2008年10月29日水曜日

パレスチナの裁判官

POD CASTで聴くワールドニュース12回目。 

今回は中東パレスチナから、 
ある女性裁判官の話題。 


加CBC The World This Weekendから。 


'A Female Judge in Sharia Court' 


パレスチナ自治区で初の女性裁判官が生まれた。 
彼女はSharia Court(イスラム法を基にした法廷)で 
法の審判として働くこととなる。 
イスラム圏で、女性がこのような地位に就くことは、 
大変珍しいことで、彼女もこのことから困難に直面することも多い。 

パレスチナ・リマラのCBCの記者が取材をした。 

パレスチナ自治区で初の女性裁判官となった、ハルードさん。 
3児の母でもある彼女は、 
超難関である裁判官試験を、 
とびぬけた成績で合格した。 
イスラム圏で女性初の裁判官になれたことの喜びは、
彼女にとって言葉に言い表せられないほどであった。 

ハルードさん「これは、イスラム圏の女性にとっての勝利であると感じます。 
イスラムは、保守主義や過激主義であることで常に非難の的にあるからです。 
イスラムは保守派でも過激派でも人種差別主義でもないということを、 
世界に示すことができると思います」 

彼女が裁判官として働くのは、「ローテク」法廷。 
コンピュータはおろか、タイプライターもない。 
ここでは裁判官のあらゆる判決は手書きで記録される。 
しかし、こんなローテクなイスラム法廷でも 
もちろん多くの重要な裁判がおこなわれる。 
離婚や養育権など家族に関する事項の判決が下されるのは、 
この法廷でだけ。 
裁判官になる前の過去6年間、 
ハルードさんは、女性のための法律相談所で働いていて、 
女性やその子供たちの代表としてこの法廷に足を運ぶことが多かったという。 

弁護士のアラ・オバクリーさん(男性)は彼女についてこう話す。 
「ハルードさんは、パレスチナで最も優れた裁判官です。 
彼女は経験も豊富だし、家族問題に関することに長く携わってきました」 

この法廷の最高裁判官であるタミミさんはこう話す。 
「イスラム圏で女性が法曹の世界へと躍進し、 
裁判官としての地位を勝ちとったことは私にとっても非常にうれしいこと。 
女性は、法曹として男性より優れていると強く感じている。 
特に、この法廷で専門的に扱うのは、 
離婚や養育権など家族に関する問題。 
女性はこのような問題解決の際に有利であると思う」 

しかし、このように女性が裁判官として務めることが 
気に食わないという男性もここイスラム圏では多いという。 
この法廷に来ていたある男性は 
「法廷は男の仕事場だ。まぁ、私にはどうしようもないのだが」 
と述べる。 

ハルードさんが裁判官を務めるこの法廷もこのような動きを意識しており、 
女性がイスラム圏で裁判官として働くことのむずかしさを痛感しているという。 
ハルードさん「ここの法廷で働く人たちは、 
女性である私が裁判官として気持ちよく働けるよう、 
いつも協力してくれます。 
法廷は男の仕事場という意見を言う男性がいるということを、 
同僚はみな悲しく思っています」 

ハルードさんは、イスラム圏でもっと多くの女性が法曹界で活躍できるよう、 
体制を整えていくことにも貢献していきたいと話す。 


(CBC  The World This Weekend  October 25  配信分より) 


このパレスチナと領土問題で長く争っているのが、 
第一回でも話題にでてきたイスラエル。 
ユダヤ教徒が中心のこのイスラエルでは、
外相が女性であり、また、過去に女性首相が誕生したことがあるなど、 
主要な地位に女性がつきやすい国であり、
パレスチナの状況とは対照的です。 

タミミさんがインタヴューで話していたように、 
学生生活を通して、 
私も女性は男性より頭がいいといつも感じてきました。 
物理的な力より、インテリジェンスが重視されるこの時代、 
もっと女性の知的な能力を仕事などで生かせる仕組み作りが 
大切であると感じます。 

(ちなみに、CBCはCanadian Broadcasting Corporationの略で、
カナダの国営放送です)

ホットドリンク?コールドドリンク?

POD CASTで聴くワールドニュース第11回。 

今回は、飲み物の話題。 
みなさん、温かい飲み物と冷たい飲み物、
どちらをよく飲みますか?
温かい飲み物を重要視するほうが、
メリットがあるというお話です。

英BBC Global News から。 

'Warming Your Hands With A Cup Of Coffee Can Change The Way We Perceive Those Around Us' 

ホットコーヒーを飲むとき、手は温まりますよね。 
手が温まると、周りにいる人への感じ方が変わるという実験結果が出たそうです。 
「サイエンス誌」に寄稿するある研究者が、 
手が温まると、周りの人にも、 
温かい気持ちを持てるという実験結果を発表しました。 
一方、手が冷たいままだと、 
他人に対する信頼感が低下し、 
その人のために何かしようという気も起きにくくなるというのです。 

