有名な調味料となっているようです。 
モギさんのご尽力のせいもあるかもしれませんが、 
醤油の味の普遍性というものもあるかもしれません。 

フランスの老舗レストランガイド、ミシュランの発行した、 
「ミシュラン東京」によると、 
東京は、パリをしのぎ、 
世界でいちばん星のあるレストランのある都市とのことです。 
今後、「ミシュラン大阪・京都」の出版予定があるとのことですが、 
東京よりもずっと多くの星を大阪・京都のレストランが獲得することは 
間違いないと言われています。 
国内にパリをしのぐ食文化の地が3つもある日本。 
普遍的な味の価値を持つ醤油の発祥地である日本。 
本当いい国に住んでるな~って思わされます。 
食いしん坊の私だけがそう感じるのかもしれませんが。。。 

終わりです

2009年4月4日土曜日

田舎で遊ぶ

ポッドキャストで聴こー 
ワールドニュース 
44回目です 

新年度早々北朝鮮がbrinkmanshipやってますねー 
ほんまに発射するんでしょうか。 
まぁなんだかんだ言って、 
日本に軍事的被害を加えるような行為はしないと私は勝手に思っているんですが・・・ 
少々心配です。 

で、今回は自然と戯れる話題です。 

英BBC News Pod から。 


‘Estimating the Scale of the Change’ 


英国だけでなく、多くの欧州の国で、 
昔の子供たちはそうであったが、 
最近の子供たちが公園や自然の多い田舎などで遊ぶということが少なくなっているという。 
そんなことよりもテレビ番組やパソコンいじりに熱中しているという報告が多くなされている。 
ある調査によると、自然のおおい田舎で遊ぶという子供は、 
英国で10パーセントにも満たないという。 
前の週に公園に行ったという子供は、25パーセントにすぎなかったという。 

BBCの記者がロンドンのある小学校に行って8歳から10歳までの子供たちに話を聞いた。 

最初の質問。「前に公園に行ったのはいつですか?」 
ある少女:「もう昨年のことだわ。 
外に遊びに行くことさえほとんどないわ」 
記者「外に出ない?」 
少女「うん」 
記者「公園に行くのは好き?」 
少女「時々はね」 
記者「公演は家から遠いの?」 
少女「いいえ。遠くないわ。歩いて数分よ」 

別の少女へ質問。「前に公園に行ったのはいつですか?」 
少女2「公園なんていったことないわ」 
記者「まさか。行ったことあるでしょ公園くらい?」 
少女2「学校の遠足では行ったことあるわ。 
でも、それ以外ではないわね」 

別の男の子へ質問。 
記者「公園行くよね?」 
男の子「うん。毎週日曜日にね。 
ブランコで遊ぶよ。おもしろいよ」 

2つ目の質問。「田舎へ遊びに行ったことはありますか?」 
少女1「ないわ」 
少女2「3年くらい前かなぁ」 
少年1「ないよ」 
少女3「1年前に牧場へ行ったわ」 
少年2「少し前に学校の遠足で田舎へ遊びに行ったよ」 

質問3「田舎でどんなことをしたい?たとえば木登りとか・・・」 
少年1「木登りは面白い!!でもほかには面白いことはないよ」 
少年2「木登りすると変な菌がうつるよ。いやだよ」 
少女1「田舎は楽しいわ。遊ぶものやスペースがいっぱいあるし。 
森に入って探検もできるわ」 

(BBC News Pod April 3 配信分より) 

締めくくりとして、この傾向の原因は、 
親にあるとしていました。 
親が子供を自然の中にもっと連れて行ってやれば、 
子供もそれに興味をより持つようになり、 
自然に親しむようになる、とリポートしていました。 

時代の流れというか… 
日本同様他の国でも多くの子供が自然と親しむ機会を失い、 
ゲームやテレビやパソコンにはまっているというのが現実のようです。。。 
私は小学生のころは、 
島根や山口の非常に田舎なところに住んでいました。 
(島根や山口在住の方には失礼かもしれませんが・・・ 
でも島根・山口をとても愛しています) 
ザリガニ捕りやカブトムシ捕り、 
草野球や木の実探し、 
神社やお寺でのかくれんぼや鬼ごっこなど、 
自然の中で思う存分遊んで育った記憶があります。 

今はこのようなことができる環境がすごく少なくなってしまいましたよね。 
数年前に島根や山口を再訪しましたが、 
やはり私が小学生だった頃とはかなり違ってしまっていました。 
不便かもしれないけれど美しい自然を多く残すということは、 
国の財産であり、子供たちの財産にもなると思います。 
便利さを求めて何でも近代化、というのはやはり間違ってるんじゃないかと思います。 

2009年3月27日金曜日

葬儀

PodCastワールドニュース43回目? 

先日WBCで日本チームが優勝しました。 
僕も決勝だけはたまたま勤務でなくて見ていました。 
印象的だったのは、 
日本チームが決勝戦で韓国に勝った後、 
マウンドに日本の旗を立てなかったこと。 
以前韓国と戦い、日本が負けた際、 
韓国チームがマウンドに韓国の国旗を立てたということがありました。 
決勝で勝ち、本当の意味で韓国を下した日本。 
マウンドに日本国旗を立てようと思えば立てることもできた。 
しかし、あえてそれをしなかった。 
やはり日本チームのメンバーに品格があったのだと感じました。 
また、敗者に情をかけるという、武士道精神の一つである惻隠の情も見て取れたような気がしました。 
「サムライジャパン」なんて、大げさな表現だなと思っていたのですが、 
このことに関してだけは、 
武士道―侍精神を感じたなーって思いました。 

実は韓国線よりアメリカ戦に勝ったときのほうがずっとうれしかったのですが。 

で、今回はWBCに参戦もしていない、 
インド・英国の葬儀に関する話題です。 

英BBC News Pod から。 

‘Open Air Cremation’ 

イギリスに住むインド人たちが、 
故人の屋外でのcremation(焼却)を認めるよう訴えている。 
イギリスのインド人たちは、故郷での宗教的習慣に基づき、 
故人を屋外で焼却することについて裁判所から禁止命令を受けた。 
しかし、その判決を不服として新たな訴訟を起こしているという。 

BCCの記者が詳しく取材をした。 

イギリスに住むインド人のガイさん。 
かえは、屋外で故人の遺体を焼却することは、 
魂の解放につながるとして、必要なものと話す。 

インドの人々は、このような信念のもと、 
屋外での遺体の焼却を4千年以上も続けてきた。 

2006年、イギリスの地方裁判所は、 
屋外遺体焼却のための場をガイさんに提供することを拒否する命令を下した。 
そのため、ガイさんは郊外の牧草地に屋外遺体焼却のための施設を作った。 
このこといついては警察はガイさんを起訴することはしないと決めた。 
しかしガイさんは不満で、 
インドでの習慣に従い、屋外での遺体焼却がイギリスで号砲になることを祈っている。 

イギリスに住むインド人の中には、 
親族の故人の灰を故郷インドに送り、 
聖なる川、ガンジス川に撒くという人も多いという。 

ヒンドゥー教は、英国での宗教の中で3番目大きい勢力である。。 
屋外での遺体焼却の合法化を求める動きは、 
今後一層強くなるという予測が多い。 

(BBC News Pod March 25 配信分より) 

古いものを愛し、伝統を何よりも重んじる英国人。 
ただし、他文化にはなかなか寛容になれないようですね。 
まぁ遺体の灰が空に舞うということで衛生面で気になる点もあるかもしれないですが・・・。 

2009年3月13日金曜日

スコットランドのチョコ規制

Pod Cast ワールドニュースです。 
42回目です。 

ホワイトデー直前の今回はチョコレートの話題です。 

英BBC Global News から。 

‘Should Chocolate Be Taxed?’ 

