2009年6月16日火曜日

Pod Castで聴く英国のニュース
51回目です。

今日午後7時半からNHKのクローズアップ現代という番組を見てしまいました。
内容は、日本的経営というものが見直されているというもの。

売上が前年比3割ほどになっても、
一切リストラはせず、
むしろ社員の給料を上げたという
名古屋のプラスチック製品製造会社。
あえて上場をしないことで、
株主からの目先の利益追求要求にとらわれず、
研究者に時間や予算の縛りなく、
自由な研究をさせ、
画期的な商品を次々と世に送り出してきた
岡山の食品・医薬品メーカー。

これらの会社の経営者は、
松下幸之助や、井深大といった、
昭和の日本の大経営者の哲学に深く影響を受けていたと
インタビューで答えておられました。
「急成長を目指すのではなく、
つぶれないために、ある程度の成長を目指す。
それが寿命の長い会社につながる」
「会社でなにより大事なのは、人。
それはもちろん、株主ではなく、従業員。
人を第一に考えることが、
会社の長期経営につながる」
このようなことを話しておられました。

バブル崩壊期には、
欧米発の実力主義・個人主義傾向が日本でも広まり、
多くの日本の会社にその考えが広まりました。
しかし、そういったものが果たして本当に正しいかと多くの人が感じるようになった今、
メディアさえも欧米型経営に疑問を投げかけ、
日本的経営を短所があることを認めながらも見直そうという番組を
ゴールデン時間帯に放送する。
「日本的やりかたへの回帰」という波がじわじわ大きくなっているのを感じ、
個人的にとてもうれしく思いました。

また前段でくそまじめな話で長くなってしまいました。。。
今回は、英国から癌に関するお話です。
放っておくと大変なことになりますよ!!!!
おー怖っ!!

英BBC Global Newsから。

‘Cancer in Britain’

イギリスでは、ガンで死ぬ可能性が男性が女性より4割高い。
初期段階でがんが発達する可能性は、
男性のほうが女性より16%高い。
イギリスでこんな研究結果が明らかになった。

この原因は、男性のほうが医者をあまり訪れたがらないということ、
さらに男性が健康的な生活をあまり送りたがらないということにあるという。

BBCの記者が詳しく取材した。

恐ろしい結果が出てしまった。
ある英国の研究機関によると、
英国で男性のほうが女性よりがんで死ぬ可能性がはるかに高いという。
この調査を行った一人、
国立ガン情報センターの医者のデーヴィットによると、
これにはいくつかの理由があるという。

デーヴィット「英国の男性は基本的に不健康な生活スタイルを好みます。
さらに、体に何か病気に兆候が出たと感じても、
これが本当に病気なのかということを、信じたがらない。
医者があれこれ忠告やアドヴァイスを与えても、
無駄になるということが多いのです」

WHO(世界保健機関)によると、
2030年までに、癌の発症率は、
世界レベルでみると、男女ともに45%増えると予測されている。
また、ある別の世界的権威のある医療研究機関は、
がんの発症のうち3分の1は、
肥満を防ぎ、喫煙をやめ、
適度な運動を続けるという生活習慣を送ることで
防げるという研究結果を2005年に出している。

英国の研究者は、
男性のほうが女性よりがんによる死亡率が高い
biological reasons(生物学的理由)はないと結論付けている。
生活習慣を変えることが、
男性を癌から守る有効な手段であるとうったえている。

(BBC Global News June 16 配信分より)

英国では男性のほうが会社づきあいなどで
酒やたばこの量が多く、
多忙で運動もあまりできないということになるのでしょうか。
残念ながら、日本でがん死亡率の男女比に関するリポートは
ありませんでしたが、
日本でも、男性に関しては同じようなことがいえるかも知れません。
健康的な生活習慣を送る運動を広めて、
多くの人が保険金にあまり頼らない生き方をできる国にしていけたらいいんじゃぁないかと思います。

2009年6月6日土曜日

cheating

Pod Castで聴く英国のニュース
50回目。
やっと50回到達です

今回は中国の大学受験のお話です。

英BBC Global Newsから。

‘Entrance Exam in China’

中国の全国6万を超える大学受験会場の教室には、
監視カメラが設置されている。
これは受験生の‘cheating(カンニング行為)’を防ぐためである。
これまで、一部の学生が、
受験時に超小型レシーバーなどのハイテク機械を使い、
カンニング行為を行ったとして、
捕まるというこ事態が多く発生しているためである。

BBCの記者が北京で詳しく取材した。

有名大学に入るというのは、
世界中どこでも大変なことである。
しかし、中国での受験競争は、特に過激なものである。
来週から中国で全国一斉の3日間にわたる共通大学受験が始まる。
受験者数は1000万人。
中国では、大学受験は‘life-changing event(人生を変える一大行事)’
とみなされている。
一部の受験生は、高得点をマークするために、
高度な‘cheating methods(カンニング技術)’を駆使する者がいる。
超小型レシーバーは当たり前。
受験する大学の学生グループと組み、
試験中に携帯電話を使ってやり取りするという
ツワモノまでいる。

中には、信じられないが、大学に事前にお願いし、
問題用紙を手に入れるという者もいるという。
この件に関しては、
事件にかかわった学生やその親、
教授ら8人が逮捕され、刑務所行きとなっている

このような過去の信じられないようなカンニング行為を受け、
今年から受験会場では、
金属探知機が設置され、
教室内には監視カメラが設置された。
また、無線通信を遮断するための
特殊なバリアを張るという措置もとられた。
問題用紙を作成する教授陣たちは、
外部との接触を一切禁じられるということさえも行われた。

これでもカンニング行為が行われたことが発覚すれば、
検察の権力が動くことになる。
つまり、カンニング者は、
強制連行されるということになる。

公平な試験を目指し、
中国当局は様々な努力を重ねている。

(BBC Global News June 5 配信分より)

中国は昔から「カンニング大国」であるという話を聞いたことあがあります。
古代の時代から、官僚採用試験として、
「科挙」というものが行われていました。
これは、分厚い本何冊分もの法令を丸暗記し、
試験でその丸暗記したものをただ書き写すという試験です。
カンニングペーパーを衣服の中に忍び込ませたり、
飲み込んで試験時に吐き出したり、
手のひらや爪に覚えられなかった部分を書いたりと、
先人たちも様々な手を使って、
この官僚採用試験でカンニングをしまくったとのことです。
今の時代でもこれだけあからさまなカンニング行為があるというのは、
中国のお家芸と言っていいのかも・・・
失礼で済みません

ちなみに、この科挙の話をしてくださったのは、
私が受験生の時に通っていた予備校の世界史の講師。
この講師はいつも「大学受験なんてたいしたことじゃないから」
と言っていました。
受験でどの大学に入るかも大事だけど、それよりも、
大学で何を学ぶか、
さらに、そこで一生研究し続けられるテーマをいかに見つけられるかが、
より大事であると言っていました。
このことを中国の受験生も理解すれば、
あんなカンニング行為も起こらないと思うのですが。。。