アメリカのとある実験室。 
物理的な「温かさ」が人の性格からからくる判断力に 
どのような影響を与えるのかを調べるために、 
研究者は、実験参加者に、 
温かいコーヒーか冷たいコーヒーを選んで飲んでもらい、 
その後の経過を調べました。 

温かいコーヒーを飲んだ参加者は、 
判断に関して周りの人に対する寛大さがあるのに対し、 
冷たいコーヒーを飲んだ参加者は、そのような判断に冷たさがあったのです。 

また、温かいコーヒーを飲んだ参加者は、 
他人になにかあげたいと感じるようになったとの結果も出ました。 

温かいものに触れると温かい気持ちになり、 
冷たいものに触れることと、心も冷たくなってしまう。 
このようなことが起こるのは、 
脳の「インセラー」という細胞が関係しているためだというのです。 
冷たいものや温かいものに触ると、脳のこの細胞の働きが活発になり、 
周りにいる人に信頼感を持てという信号を出したり、 
冷たい人だから関わるなという信号を出したりするのだというのです。 

「このような物理的な温かさと、感情の温かさの関係を利用することは、 
大変興味深い。 
家や会社のオフィスにだれかを招くときは、温かい飲み物を用意するのがベターだね」 
この研究成果を発表した人物のひとりであるエール大学の心理学専門のジョン・バージ教授はこう話します。 

物理的な接触とそれに対する心理的な反応が非常に似ているというこの実験結果は、 
マーケティングを始め、様々な分野で応用できそうですね。 


(BBC Global News  October 24  配信分より) 


友人に何か飲み物をおごる時、 
家にお客様がいらしたときなど、
暖かい飲み物にするのがいいかもしれないですね。 
飲み会で上司につぐときは、ビールよりも、熱燗でってことになるんすかね… 

ちなみに、日本のメディアでもこの話題は取り上げられているみたいです。
情報が重なってしまって、すみません。 

「違う性」を生きる

POD CASTで聴くワールドニュース第10回。 

今回は、バルカン半島南西部に位置するアルバニアの、 
「転換」に関する話題。 
少々長いですが… 


英BBC Global Newsから。 


'Sworn Virgins' 


アルバニアの北部のある田舎の村。 
男性優位の考えがまだ強いこの村では、 
男の子や父親のいない家庭は、 
「弱者」とみなされてしまう。 
この「社会的ハンディキャップ」を克服するための一つの方法が、 
家族の中で女性が「地位」を変えること、つまり、 
「男性」として生きることだという。 
アルバニアがかつて共産主義国家であった時代に、 
この習慣は消滅したと思われていたのだが、 
今も少数ではあるが、これが続いている家庭があるという。 

BBCの記者がアルバニアのその村へと向かった。 

インタヴューを承諾してくださった、チャミーラ・ステンマさん。 
黒の装束の上に、腰まであるマントを羽織り、 
被った帽子が白髪を覆っている。 
チャミーラさんは一見、アルバニアの一般的な老人男性である。 
しかし、そのしわの多い顔を見て、甲高い声を聞くと、 
実は女性だということがわかる。 

チャミーラさん「近所の人たちは、私を男性として敬い、 
握手を求め、お元気ですかと声をかけてくれるんです。 
彼らは私の顔と声のせいで、私が女であるということを知っています。 
しかし、男性として接してくれるのです」 

88歳のチャミーラさんは、 
この村で数少ない「男性」に「転換」した女性である。 
伝統的に家父長制度が続いてきたこの地域では、 
特に貧困層の女性が「男性」に「転換」するという習慣が続いていた。 
手術などで物理的に性転換するというのではなく、 
男性の格好をし、村で男としての役割を果たすことによって、 
社会上のステータスを変えるという意味での「性の転換」なのである。 

このような「転換」をする一つの理由が、望まない結婚を避けるため。 
またチャミーラさんのように、 
結婚後男の子が生まれず、後継ぎがいないので、 
娘が「男性」に「転換」せざるを得ないということもあるという。 

チャミーラさん「私は10歳の時に 
髪を男の子のように短く切りました。 
父親は私が2歳の時に亡くなってしまい、 
母親が一人で私を育ててくれました。 
私には3人の姉妹がいましたが、 
ずっと昔に3人とも嫁に出てしまいました。 
誰かに頼まれて「男」に「転換」しようと思ったのではありません。 
実際、母親は私にずっと女性でいてほしかったようです。 
しかし、私は彼女の面倒をみるために、 
「男性」になることを決意したのです。 
友人や親せきは、私がまだ20歳の時に、 
『そんな男みたいな格好はしないで、あなたも結婚なさい』と言いました。 
でも私は嫌と言いました。 
だから今でも私は男の格好なんです。 
そして、周囲は私のことを尊敬してくれています」 

実際、彼女はこの村の長老の一人としてみなされている。 
彼女の親せきの話によると、この村では、 
彼女はよくいざこざ解決のために呼ばれるという。 
彼女の助言が村の紛争解決につながるのだという。 