アルコール類やタバコに税金が課せられるのは 
多くの国であること。 
しかし、チョコレートにも同様に課税するというのは、 
なかなか聞かない話。 
しかしこのことが今スコットランドで活発に議論されているという。 
理由は、obesity(肥満)問題解消のため… 

スコットランドの医療委員会でこの議論を行った、food scientistのディヴィット・ウォーカーにBBCの記者がインタビューを行った。 

ディヴィット:obesity(肥満)というのは、欧米諸国、特にアメリカや英国で 
社会問題となっています。 
また、卒中や糖尿病など、肥満関連の病気は我々に深刻な被害をもたらします。 
さらに、憂鬱状態など、精神的な障害さえももたらすこともあります。 

記者:つまり、チョコレートが憂鬱状態を引き起こすことになると? 

ディヴィット:その通りです。 
肥満は憂鬱状態につながるとの報告は多くあります。 
チョコレート製造メーカーは、 
常にチョコレートが我々の健康にいいものであると宣伝します。 
しかし、肥満から生じる様々な障害、 
自分たちにとって不都合な情報は公表しようとしない。 

記者:チョコレートには健康にいい物質が多く含まれているというのが、 
我々一般市民の考えです。 
糖分が気になるのであれば、ダークチョコなど、 
糖分の少ないチョコを食べればよいという話になるのでは? 

ディヴィット:もちろんです。 
問題は、あまり質のよくないチョコレート。 
これらが健康への被害をもたらす。 

記者:たとえあなたのおっしゃるように、 
体への被害があるにしても、 
わざわざチョコレートに課税すべき程のことであると思いますか? 
チョコを買うか買わないかということは、 
消費者が考えること。 
チョコへの課税を認めるということは、 
他の肥満につながるような食べ物にも、国家が介入し、 
課税により価格をコントロールすべきという議論になるのではないでしょうか? 

ディヴィット:そのように言っているのではありません。 
チョコレートというのは、毎日毎日食べるようなものではありません。 
ある意味、特別な食べ物ということになる。 
そういう食べ物だから、課税という議論があるのです。 
また、予防医学の観点からも考慮されています。 
チョコを食べ過ぎて肥満になり治療をする事態になるよりも、 
課税によりチョコをもっと非日常な食べ物にして、 
肥満を防ぐ。 
治療より、予防のほうが簡単だし、お金もかからない。 

記者:ただ税金を取り立てたいだけという意見もあります。 

ディヴィット:もちろん、チョコレートへの課税が可能になれば、 
税収が増えます。 
ただ、その増収分は、肥満対策に使われることになると思います。 
エクササイズやスポーツのための施設をもっと作ったり、 
肥満治療への助成金を出すのに使ったり。 
とにかく、先ほど述べた「予防医学」の観点が強い。 
チョコが高くなって食べる機会が減れば、 
それで我々は肥満から自分たちを守ることができるようになる。 

(BBC Global News March 13 配信分より) 

チョコが好きで好きでたまらなく、 
チョコレー党の私にとっては、 
耳の痛い話です。 
インタビュー中に「チョコは毎日食べるものではない」とありましたが、 
チョコのおいしい季節である今の冬の時期は、 
毎日必ず食べます。 
しかも大量に… 
でも、「肥満である」と医者や周りの人に言われたことは一度もありません。 
新陳代謝がめちゃめちゃ活発な体質のようです。。。 

一時、多くの「先進国」で「規制緩和」が流行った時期がありました。 
今でも規制緩和は「善」と考えられている風潮が強いですが、 
最近はその逆の規制強化が主流になるのではという意見が多く聞かれます。 
私たちが全幅の信頼をおける「真のエリート」たちが大局的判断のもと国政を担い、 
法律という「規制」をかけ、 
国民の「暴走」をとめる、というのが真の国家のスタイルであると思います。 
フィクションの国、アメリカ発の「自由市場」「規制緩和」「小さな政府」政策というのが誤りであると証明された今、 
改めて「国家」とは何かを考え、 
「規制」の重要性を再認識する必要があると思います。 

まぁ国家によるチョコレート価格の規制というのは御免こうむりたい話ですが・・・ 

2009年3月10日火曜日

あざらし

Pod Castのワールドニュース第41回。 

寒かったり暖かかったりの今年の3月。 
おかげで風邪引きました。 
さらに花粉症がプラス。 
今年は本当に多いです!! 
この間夜中の3時に鼻水が出すぎて目が覚めました。 
朝起きてあまりの目ヤニで目が開けられないということも… 
もっと暖かくなる4月以降が今から恐ろしいです。。。 

で、今回は花粉症とは関係ないアザラシの話題です。 


加CBC the world this weekend から。 

‘Seal Hunting’ 


カナダのアザラシハンターが 
イメージアップのために活動している。 
東部の海岸での毎年ある残虐なアザラシハンティング、 
その写真が環境保護団体により、 
アザラシ猟反対のキャンペーンに利用されるのだという。 
団体によると、アザラシは銃で撃たれてから 
長時間氷の上で苦しみながら死ぬ、 
そのような猟は非常に残虐であると訴える。 
今年に入って、水産庁の役員が、 
新たな‘slaughter process(殺し方)’を導入し、 
より‘humane(慈悲のある)’ハンティングにすると約束した。 
このような動きがあるのは、EUから、 
動物愛護の観点から、 
アザラシ猟を全面禁止にしなければならないという 
圧力がかかっているということもある。 
しかしこれだけではまだ足りないという。 

CBCの記者が詳しく取材した。 

「これはゴマアザラシ。 
年齢の違うアザラシの毛皮が順に並べられています…」 
カナダ毛皮協会のロブ・ケイヒルさん。 
アザラシの毛皮市で値札のついた毛皮について一枚一枚説明してくれた。 

lこのような毛皮販売会の写真も、 
アザラシ猟反対運動のポスターに使われることを知っている彼は、 
この頃アザラシハンターの教育に熱心である。 
ハンターたちに‘more humanely killing(より慈悲的な猟)’を教え込むことである。 

ケイヒルさん「我々は、残虐的にアザラシを殺すという、 
悪しき習慣を根絶せねばなりません。 
アザラシを、正当な理由で、正当な方法で捕獲する。 
このことを実践せねばなりません」 

これまで、ハンターの残虐なアザラシ捕獲方法は、 
環境保護団体らによって記録され、 
多くの人々に批判されてきた。 
国際獣医活動団体によると、アザラシの捕獲は、 
以下の‘3ステップ’を踏むことで、 
より‘humane(慈悲のこもった)になるという。’ 

アザラシの頭に銃を撃ち込むのが第1ステップ。 
次にアザラシの意識があるかを確かめる。 
そして最後のステップが素早く血を抜くということ。 

ある専門家はこう話す。 
「この3ステップを踏む捕獲を行うことは、 
ヨーロッパの多くの獣医専門家がhumane(慈悲的)であるとして認めていることです」 

カナダにおいて、アザラシの毛皮の輸出は$13million(約11億7千万円)を占める。 
当局は、この3ステップ導入の訓練などに$3million(約2億7千万円)かかると見込む。 
しかし、アザラシ猟はすでに儲けの少ない、 
競争の激しい分野となっており、 
ハンターたちにとって厳しい現実がつきつけられる形となる。 

ヨーロッパのある諮問委員会は、 
アザラシ猟の全面禁止を話し合う会議を近く開く予定だ。 
EU幹部の人間は、アザラシ猟が非常に残酷であるとの観念が頭から離れないのだ。 
カナダのアザラシハンターたちは、 
この‘3ステップ’を導入することで、 
なんとかカナダだけは猟の全面禁止をまぬかれようと考えている。 

しかし、多くのハンターたちは、 
万が一法律で全面禁止になっても、 
アザラシ猟を続けて生計を立てるほかないと話している。 

(CBC The World This Weekend March 8 配信分より) 

