2009年9月19日土曜日

Blue LED Light

今月2回目の配信です。

Pod Castで聴く英国のニュースです。

今回は日本に関する話題です。

でも少し悲しいお話です。

英BBC Global Newsから。



毎年何万人もの自殺者が出る日本。
世界でも自殺率が非常に高い国となっています。
長年にわたって、社会科学者や政治家たちはこの傾向を分析し、
自殺率を抑えるための策を探してきた。

ある鉄道会社が青い光によって自殺を抑えようという策を考えた。
プラットホームを青いライトで照らすことによって、
calming effect(気分を落ち着かせる効果)があるという。
東日本旅客鉄道株式会社によると、
ここ数年で電車に飛び込み自殺する人の数は急上昇していると言う。
果たして、青い光はどのような効果があるのか。

BBCの記者がカラーサイコロジストのアンジェラ・ライトさんに話を聞いた。

アンジェラさん「光と言うのは、われわれの日常生活のずべてに
何らかの影響をもたらします。
光によって自殺を食い止めようといいのは、
やはり効果のあることであると思います。
しかし、青色の光で自殺する人を止めさせようというのには、
実は疑問を持っています。
青と言うのは、実はとても明るく、強い光なのです。
青は脳を刺激してしまうような色なのです。
ちなみに、自殺を一番誘発してしまう色は、黄色であると言われています」

記者「なるほど。
ただ、私たちが一番気になっているのは、
色が人間の気持ちや行動に影響を与えるのかどうかと言うことです。
これについては、本当なのですね?」

アンジェラさん「そのとおりです。」

記者「それはどのようにですか?」

アンジェラさん「色とは光です。
光が何かに当たり、その光に色がついた反射のものを見て、
われわれは色があると認識するわけです。
われわれの眼が色を認識し、脳に送られる。
その脳が色を知覚し、
電気信号でわれわれのホルモンなどに影響を与えるわけです。
色を見るたびに、まず眼が入ってきた色に合わせて網膜を調整し、
脳を通じて全身に送られ、生理学的な影響を体全体で受けていると言うわけです」

記者「では、具体的にどのような色が気分を高めるためには有効なのでしょうか?」

アンジェラさん「たとえば赤色は、一般的に刺激的な色であると皆さんご存知であると思います。
気分が高揚し、時間が過ぎるのを早く感じさせ、体温も上昇します。
しかし、考えてほしいのですが、私たちが生活をしている中で、
ただひとつの色だけに影響を受けると言うことはあり得ません。
ですから、青色の光で自殺者を食い止められるかと言うと
やはり疑問符がつきます。
青の他に周りにどんな色があるのか、
そのような周囲の環境も配慮して、
色による自殺防止策をとったほうが良いのではないかと私は考えます」

(BBC Global News September19 配信分より)

私の勤めている会社の施策についてのリポートだったので、
うれしくて載せてしまいましたが、
実はその施策が誤っているということを報告してくれていたのですね・・・
このBBCのリポート、きちんと会社に報告しようと思います。

実際、山手線のホームには、青のLEDライトが設置され、旅客を照らしています。
正直、これで本当に何か効果があるのかということは
私もずっと疑問に思っていたのですが・・・

やはりこのような窮地の策をとる余地は、
自殺者が減るような、精神的安らぎのある社会を取り戻すために
何かをすると言うことが求められるのではないかと思います。

それにしても、日本が世界でも有数の自殺大国と言うのは、
本当に悲しいことです・・・

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