2009年2月9日月曜日

仏文化興隆

ポッドキャストのワールドニュース38回目。 

今回は、フランスから、 
文化に関するリポートを見つけましたので、 
ご紹介させていただきます。 


加CBC The World This Weekendから。 

‘Cultural Refuge’ 

世界的な金融危機の影響で、 
人々の財布のひもは固くなっている。 
自動車産業も電機産業も、 
あらゆる産業が苦境に立たされている。 
そしてもちろん、 
文化産業も苦しい状況が続いていると思われているかもしれない。 
確かにこの業界も苦しい。 
しかし、フランスでは、事情が異なる。 
ポピュラーアートの人気が高まっているのだ。 
美術館を訪れる人の数は記録的なものになっており、 
たくさんの人が映画や劇やコンサートに私財を費やしている。 

いったいどういうことか。 

CBCの記者がパリで取材した。 

あるミュージアムに入るための長い人の列ができている。 
その列の前でストリートミュージシャンが演奏し、 
列に並ぶ人たちの心をなごます。 
ピカソ大回顧展が開かれるのだ。 
彼らは、氷点下の気温の中、3時間以上も並び続けている。 
「ピカソの絵を見るのはそんなにお金のかかることじゃない。 
街の高級なレストランで食事するのに比べたらね。 
それに、アートは私たちの感情にさまざまのものを訴えかけてくれる」 
奥さんと娘さんと一緒に並んでいるネヴーさんはこう話す。 

このピカソ大回顧展は、 
主催者側の想像以上の大成功となっている。 
70万人もの人々が押し寄せた。 
この文化にお金を費やす傾向は、 
昨年の9月以降顕著になったという。 

経済専門家はこう話す。 
「金融危機がこの傾向を助長していると思います。 
逆説的に思えるかもしれませんが、金融危機が起こると、 
多くの人々が、文化的な行事や催しにより興味を持つようになるのです。 
最近のフランスの人々は、 
外食やバケーションは控えるが、 
美術館や演劇やコンサートを堪能することは、 
断固として止めようとしません。 
文化を楽しむということは、 
困難な時勢を乗り切る際の‘refuge(安全地帯)’なのです。 
映画や劇やコンサートを他の人と一緒になって楽しむというのは、 
金融危機の厳しい情勢の中で、 
‘social links(社会的つながり)’を感じることができる、 
唯一の方法なのです」 

文化の中でも、映画の人気が特に目立っている。 
昨年9月の金融危機以来、 
映画館への入場者数は、 
30%伸びた。 
コメディーやスリラー映画が特に人気を博しているという。 
「最近の観客は、現実逃避の傾向が強いのか、 
コメディードラマで思いきり笑ったり、 
ホラーなどを見て本気で怖がったりするようなことを求めているようだ」 
ある映画監督は話す。 
監督も劇場マネージャーも劇作家も、 
このような傾向が長く続くことを願っている。 

経済の下向きで、文化産業はお祝いムードのようになっている。 

(CBC The World This Weekend February 9 配信分より) 


たかが経済。 
国の尺度を真に示すのは、 
独自の文化や伝統、習慣や言語を、 
いかに誇れるものにしているかということであると思います。 

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