2009年1月30日金曜日

廃棄電化製品はどこへ・・・

Pod Cast ワールドニュース 第36回。 


あるアメリカ人がクローン犬ペットを1350万円で買ったというニュースが 
日本でも取り上げられていました。
イギリスBBCでもこのニュースが取り上げられ、 
1350万円支払い、愛犬のクローンを 
手に入れたという夫妻へのインタビューを聴くことができました。 
クローン犬を手に入れたことをうれしそうに話していましたが・・・ 

私も子供のころ何匹も鳥を飼って何度もお別れしましたが、 
このような経験を通して、 
死を受け入れることの覚悟を身につけることができたと思っています。 
しかし、クローン技術でペットをまた手に入れるということが普通になってしまえば、 
死を受け入れる覚悟のない人間になってしまうのではないかと思ってしまいます。 
しかも、ペットの生の威厳もおかまいなし。 
彼ら夫婦が満たされるために、 
自分たちの欲望のために愛犬のクローンを作らせたようなものでしょう。 

マテリアティズム精神を基盤とするアメリカ人は、 
そんなことお構いなしで、 
お金で解決できるのならそれでいいと思っているのでしょうが・・・ 

ちなみに、この夫妻へのインタビューの終盤で、 
BBCのリポーターが「世界では毎年何十万匹という犬が殺されている、 
そのような犬を保護する団体へ1350万円を寄付しようとは 
思わなかったのですか?」 
と尋ねていました。 
しきたりや伝統を重んじ、 
穏やかな心でいることを願うという英国人。 
このBBCのリポーターの辛らつな質問には、 
科学技術の恩恵と金に物を言わせるこのアメリカ人夫婦への 
侮辱が込められていたような気がしてなりません。。。 

前段が長くなってしまいました。 

今回は、ガーナに潜むある危険の話題。 


加CBC The World This Weekend より。 


‘The First World's Electronic Garbage’ 


インドや中国のように、 
アフリカの一部の国は、 
コンピュータや携帯電話など、 
使用済み電化製品の「処分場」となっている。 
そのような廃棄家電から再生可能な部品や資源を取り出すことは、 
非常にlucrative(儲かる)であるが、 
同時に非常に危険な作業である。 
アフリカの一国、ガーナでは、 
子供たちが命と引き換えにこの危険な作業に従事している。 

ガーナでCBCの記者が取材した。 

ここはがらくた製品の集まる、バブロシというところ。 
公には、ここはがらくた市場ということになっている。 
しかし、私の目で判断するからにして、 
ここは「市場」とは言えない。 
それは、ここでは毎日2つのものが消えているからだ。 
1つは、コンピュータ。 
そしてもう1つは、ここで働く子供たちの未来だ。 

いま、2人の子供がハンマーを使って 
コンピュータのモニターをばらばらにする作業をしている。 
彼らはこの中から、 
売ることのできる銅線や様々な貴金属を探す。 
そして、彼らのように貴重な部品を取り出そうと作業をする子供は、 
他に数百人もいる。 
コンピュータの中には、危険な化学物質が多く含まれる。 
子どもたちは、この危険な取り出し作業を素手でやっている。 
部品を取り出し、火にかけ、溶けだした貴金属を売る。 
火は、ステレオフォンや車のタイヤを燃やして起こしている。 
有毒な黒い煙が舞い上がる。 

14歳のアブコリン君。 
ここで3年間働いている。 
彼は自分が持ってきたパソコンの部品が燃えるのを待っている。 
彼の小さな体は煙の灰と泥で覆われている。 
右耳の後部の皮膚は湿疹が出ている。 
また、喉にも異変の兆候があるという。 

数ヶ月前、環境保護団体グリーンピースが、 
この土地や付近の潟の土のサンプルを調査した。 
基準の百倍以上もの値の鉛が検出された。 
その他、発がん物質であるダイオキシンなど、 
多くの有害物質が検出されたという。 
こんな場所で多くの子供たちが働いているのだ。 

ガーナの子供たちのこのような実態は、 
すでに有名になっている。 
環境保護庁のジョセフさんは言う。 
ジョセフさん「我々はこのような事態を把握している。 
廃棄されたコンピュータが危険であるということも十分認識している。 
これらが適切に処分されないと、 
ガーナに深刻な影響を及ぼす」 

グリーン地球団体の代表、ジョージ・ハドヒーさん。 
彼はこの土地の浄化の必要性を長年訴えてきた。 
彼は、この土地の汚染の原因を把握している。 
近くの港に船に乗せられて世界中からやってくる、 
ガーナにとって必要のない廃棄処分のコンピュータやテレビである。 
これらはリサイクルされ再び売られるためにやってくるのだが、 
多くはガーナで行き場を失う。 
そして、アブコリン君が働くような、 
有害がらくた市場が出来上がってしまうのだという。 

ここで働く別の男の子、 
バシヤー君の住む村へ連れて行ってもらった。 
そこは有害がらくた市場のすぐ裏、 
filthy(不潔な)でunsafe(危険な)場所。 
彼のほかに約3万人が住む。 
バシヤー君は一人暮らし。 
家の床は新聞紙が敷き詰められ、 
天井は段ボール。 
バシヤー君は遠くに住む両親をいつも恋しがっている。 
両親と一緒に住めるよう、 
家を建てたいと考えているが、 
有害がらくた市場での稼ぎではそんなことは到底かないそうにもないと言う。 
彼の稼ぎは1日約$10(約900円)。 
しかし、他の仕事に従事するガーナの人々の稼ぎは1日約$2。 
これに比べればまだバシーヤ君は良いほうだという。 
そしてこのベターな儲けゆえに、 
社会的な問題も環境破壊の問題もはらむこのがらくた市場を 
潰してしまおうという動きがないのである。 

ガーナ政府が何もしないならと、 
欧米諸国が動き出している。 
昨秋、英国の調査機関は、 
政府が不法にガーナに産業廃棄物を輸送していないか 
調査を始めることになった。 
カナダでは、毎年15万トンもの廃棄電化製品が出る。 
カナダ政府は、このような廃棄物を船で 
ガーナに送らないと約束する条約を 
国際機関と結んだ。 
しかし、これらの努力だけでは、 
廃棄テレビや廃棄コンピュータ、廃棄携帯電話の 
アフリカへの流入を防ぎきることはできない。 
そしてこれらはガーナの土壌を汚染し、 
欧米からの廃棄電化製品の中に埋もれて働く子供を 
今日も増やしている。 


(CBC The World This Weekend January 26 配信分より) 


この話を聞いて、 
2011年に地上デジタル対応のテレビでないと 
番組が見られらくなる、 
そのために日本で地上デジタル対応テレビの 
買い替え需要が進んでいるということを思い出しました。 
毎年大量の地上デジタル非対応のテレビが、 
まだ使えるにもかかわらず処分されていると言います。 
もしかしたら日本からもテレビがガーナに送られているかもしれないと思うと、 
心が痛みます。。。 

ちなみに、うちはまだ地上デジタル非対応の 
ブラウン管TV(14インチ)。 
壊れるまで使い続けようと考えております… 

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