猟で獲物を殺すことに残虐とかあるのでしょうか。 
ライオンやクロコダイルが獲物を捕まえるときも、 
なんて残虐なと我々人間が途方に暮れるような捕獲方法を 
示してくれるようなこともあるわけですから、 
人間だけがその方法を‘humane’なものにするよう強要されるというのはどうなんだ・・・ 
と思ってしまいます。 
人間だって言わば動物で、他の動物を捕獲して食料を得ることになるんですから。 
特に、その捕獲というのが、古くからの伝統であったり、 
食料などを得るための唯一の手段であるという場合には、 
‘近代理性的’な考えで一気に禁止にしてしまうというのも 
おかしな話であるのではないかと感じてしまいます。 
まぁこのカナダのアザラシ猟がそれに当たるのかどうかはわかりませんが。 

同じような理論で、日本のクジラ漁も矢面に立たされています。 
捕鯨の問題、皆さんはどう思われますか?? 
シーシェパードなどの環境穂が団体が捕鯨妨害行為を行っているというのもよく報道されていますが、 
日本にとってクジラ漁は地域によっては伝統であり、 
‘西欧的近代理性’の観点から簡単に長く続いてきた伝統を消されるのはいかがなものかと私個人としては思います。 

ちなみに、あざらしは英語で‘seal’といいます。 
この‘seal’は他に紋章、約束、ステッカーシールなど、 
ぜんぜん違う意味がたくさんあります。 
このようないわゆる「多義語」が多いということは、 
英語学習の障害の一つです。

2009年3月4日水曜日

自転車

Pod Castで聴くワールドニュースです。 
40回目です。 


今回は、パリの1番重要な交通システムにつての話題です。 
日本でもたまに新聞などに載っている話題ですが。。。 


加CBC The World This Weekendから。 


‘The World's Largest Bicycle Sharing Program’ 

1日に8万件もの利用がある、 
パリのレンタル自転車。 
このシステムが導入されて約1年半。 
予想以上に利用が広まった。 

パリ市内にある1000以上ものレンタル自転車ステーションで 
低料金で借りることができ、 
好きなステーションに返すことができる。 
シンガポールやモントリオールなど、 
他の市もこのシステムを導入しようと躍起である。 
しかし、導入には意外とコストがかかるという・・・ 

CBCの記者がパリで取材した。 

最近パリでは、こんなユーチューブ動画が人気だという。 
若い男性がおしゃれな自転車をレンタルサイクルステーションで借り、 
パリ市内を優雅に走った後、 
エッフェル塔の見える別のステーションに返却する・・・ 

全てのパリ市民がこのレンタルサイクルシステムを利用しているわけではないが、 
強い人気があるのは旅行者の目にもわかる。 

パリ市のこのレンタルサイクルシステムビジネスを始めた、 
会社経営のジェイシーさん。 
ここにきて、レンタルサイクルシステムに困ったことが起きているという。 
ジェイシーさん「1年半前にサービスを開始して以来、 
2万台のレンタルサイクルのうち、 
すでに約半分が故障してしまい、 
新しいものに替えたんです。 
さらに、約3分の1が盗まれてしまったんです」 

パリのコミュニティー連携サークルでボランティアとして働くジャキエさん。 
彼女は、パリのレンタルサイクルシステムがスムーズに運営されるよう、 
手伝いをしている。 
彼女はレンタルサイクルシステムに対し、大きな希望を持っている。 
「これは、Green Transportation(環境にやさしい輸送システム)であり、 
しかも約1€(約120円)という低料金で気軽にパリ市内を巡ることができる」 
と彼女は言う。 

一方、彼女は自転車移動に関する欠点ももちろん認めている。 
それは、メンテナンスが難しいということ。 
レンタルサイクルのブレーキが壊れただの、 
タイヤがパンクしただの、 
そのような光景に出くわすことは多いという。 

レンタルサイクル会社を経営するジェイシーさんも 
この自転車の欠点を認めている。 
メンテナンスが高価で大変だということは、 
彼にとってあまり知られたくないことだが、 
現実でもある。 
彼は、レンタルサイクルのメンテナンスの費用の一部を 
肩代わりしてくれるよう、 
パリ市に要請までしたが、却下されてしまった。 
代わりに、市はレンタルサイクルを大切に使うよう 
利用者に訴えるキャンペーンを始めると約束した。 

Ecoと言ってもメンテナンスの面倒な自転車。 
これが、他の国や市がレンタルサイクルシステムを 
なかなか導入できない1つの理由になっている。 

(CBC The World This Weekend March 1 配信分より) 


自転車大好きな私にとっては、 
パリのこのシステムは、 
夢のようです。 
日本でもあったらなー。 
日本人は物を大切にするという精神が強いですから、 
レンタルサイクルを荒く扱うということも少ないでしょうし。。。 
運動不足解消にもなりそうですし。

2009年2月16日月曜日

レバノンの結婚事情

Pod Cast で聴くワールドニュースの39回目。 

今回は、レバノンから結婚に関する問題を 
見つけましたので、書かせていただきます。 

加CBC The World This Weekend より。 


‘Secular Marriage’ 


レバノンである3組のカップルが、 
敢えて2月14日のバレンタインデーに、 
ある抗議行動を行った。 
‘I, do!!(誰でもない、私が結婚を決める)’を合言葉に、 
国の結婚に関する法律に抗議したのだ。 
レバノンの結婚に関する法律には、 
多くの問題があるという。 

CBCのリポーターがレバノンの首都ベイルートで取材した。 

ある酒場に友人や家族が集まっている。 
あるカップルの結婚の儀を取り行っている最中。 
進行役を務めるのは、 
この酒場のオーナー、マーク・ダウンさん。 
彼女が彼らを正式な夫婦と認める宣言を行うと、 
白い風船が天井に浮かび、 
壁には結婚を示す印がスクリーンで映し出された。 

結婚式というのは、喜びの行事であるが、 
この国ではprotest(抗議・抵抗)をも意味する。 
ここの結婚式の参列者は、 
‘Civil Marriage(市民の自由な結婚)’の合法化を訴える、 
国の法律に対する‘Protestant(抗議者)’なのである。 
レバノンというのは、その建国以来、 
国によって承認された宗教団体が、 
結婚や離婚、相続や子供の保護監督に関する権利を握っている国なのだ。 
キリスト教徒やイスラム教徒のスンニ派、シーア派やユダヤ教徒が 
それぞれ独自の‘Religious Court(宗教法廷)’を持っており、 
家族問題や個人の問題について監督する権利を持っている。 

これは、違う宗教の法廷では、違うように法律が設定され、 
違うように裁かれてしまうということを意味する。 
例えば、イスラム教の法廷では、 
男性が妻を4人まで持つことは合法であるが、 
キリスト教の法廷へ行くと、これは認められない。 

このような宗教による法律の違いがあることにより、 
自分の都合の良い宗教の法律に従って生活ができるということも意味する。 
イスラム教徒で離婚を望まない人は、 
離婚の難しいキリスト教系の法律を持ち出せばよいのだ。 
このように、レバノンには、 
自分はキリスト教徒でもイスラム教徒でもどちらでもあり、 
どちらでもないと主張する人も多いのだ。 

しかし、レバノンではすべての市民が、 
宗教上のアイデンティティーを持っていることになっており、 
国が情報システムを使ってそれを把握しているという。 
選挙でだれに投票するか、 
どんな職に就くか、 
どのような政治思想を支持するか、 
と言ったことまで、この宗教上のアイデンティティーによって変わってくる。 
そしてもちろん、結婚にも宗教アイデンティティーが関わってくる。 

ある新婚の妻、ハスボーニさんはこう話す。 
「結婚に関する法律は、 
国民がそれを望んでいようがいまいが、 
国が国民に宗教上のアイデンティティーを強制できる、 
唯一の方法なのです。 
我々はある地区に属し、 
その地区の宗教上の結婚法律を、 
国は私たちに強制できるのです」 

1996年に、レバノンの当時の大統領が、 
宗教にとらわれない結婚を国民に認める法律を通そうとし、 
議会も承認した。 
しかし、当時の首相がこれに反対し、実現しなかった。 
大統領もこれ以降、あきらめてしまい、 
結婚に関する法律の改正はそれ以来見込みがなくなってしまったという。 
しかし、最近大きな動きがあった。 
内務省が、国民の宗教に上のアイデンティティー関する情報を、 
「国民情報システム」から切り離すことを決めたのだ。 
これは、レバノンだけでなく、 
一般の自由な結婚が認められていない多くの中東の国にとって、 
ある意味勝利である。 

しかし、まだまだ結婚を宗教から完全に切り離して行うのは難しい。 
本当に宗教と関係のない結婚式を行いたい人は、 
飛行機を使って約200キロも離れた地中海のキプロス島まで飛んでいく。 
そこで正式な夫婦と認められ、レバノンへ帰っていく。 

レバノンでも将来Secular Marriage(宗教的考えから切り離された結婚)が 
行われるようになるのだろうか。 


(CBC The World This Weekend February 14 配信分より) 


日本で結婚式といえば、 
キリスト教スタイルで行う人もいれば、 
男清原のように神道スタイルを好む人もいるでしょう。 
宗教に一見無頓着な日本人のスタイルを、 
「節操がない」と切り捨てる意見もありますが、 
逆に、「宗教に寛容である」と言う意見もいます。 
私は後者の意見を支持します。 
他の宗教に寛容な故に、 
ヨーロッパなどでは当たり前であった宗教戦争というものがない、 
ある意味すごく平和な国だったのです。 
「節操がない」などと自虐的にならず、 
宗教上の争いを起こさせない、 
平和な民という国民性に、 
自信を持っていいんちゃうかなと思います。 


2009年2月9日月曜日

仏文化興隆

ポッドキャストのワールドニュース38回目。 

今回は、フランスから、 
文化に関するリポートを見つけましたので、 
ご紹介させていただきます。 


加CBC The World This Weekendから。 

‘Cultural Refuge’ 

世界的な金融危機の影響で、 
人々の財布のひもは固くなっている。 
自動車産業も電機産業も、 
あらゆる産業が苦境に立たされている。 
そしてもちろん、 
文化産業も苦しい状況が続いていると思われているかもしれない。 
確かにこの業界も苦しい。 
しかし、フランスでは、事情が異なる。 
ポピュラーアートの人気が高まっているのだ。 
美術館を訪れる人の数は記録的なものになっており、 
たくさんの人が映画や劇やコンサートに私財を費やしている。 

いったいどういうことか。 

CBCの記者がパリで取材した。 

あるミュージアムに入るための長い人の列ができている。 
その列の前でストリートミュージシャンが演奏し、 
列に並ぶ人たちの心をなごます。 
ピカソ大回顧展が開かれるのだ。 
彼らは、氷点下の気温の中、3時間以上も並び続けている。 
「ピカソの絵を見るのはそんなにお金のかかることじゃない。 
街の高級なレストランで食事するのに比べたらね。 
それに、アートは私たちの感情にさまざまのものを訴えかけてくれる」 
奥さんと娘さんと一緒に並んでいるネヴーさんはこう話す。 

このピカソ大回顧展は、 
主催者側の想像以上の大成功となっている。 
70万人もの人々が押し寄せた。 
この文化にお金を費やす傾向は、 
昨年の9月以降顕著になったという。 

経済専門家はこう話す。 
「金融危機がこの傾向を助長していると思います。 
逆説的に思えるかもしれませんが、金融危機が起こると、 
多くの人々が、文化的な行事や催しにより興味を持つようになるのです。 
最近のフランスの人々は、 
外食やバケーションは控えるが、 
美術館や演劇やコンサートを堪能することは、 
断固として止めようとしません。 
文化を楽しむということは、 
困難な時勢を乗り切る際の‘refuge(安全地帯)’なのです。 
映画や劇やコンサートを他の人と一緒になって楽しむというのは、 
金融危機の厳しい情勢の中で、 
‘social links(社会的つながり)’を感じることができる、 
唯一の方法なのです」 

文化の中でも、映画の人気が特に目立っている。 
昨年9月の金融危機以来、 
映画館への入場者数は、 
30%伸びた。 
コメディーやスリラー映画が特に人気を博しているという。 
「最近の観客は、現実逃避の傾向が強いのか、 
コメディードラマで思いきり笑ったり、 
ホラーなどを見て本気で怖がったりするようなことを求めているようだ」 
ある映画監督は話す。 
監督も劇場マネージャーも劇作家も、 
このような傾向が長く続くことを願っている。 

経済の下向きで、文化産業はお祝いムードのようになっている。 

(CBC The World This Weekend February 9 配信分より) 


たかが経済。 
国の尺度を真に示すのは、 
独自の文化や伝統、習慣や言語を、 
いかに誇れるものにしているかということであると思います。 

2009年2月7日土曜日

軍人たち

PCWN 第37回。 


2月に入っての1発目は、 
アメリカからの 
暗い話題です。 

英BBC Global News から。 


'Military Suicide' 


アメリカ軍の発表によると、 
1月の軍内の軍人の自殺者数は、 
昨年の同時期に比べ、 
劇的に増えているという。 
1月、7人が自殺し、 
他に17人が自殺未遂をしたという。 
昨年の1月は、自殺者・自殺未遂者はともに2人ずつであった。 
軍内の自殺率は、一般社会のそれよりずっと高いという。 

いったいどういうことか。 
BBCの記者が取材した。 

軍の報告によると、 
1月の軍内の自殺者は、 
戦闘で出た死者の数を上回ったという。 
このように、 
軍が内部の自殺・自殺未遂者の数を公表するというのは 
実は非常にまれなことである。 
これは、自殺防止策を 
軍が外部に求めていることの表れであるとみられる。 

先週、軍は128人が2008年の1年間に自殺したと発表した。 
自殺とはまだ断定できない死亡事件もまだ他に15件あるという。 
これは、10万人のうち20人が自殺をするという確率となり、 
一般社会での自殺率を超える数値となっている。 

軍では、自殺防止のプログラムを取り入れ、 
その検証も行っている。 
今のところ、この高い軍人の自殺率は、 
ストレスが主要な原因であるとみられている。 
他に、金銭問題や、仕事上の悩みも原因としてあるという。 


(BBC Global News February 6 配信分より) 


日本でも、警察官や自衛隊は、 
非常に過酷な労働であると聞いたことがあります。 
軍人となると、さらに過酷なものとなるのでしょうか。 

日本の武士道では、 
「武士道とは死ぬことと見つけたり」 
と言われたりもしますが、 
犬死のようなことは、 
非常に辱めを受けることとされているそうです。 
アメリカの陸軍にも日本のこの武士道精神を・・・ 
と考えてしまいます。 
「アメリカが何においても世界で一番優れている」と考えているアメリカ人には 
他の文化のこのような考え方を受け入れるのは難しいかもしれませんが。。。 

2009年1月30日金曜日

廃棄電化製品はどこへ・・・

Pod Cast ワールドニュース 第36回。 


あるアメリカ人がクローン犬ペットを1350万円で買ったというニュースが 
日本でも取り上げられていました。
イギリスBBCでもこのニュースが取り上げられ、 
1350万円支払い、愛犬のクローンを 
手に入れたという夫妻へのインタビューを聴くことができました。 
クローン犬を手に入れたことをうれしそうに話していましたが・・・ 

私も子供のころ何匹も鳥を飼って何度もお別れしましたが、 
このような経験を通して、 
死を受け入れることの覚悟を身につけることができたと思っています。 
しかし、クローン技術でペットをまた手に入れるということが普通になってしまえば、 
死を受け入れる覚悟のない人間になってしまうのではないかと思ってしまいます。 
しかも、ペットの生の威厳もおかまいなし。 
彼ら夫婦が満たされるために、 
自分たちの欲望のために愛犬のクローンを作らせたようなものでしょう。 

マテリアティズム精神を基盤とするアメリカ人は、 
そんなことお構いなしで、 
お金で解決できるのならそれでいいと思っているのでしょうが・・・ 

ちなみに、この夫妻へのインタビューの終盤で、 
BBCのリポーターが「世界では毎年何十万匹という犬が殺されている、 
そのような犬を保護する団体へ1350万円を寄付しようとは 
思わなかったのですか?」 
と尋ねていました。 
しきたりや伝統を重んじ、 
穏やかな心でいることを願うという英国人。 
このBBCのリポーターの辛らつな質問には、 
科学技術の恩恵と金に物を言わせるこのアメリカ人夫婦への 
侮辱が込められていたような気がしてなりません。。。 

前段が長くなってしまいました。 

今回は、ガーナに潜むある危険の話題。 


加CBC The World This Weekend より。 


‘The First World's Electronic Garbage’ 


インドや中国のように、 
アフリカの一部の国は、 
コンピュータや携帯電話など、 
使用済み電化製品の「処分場」となっている。 
そのような廃棄家電から再生可能な部品や資源を取り出すことは、 
非常にlucrative(儲かる)であるが、 
同時に非常に危険な作業である。 
アフリカの一国、ガーナでは、 
子供たちが命と引き換えにこの危険な作業に従事している。 

ガーナでCBCの記者が取材した。 

ここはがらくた製品の集まる、バブロシというところ。 
公には、ここはがらくた市場ということになっている。 
しかし、私の目で判断するからにして、 
ここは「市場」とは言えない。 
それは、ここでは毎日2つのものが消えているからだ。 
1つは、コンピュータ。 
そしてもう1つは、ここで働く子供たちの未来だ。 

いま、2人の子供がハンマーを使って 
コンピュータのモニターをばらばらにする作業をしている。 
彼らはこの中から、 
売ることのできる銅線や様々な貴金属を探す。 
そして、彼らのように貴重な部品を取り出そうと作業をする子供は、 
他に数百人もいる。 
コンピュータの中には、危険な化学物質が多く含まれる。 
子どもたちは、この危険な取り出し作業を素手でやっている。 
部品を取り出し、火にかけ、溶けだした貴金属を売る。 
火は、ステレオフォンや車のタイヤを燃やして起こしている。 
有毒な黒い煙が舞い上がる。 

14歳のアブコリン君。 
ここで3年間働いている。 
彼は自分が持ってきたパソコンの部品が燃えるのを待っている。 
彼の小さな体は煙の灰と泥で覆われている。 
右耳の後部の皮膚は湿疹が出ている。 
また、喉にも異変の兆候があるという。 

数ヶ月前、環境保護団体グリーンピースが、 
この土地や付近の潟の土のサンプルを調査した。 
基準の百倍以上もの値の鉛が検出された。 
その他、発がん物質であるダイオキシンなど、 
多くの有害物質が検出されたという。 
こんな場所で多くの子供たちが働いているのだ。 

ガーナの子供たちのこのような実態は、 
すでに有名になっている。 
環境保護庁のジョセフさんは言う。 
ジョセフさん「我々はこのような事態を把握している。 
廃棄されたコンピュータが危険であるということも十分認識している。 
これらが適切に処分されないと、 
ガーナに深刻な影響を及ぼす」 

グリーン地球団体の代表、ジョージ・ハドヒーさん。 
彼はこの土地の浄化の必要性を長年訴えてきた。 
彼は、この土地の汚染の原因を把握している。 
近くの港に船に乗せられて世界中からやってくる、 
ガーナにとって必要のない廃棄処分のコンピュータやテレビである。 
これらはリサイクルされ再び売られるためにやってくるのだが、 
多くはガーナで行き場を失う。 
そして、アブコリン君が働くような、 
有害がらくた市場が出来上がってしまうのだという。 

ここで働く別の男の子、 
バシヤー君の住む村へ連れて行ってもらった。 
そこは有害がらくた市場のすぐ裏、 
filthy(不潔な)でunsafe(危険な)場所。 
彼のほかに約3万人が住む。 
バシヤー君は一人暮らし。 
家の床は新聞紙が敷き詰められ、 
天井は段ボール。 
バシヤー君は遠くに住む両親をいつも恋しがっている。 
両親と一緒に住めるよう、 
家を建てたいと考えているが、 
有害がらくた市場での稼ぎではそんなことは到底かないそうにもないと言う。 
彼の稼ぎは1日約$10(約900円)。 
しかし、他の仕事に従事するガーナの人々の稼ぎは1日約$2。 
これに比べればまだバシーヤ君は良いほうだという。 
そしてこのベターな儲けゆえに、 
社会的な問題も環境破壊の問題もはらむこのがらくた市場を 
潰してしまおうという動きがないのである。 

ガーナ政府が何もしないならと、 
欧米諸国が動き出している。 
昨秋、英国の調査機関は、 
政府が不法にガーナに産業廃棄物を輸送していないか 
調査を始めることになった。 
カナダでは、毎年15万トンもの廃棄電化製品が出る。 
カナダ政府は、このような廃棄物を船で 
ガーナに送らないと約束する条約を 
国際機関と結んだ。 
しかし、これらの努力だけでは、 
廃棄テレビや廃棄コンピュータ、廃棄携帯電話の 
アフリカへの流入を防ぎきることはできない。 
そしてこれらはガーナの土壌を汚染し、 
欧米からの廃棄電化製品の中に埋もれて働く子供を 
今日も増やしている。 


(CBC The World This Weekend January 26 配信分より) 


この話を聞いて、 
2011年に地上デジタル対応のテレビでないと 
番組が見られらくなる、 
そのために日本で地上デジタル対応テレビの 
買い替え需要が進んでいるということを思い出しました。 
毎年大量の地上デジタル非対応のテレビが、 
まだ使えるにもかかわらず処分されていると言います。 
もしかしたら日本からもテレビがガーナに送られているかもしれないと思うと、 
心が痛みます。。。 

ちなみに、うちはまだ地上デジタル非対応の 
ブラウン管TV(14インチ)。 
壊れるまで使い続けようと考えております… 

2009年1月27日火曜日

お金

pOD Castで聴くワールドニュース第35回。 


今日は無印で買った本棚が届いたので、 
組み立てて整理してたら23時近くまでかかってしまいました… 


で、今回は、あるMonk(僧侶・修道僧)の話題です。 
もともと証券マンであったのがこの人が、 
何故修道院の僧侶となったのか? 


加CBC The World This Weekend より。 


‘Giving Up The Quest For Money’ 


フランスのマルセイユに、 
あるMonk(修道僧)がいる。 
彼は、もともとアメリカで働く証券マンだった。 
しかし、あるときトレイダーとしての道を捨て、 
修道僧になり、 
同志とともに貧困層の子供に勉強を教えるという生活に励んでいる・・・。 

CBCの記者がマルセイユで彼のことを取材をした。 

マルセイユのある細い道の一角にある小さな建物。 
壁は薄く、近所の子供のはしゃぎ声なども 
屋内まで響き渡る。 
ここで、今、夕方の祈りの儀式が行われている。 
仲間の僧侶とともにミサをうたう男性の名は、 
ヘンリー・クインソン。 
40を過ぎたくらいのアメリカ人である彼は、 
20年前は、若く、やり手の証券マンであった。 
しかし突然その生活に終止符を打ち、 
マルセイユの質素な修道僧となった。 

ヘンリーさん「私はかつて、 
証券会社のトレイダーとして働いていました。 
当時は、あっという間に使いきれないほどのお金を稼ぎました。 
とても裕福だったと思います。 
28歳の時には、大手のメリルリンチ証券から、 
ヘッドハンティングのオファーがきたこともあります。 
しかし、当時実は私は自分の生き方に何か違和感を感じていました。 
メリルリンチからのオファーを断るどころか、 
そのとき勤めていた証券会社も辞めてしまったのです」 

証券会社を辞めた彼は、 
アメリカをも去り、 
なにも求めないという生活を求め、 
フランスのアルプスのふもとにある修道院で、 
僧侶としての生活を始めた。 
しかし、その修道院での生活は、 
彼には合わないように感じた。 

ヘンリーさん「修道院で、普通の僧侶として生活することに 
意義があると思っていたが、 
実際やってみてあまりそうは感じなかった。 
当時、マルセイユでろくに教育も受けられない 
子供が多くいると聞き、そこで何かできるのではないかと思った。 
行ったこともない、誰も知っている人もいないマルセイユで、 
地中海南部の地方からやってくる子供たちの 
就業の手助けをしようと思ったんだ」 

コマという名前の男の子。 
彼は今、へんりーさんから読み書きを教えてもらっている。 
毎日放課後、ここマルセイユのヘンリーさんの修道院には、 
貧困街、特にイスラム教徒の多い地区から、 
コマ君をはじめ、多くの子供たちがやってくる。 
学校の勉強についていけず、 
さらに学校以外で教育の機会のない彼らに、 
ヘンリーさんの他、何人かの僧侶が、 
勉強を教えているのだ。 

ヘンリーさん「かつて、証券マンとして、 
パリのある高級マンションに住んでいたことがあります。 
パリの中でも、特にお洒落で、高級な地区でした。 
よくシャンゼリア通りに行って派手に買い物もしていました。 
しかし、そこに住んでいた4年間、 
1つだけなかったものがありました。 
それは、近所の人たちからの『ハロー』という言葉。 
近隣住民から、4年間1度も挨拶をしてもらったことがなかったのです。 
しかし、今このぼろい修道院にいて、 
誰もが私に気軽に『ハロー』と声をかけてくれる。 
今に比べ、もちろん当時のほうが、 
生活は金銭的に余裕がありました。 
一生かけても使いきれないほどのお金を稼いでいて、 
週末には何に使おうかと悩むほどでした。 
今はお金はありません。 
当時稼いだお金は、 
すべて様々なNPO(非営利団体)に寄付しましたから」 

彼に今の金融危機についてどう思うか聞いてみた。 
ヘンリーさん「この金融危機は、 
お金は役立つものであると私たちに教えているような気がします。 
お金をどう使うかが重要であるということです。 
ただ自分だけお金を儲けて、 
リッチになればいいという話ではないと思います。 
お金を、環境保護のために使う、 
将来の世代のために我々ができることに使う、 
人類の生命のために使う。 
自己主義を捨てることで、 
お金は我々の希望の星となりうる。 
そんなことを今の金融危機が我々に語っているような気がします」 


(CBC The World This Weekend January 26 配信分より) 


以前、アメリカの大富豪が、 
お金を手に入れることだけを狂ったように追い求め、 
ついには「誰かにこの資産を盗られるんじゃないか」と妄想が起こり、 
精神科にかかるまでおかしくなったという話を聞いたことがあります。 
彼は、精神科の医師に、 
慈善活動をするよう勧められて実行し、 
他人の幸福のためにお金を使うことに意義を見出し、 
ようやく精神面での安定を取り戻したそうです。 

ただお金を追い求める。 
数字を追い求める。 
こんなアメリカスタイルの思想が 
グローバライゼーションともに、 
世界中に広まってしまいました。 
しかし、使いきれないほどのお金を稼ぐということに、 
何の意味があるのかと思ってしまいます。 
特に我々日本人は、 
お金は賤しいという考えを持つ人が多いそうで、 
かつてのむらか○氏のように、 
「お金をもけることの何が悪いんですか?」 
といった考え方に反発を持つ。 

アメリカ一国主義も崩れかけているということで、 
アメリカ的価値観を捨て、 
「お金は賤しい」という我々日本人の昔から持つ価値観をルネサンスさせることで、 
閉塞感漂う今の時代に、 
新たな道筋が見えてくるんじゃないかと、 
このPOd CasTの配信を聴いてさらに深く感じました。

2009年1月23日金曜日

$100の人身売買

pod castで聴くワールドニュース第34回。 


今回はある人身売買に関する話題。 

英BBC Global Newsより。 


‘Human Trafficking’ 


中央アジアのタジキスタン共和国。 
ソビエト連邦から独立した国のうち、 
経済的に最も貧しいとされる。 
ここでは、自分の赤ん坊を「売る」母親の数が増えているという。 
そのprice tag(値段)は、$100(約9,000円)・・・。 

BBCの記者がタジキスタンの首都、 
ドゥシャンベイで取材した。 

50歳のマハ・ブーバさん。 
彼女には4人の息子がいる。 
しかし、彼女はずっと娘がほしかった。 
だから、女の子の赤ちゃんを「買った」のである。 

ブーバさん「私にこの女の子の赤ちゃんを売った女性は、 
5人の子供がいました。 
彼女の夫は彼女を置いて去ってしまい、 
新たに生まれたこの子を育てる余裕がなかったそうです。 
彼女に私は$100(約9,000円)払いました。 

赤ちゃんを「売買」するというのは、 
タジキスタンでは一般的であるという。 
「売られる」赤ちゃんの多くは、非嫡出の子であるという。 
保守的なここタジキスタンでは、非嫡出の子を持つことは、 
恥と考えられている。 

非嫡出の場合、母親は、出産の数日後に、 
病院に自分の赤ちゃんを置いていくという。 
そして、赤ちゃんの運命は病院に委ねられる。 

ある病院の看護婦は言う。 
看護婦「母親が出産で死産だった際、 
医師は他の病院から『置き去り』にされた赤ちゃんを 
探してくる。 
その母親の助けになりたい一心なんです」 

しかし、このような善意の行為も、 
ここタジキスタンでは違法とみなされる。 
このように身寄りのない赤ちゃんのtrafficking(人身売買)は、 
捕まれば8年もの禁固刑となる。 
このような人身売買での検挙はこれまで30件あったが、 
実際はこの数倍の「身寄りのない」赤ちゃんの人身売買があると言われている。 

人身売買に詳しいブレギーモフさんはこう話す。 
ブレギーモフさん「タジキスタンで赤ちゃんの売買が今でも残っているのには、 
いくつかの理由がある。 
赤ちゃんを『買う』のは、通常子供のいない夫婦。 
合法的に孤児をもらうのには、非常に煩雑な手続きが必要で、 
赤ちゃんを『買う』という容易な手段に出てしまう。 
また、極端な貧困のため、 
母親が自分の赤ちゃんを『売る』しかないというケースもある。 
仕事にありつけなかったり、 
仕事があっても賃金が低すぎたりするためだ」 

今、私(記者)の目の前である母親が赤ちゃんに子守唄を唄っている。 
このように、自分の赤ちゃんに子守唄を唄うという 
当たり前のこともしてやれない女性が 
タジキスタンには多くいる。 
経済状況と社会的な圧力により、 
赤ちゃんを『売る』ということをせざるをえない女性がたくさんいるということである。 
また、孤児をもらうにも、長く複雑な手続きが要る。 
これらの状況が改善されない限り、赤ちゃんを『買う』夫婦は消えないであろう。 


(BBC Global News January 23  配信分より) 


悲しくて暗い話ですね… 
次回はもっと明るい話題を探してみようと思います。 

2009年1月19日月曜日

サウジのショッピングモール

Pod Castで聴くワールドニュース第33回。 

以前サウジアラビアでの女性のボイコット運動に関する話題をお伝えしました。 
今回またサウジアラビアで女性運動に関する報道がありましたので、 
書かせていただきたいと思います。 


英BBC Business Dairyから。 


‘Women Only Shopping Malls’ 


サウジアラビアでは、 
女性は車を運転することが許されておらず、 
働く許可を得ることさえも難しいというのが現状である。 
このような中、「女性だけの」ショッピングモールなるものが登場した。 
「女性だけ」とはどういう意味か? 
そして、このショッピングモールの目的とは? 

BBCの記者が首都リアドで取材をした。 

私は今バーリースドミールモールにいる。 
これは、一見、 
他のどの地域にもあるような普通のショッピングモールである。 
様々なテナントが入っており、 
キオスクもある。 
商品はお客にアピールしやすいよう、 
きれいに陳列されている。 
多くのお客が、 
一人やグループやあるいは子供連れで 
このショッピングモールにやってきている。 
しかし、ここで数分も過ごすと、 
ある変わったことに気づくはずだ。 
このショッピングモールにいる全ての人は女性である。 
男性は一人もいない。 
お客もスタッフも全員女性なのだ。 
入店時にカバンの中身をチェックする警備員まで女性だ。 

このモールの建物には、 
窓が一切ない。 
これは、サウジアラビアの女性が、 
外出するさいは男性に見られないよう、 
目の部分以外はすべて装束で 
常に覆っておかなければならないという規則から逃れ、 
モールの中で自由な身なりで 
ショッピングを楽しめるようにするためである。 
しかし、このショッピングモールが作られたのは、 
このように女性が気軽に買い物を楽しめるためだけではない。 
真の目的は、より多くのサウジアラビアの女性が 
働けるようにするためである。 

「私がこのショッピングモールにお店を出して、 
3年になります。 
妹とアクセサリーやベルトなどを売っています。 
もともと、これらのものを、家で売っていました。 
しかし、今はこのようなモールで売ることができるようになりました」 
こう話すのは、3人の母であるサラームさん。 
このモールでお店を持つようになって、 
彼女の収入は劇的に増えたという。 
サラームさん「以前は月に5万ほどの稼ぎでしたが、 
今はその2倍。 
夫より収入が上になりました(笑)。」 

サウジアラビアの就職率は、実は危機的な状況だ。 
男性の失業率は30%。 
(日本は現在4%前後) 
女性の統計ははっきりしたものはないが、 
失業率は20%以上といわれている。 
この状況を打破するために、 
サウジアラビアのある有力企業が、 
取り組みを始めたのだ。 
サウジアラビアの若者に職業訓練を施すサービスや、 
起業のための資金を低金利で融資するサービスを始めたのである。 
この有力企業のある幹部に話を伺った。 
ある幹部「職業訓練サービスは2004年に始め、 
これまでに16000人以上のサウジアラビアの男女が職に就いた。 
特に女性の就労に大きな変化が見られるようになった。 
毎朝出勤のために家を出て、 
夜に帰宅するという女性の姿を見ることが多くなった。 
このように働いて成功している女性を見て、 
他の女性も就労に興味を持つようになり、 
このような循環で、 
女性の就労率が大幅にあがったのです」 

これまで、 
サウジアラビアの女性の就労には 
古くからの法律による厳しい制限があった。 
女性の職業といえば、例えば、 
保母さんや介護職など。 
この女性限定モールの出現で、 
女性が小売産業に進出できるようになったというのは、 
サウジアラビアの女性にとって画期的なことである。 
このような女性限定モールは今後20店も建設計画があるという。 
サウジアラビアの女性のライフスタイルが徐々にではあるが確実に 
向上しているということだと言えるであろう。 


(BBC Business Dairy January 16 配信分より) 


客もスタッフもすべて女性だけのショッピングモール。 
なかなか真似は難しいことかもしれませんが、 
女性の就業力に頼るという点では、 
日本も見習うべきところではないかと思います。 

日本の政治家の皆さんにも、 
このような海外の例を参考にして新たな発想を取り入れて、 
更なる雇用創出に尽力していただきたいものだと思います。 


2009年1月14日水曜日

タクシー

Pod Cast で聴くワールドニュース第32回。 

今回はキューバの規制緩和の話題。 


英BBC Global Newsから。 


‘Deregulation in Cuba’ 


キューバ政府が、約10年ぶりに、 
タクシー営業に関する規制緩和を行った。 
タクシードライバーに自由に運賃設定ができる 
許可を与えたのである。 
キューバの現在のトップであるラウル・カストロの経済改革の一策として。 

BBCの記者が現地で取材をした。 

キューバの首都ハバナの道路事情が変わろうとしている。 
約10年ぶりに、タクシードライバーたちが、 
自由に営業をし、自由に運賃設定を行える許可を与えられたのである。 
かつて、政府に経営権を握られていたキューバのタクシー業界。 
1990年代に規制緩和により、 
一時的にこの業界でも自由度が高まった。 
しかし、前の議長、フィデル・カストロが再び規制強化へと走ったのである。 
このため、無許可のタクシーが横行するようになった。 
そして、いま再びの規制緩和のおかげで、 
これら無許可タクシードライバーと呼ばれていた人たちは、 
ライセンスを得ることで、自由に営業をできるようになった。 
この規制緩和は現在のところ功を奏しているようである。 

あるドライバー「規制緩和はいいことだと思います。 
だれもがこの国のタクシードライバーになれ、 
観光産業など、経済発展に貢献できる」 

キューバの公共交通機関は、実は現在もunreliable(信頼性に劣る)である。 
カストロ氏によるタクシー業界での規制緩和は、それゆえに 
多くの国民に歓迎されている。 

しかし、「communist state(共産主義国家)が 
民主主義路線へ走っていいのか」 
と、抵抗を強める、一部の反カストロ団体もある。 

(BBC Global News January 14 配信分より) 


もともと旧ソ連の援助のもと、 
フィデル・カストロ議長をトップとする社会主義国家であったキューバ。 
(このフィデル・カストロとともにキューバ革命を指導したのが 
最近映画でも話題のチェ・ゲバラ氏) 
90年代のソ連崩壊後は、 
政治や経済の自由化が進んでいます。 

実はキューバの音楽がとっても好きです。 
特に、レオ・ブローウェルのギターの曲。 
民主主義・資本主義国の音楽にはない、 
独特の哀愁があるというか。 
同じく社会主義国であった旧ソ連・ロシアの音楽も好きで、 
キューバ音楽と同様、 
暗いのですが歌詞は明るさに満ち、曲には哀愁が漂っています。 
「社会主義音楽」とでも言うべきジャンルが 
確立されているのだと思います。 
自由化もいいですが、それによって、 
共産主義音楽の哀愁みたいなものが消えてしまわないことを、 
個人的に望んでいます。 

2009年1月9日金曜日

ベルリンフィルの挑戦

Pod Cast で聴くのだワールドニュース31回目。 

最近の欧米のニュースは、 
ガザでの交戦、ロシアによるガス供給停止のニュースばかりで占められ、 
ここに書くようなネタがなかなか見つからないのが現状です。 

そのためにペースダウンしていますが、 
めげずに頑張ります。 

で、今回は、ウェブでのオーケストラの話題。 

英Guardian-Guardian Dairy(With Jon Dennis)より。 


‘Digital Concert Hall’ 

ドイツのベルリンフィルハーモニー交響楽団が 
「オンライン演奏」のサービスを始めた。 
その名も‘Digital Concert Hall(デジタルコンサートホール)’。 
今週初め、初演が行われた。 
曲目は、ブラームスの交響曲第一番。 
サイモン・ラトル指揮。 
この演奏を、世界中のだれもが堪能できるのだ。 

Guardian の記者がドイツの首都、ベルリンで取材をした。 

今、ベルリンフィルの120人の奏者が、 
音合わせをしているところ。 
彼らはブラームスの曲の演奏ためにチューニングをしている。 
私は演奏の行われるコンサートホールにいる。 
ラッキーなことに、今宵の演奏会のチケットを入手できた。 

ベルリンフィルの演奏会のチケットは、 
入手が非常に困難で、 
特に今宵の演奏会の超人気指揮者、 
サイモン・ラトルが出る際には、 
チケットはあっという間に品切れになる。 

私は今、ベルリンにいるから、 
この大変貴重なコンサートを聴くことができる。 
しかし、例えば、NYで音楽を勉強している学生は聴けない。 
ナイロビのブラームスファンも同様である。 

でも、心配ご無用。 
ホールに設置されたカメラと、 
最新技術を駆使し、 
ベルリンフィルは、コンサートホールの数百人のお客さん以外に、 
世界中の数百万もの音楽愛好家に演奏を聴いてもらうことに成功した。 

指揮者サイモンさん「今晩は、みなさん。 
我々のウェブ初演へようこそ。 
ベルリンフィルハーモニックオーケストラのデジタルコンサートホールから、 
演奏をお届けします」 
今は私(記者)の部屋。 
数クリックで、ベルリンフィルの演奏を聴き、 
様子も生で見ることができる。 
音質はもちろん、画質も良い。 
料金もリーズナブル(タダじゃないんすね・・・)。 
過去の演奏を見ることももちろん可能だ。 

指揮者のサイモンさんに話を伺った。 
「この取り組みは、私たちにとって、 
そして、音楽の未来のためにとても重要なものであると確信しています。 
私たちは世界中にお客さんを持つことができました。 
ただ演奏を聴いてもらえるだけでなく、 
生で演奏全体を見てもらえるというのが、 
大きなメリットです。 
前世紀から、21世紀のオーケストラのあるべき姿を議論してきました。 
特にここ5年間は、我々のメッセージを 
音楽を通じどのように世界に発信するかを考えてきました。 
世界はすさまじいスピードで変化する。 
われわれも違う発信の方法を求めなければいけないと感じました。 
‘Anytime, Anywhere’がデジタルコンサートホールのコンセプトです」 

(実際の)コンサートの後、 
会場に来ていたお客さんにインタビューしてみました。 
ある男性「コンサートを生でネットで世界中に流すというのは 
いいアイディアだと思う」 
記者「ネットで見るのと生で見るのとでは、 
コンサートの迫力は違うんじゃないかしら?」 
男性「そうは思わないな。 
最近はいいステレオシステムがある。 
そういうのを設置すれば、 
生演奏とおなじ迫力を味わえるさ」 
男性と一緒にいた女性「私もデジタルコンサートホールには賛成よ。 
誰もがベルリンフィルの音楽を楽しめる。 
クラシックの人気アップにもつながるはずよ」 


(Guardian-Guardian Dairy January 8 配信分より) 


ベルリンフィルのコンサートといえば、 
チケットが大変取りにくいということで有名だそうです。 
ウェブで聴けるようになったというのは、 
大変便利ですが、 
やはりいつかはベルリンに行き、 
生でコンサートを聴いてみたいものです。 
やはり、ウェブで見て聴いただけでは分からない、 
熱気や興奮を感じられると思うので・・・ 

Digital Concert Hallについては探してみましたので、 
興味おありの方は、以下をクリックしてください。 

http://dch.berliner-philharmoniker.de/?utm_source=DCH+Newsletter3;Subscribers+; 

2009年1月1日木曜日

非正規移民労働者

POD CAST で聴きたいワールドニュース第30回!! 


あけましておめでとうございます!! 

みなさんどのように年を越されましたか? 

私は、実家で紅白観ながら年越ししました。 
紅白の途中にやっていた5分ほどのニュースで、 
日比谷公園の『派遣村』に関する話題をやっていて、 
今ほんまに日本大変なときなんやなー 
って改めて実感させられました。 

しかし、日本で非正規労働者として働いていた外国人労働者は、 
更に厳しい状況を被っているようです。 


今回はそんな、日本の移民労働者に関するリポート。 


英BBC News Podから。 


‘Redundant Foreign Workers in Japan’ 


景気後退による『非正規労働者切り』の影響があるのは、日本人だけではない。 
南米など海外からやってきた移民労働者にも深刻な影響が発生している。 

BBCの記者が日本で取材した。 

私が今いるのは、東京から新幹線で比較的簡単に来れる静岡県浜松市。 
ここは、音楽とビークルの町。 
ヤマハやスズキといった、世界に名だたる企業の発祥の地である。 

駅などに行くと、案内表示は、 
日本語や英語に加えスペイン語のものもある。 
実は、浜松市の人口うち4パーセントは、 
南アメリカからの移民なのだ。 
そして、ここの移民労働者たちが、 
日本の景気後退の深刻さを誰より辛辣に感じとっているのだ。 

浜松市に住む移民の多くは、日系2世か3世である。 
彼らの父母や祖父母は、 
前世紀初頭にペルーやブラジルから日本にやってきた。 
数代前から日本に住んでいるにもかかわらず、 
彼らの第一言語がスペイン語やポルトガル語であることから、 
彼らは『外国人』とみなされることが多い。 

『フェニックス』というあるラジオ局。 
軽快なラテン音楽とともに、 
ニュースをスペイン語やポルトガル語で放送する。 
取締役のカルロスさんはここ数カ月前から、 
雇用情勢の悪化が深刻な問題になってきていると話す。 
彼は、彼と同じような、 
豊かな生活を求め日本にやってきた移民労働者たちをサポートする団体を運営し始めた。 

カルロスさん「我々が日本にやってきたのは1990年代。 
当時、言語の壁が大きな問題だった。 
日本語ができるかどうか次第でいい仕事にありつけた。 
最近は情勢が本当に厳しい。 
浜松の多くの企業は非正規労働者をどんどん切り捨てる。 
日本語があまり話せない移民の非正規労働者にとっては、 
特に苦しい状況が続いてる」 

まだ7歳の男の子、フィリップくん。 
ある日系2世の子だ。 
この子も日本の景気後退が何を意味するのか、よく分かっている。 
フィリップ君は、父親と小さな‘shelter(避難所)’に住む。 
日系2世や3世の他の6人とともに。 
家賃や食費はタトゥーパーラーを営むあるビジネスマンに払ってもらっている。 
父親のカズオ・オノハラさんは、15年前に日本にやってきた。 
しかし、最近ある自動車会社の非正規労働者としての仕事をクビになった。 
カズオ・オノハラさん「クビになる際、会社の上司になんとかしてくれるよう頼んだ。 
小さい子供もいる、行き場もなく、冷たい冬の路上をさ迷う生活になってしまう、と。 
しかし、上司の心も冷たかった。 
私のためにできることは何もないと言われた」 

日本人がしたがらない仕事も進んでする外国からの移民労働者。 
つい最近まで、彼らは、 
日本にとってなくてはならない存在と言われてきた。 

テンプル大学のアジア学研究のキングストン教授は 
景気後退がこれを変えてしまったと話す。 
キングストン教授「日本の移民労働者政策は、 
‘Legal Limbo(合法的な辺土)’と言われてきた。 
政府は最初は移民労働者たちの過去の経歴を深く追求せず、 
景気向上期の必要なときに都合よく合法な移民として働かせていた。 
しかし景気後退期の今は政府はやり方を変え、 
移民労働者たちを『不法』とみなし、 
彼らのビザの更新を許可しなかったり、 
国外追放などの措置をとっている」 

彼らのような移民の一部は、 
航空券を買うお金さえあれば、 
南アメリカの自分たちの故郷に帰りたいと話す。 
しかし、多くは、日本残り、 
日本人労働者と同じ待遇をするよう、 
政府に団結して要求をかける行動をしている。 


(BBC News Pod January 1 配信分より) 


もともと閉鎖性の強い日本。 
外国人労働者よりまず日本人労働者を保護したいという政府の方針もわかります。 
しかし、移民労働者たちも、日本経済の発展を支え、 
私たちと同じように日本のために尽くしてきた『仲間』であると思います。 
彼らを都合よく使い、ぼろ雑巾のように捨てるという政策には首をかしげてしまいます。 

また、今の派遣労働者法にも不備があることを否めないと思います。 
もともと派遣というのは、通訳などほんの数種類の業種に限定されていましたが、 
90年代の規制緩和政策の波で、現在のように多くの業種に広がりました。 
『多様な雇用情勢を創出・提供することで、多くの人が職につきやすくする』 
政府のこのような意図もあったようですが、 
結局は労働者に利益はなく、 
結果的に企業が自分たちの利益を守るために使える政策となってしまいました。 

小泉政権に代表される規制緩和による自由市場・小さな政府政策。 
一時的に景気回復の効果はありましたが、 
その皺寄せがもっと大きな規模で、 
さらに深刻な形で今やってきている気がします。 

今の形の社会が必ずしも正しいとは思わず、 
本当の幸せとは何なのか、本当の生き方とは何なのかをよく考え、 
誰もが法律上の責任だけでなく、 
倫理的責任を果たせる社会を創っていかなければならないと思います。