社会学者のデルビーシさんは、 
これまで20人の「男性」に「転換」した女性を取材してきた。 
彼によると、女性が「男装」するという風習は、 
共産主義の時代に禁止されてきたが、 
今も伝統の習慣として残っているという。 
「男装」していることを公言し、 
地域で男性としての役割を果たすことによってのみ、 
その女性と家族が、 
男の血筋がいないというアルバニアの一部の村における 
「社会的弱点」を克服できるという。 

BBCの記者が取材を終えてこの地域を去る前、 
伝統的なお酒でチャミーラさんの長寿を祝福した。 
そのときに、彼女に最後の質問をした。 
「男性」への「転換」はあなたにとって本当に幸せな選択だったか?と… 

チャミーラさん「男性として生きてきたことは、 
この上なく幸せなことだったと思っています。 
良い人生でした」 

(BBC Global News October 22 配信分より) 


違う性の人間として生きる。 
日本でも男のいない家系は不利であるという感がかつて強くありました。
しかし、アルバニアのこの村では、「社会的性転換」を行うことで、
このハンディキャップを克服できる。
ある意味、寛容な考え方であると感じました。

ただ、家父長制度がまだ強く残っているという点では、 
まだ考え方が古い社会だという意見もあるかもしれません。 

チャミーラさんは最後に「男」として生きたことが幸せだったと語っていましたが、 
本当のところはどうだったのでしょうか。 
さまざまな苦労を経験されてきたということは、
実際に彼女の声を聞いてなんとなく伝わってきました。
そういうことを口に出さず、幸せだったと語ったチャミーラさん。
彼女の生きざまは、「男」より「男らしい」と感じずにはいられませんでした。

南極への旅

POD CASTで聴くワールドニュース第9回。 

少しほっとする温かいネタを見つけました。 

あるオランダ人女性の旅のお話。 


英BBC Global Newsから。 


‘An Ambitious Journey’ 

3年半前、オセグさんというあるオランダ人女性が、 
トラクターに乗って旅に出た。 
彼女のゴールは南極点。 
しかも、世界中の子供たちが紙に書いた「夢」を持ってそこへ到達するという。 
彼女は今、南アメリカのケープタウンを移動中。 

2年前から、BBCの記者が彼女に随行している。 
2年前、彼女は、 
30年も前に購入した緑色のトラクターに乗って旅をしていた。 
まだ若く活発な女性がトラクターに乗ってのろのろと走っている。 
滑稽な光景であった。 
トラクターの最高速度は時速20キロ。 
彼女はトラクターに乗ってヨーロッパを縦断し、バルカン半島を越え、 
アフリカに入ってエジプト、スーダンを通り、エチオピアにたどり着いた。 

そして2年経った今、アフリカ大陸を縦断し、 
南アフリカのケープタウンにいる。 

1万3千キロにも及ぶこれまでの旅の中で、 
彼女はいつも出逢った子供たちと交流し、 
彼らの夢を小さな紙に書いてもらっていた。 
それを大切に持って旅をしている。 

ケープタウンに住むある男性が、 
彼女と彼女のトラクターを船に乗せて南極へ連れて行ってくれるという。 
出航は来年の11月。 

南極点に到達したら、彼女は雪だるまを作るという。 
その腹部に子供たちからもらった「夢」を書いた紙を入れたところで、 
彼女の「ミッション」は完了する。 

(BBC Global News October 18 配信分より) 


日本でも、自転車や一輪車で列島縦断というのがありますよね。 
でもこの女性はオランダから南極点。 
しかも、トラクター。 
スケールが違うなーと思いました。 

そういえば、昔「電波○年」という番組で、
大陸横断・縦断ヒッチハイクの旅というのがありましたよね。
この「旅」もオセグさんの旅に劣らず、すごいものであったと思います…。

インドの「母」たち

PodCastで聴く世界のニュース第8回。 

今回はインドから、代理母出産についての話題。 

代理母出産については日本でも物議を醸したことがあります。 
インドでは日本と全く状況が異なりますが、やはり問題は深刻のようです。 


英BBC News Pod より 

‘Surrogacy in India’ 

インドへ向かうまだ子を持たない夫婦の数が増加傾向にあるという。 
その目的は、surrogate mother(代理母)を見つけるため。 
インドではsurrogate birth(代理母出産)に関する法律や規制がなく、 
代理母出産は数億円規模の市場となっているという。 

「この子の笑顔を見るだけで幸せな気持ちになるよ」 
ニッキーさんとボビーさん夫婦は、 
まだ赤ちゃんである娘、デイジーちゃんを見て言う。 
彼らは、デイジーちゃんの親となるまで、 
14年もかかった。 
デイジーちゃんは、 
今住んでいるロンドンから数千キロも離れた、 
インド・ボンベイのとある病院で生まれた。 
この夫婦の受精卵は、彼らが見たことも会ったこともない、 
あるインド人の女性の子宮へと移された。 
最終的にそのインド人の女性がデイジーちゃんを出産したのである。 

インドは、商業目的での代理母出産が認められ、 
女性が代理母として報酬を得られる数少ない国の一つなのだ。 
インドで代理母出産にかかる費用は約$25,000(約250万円)。 
うち約$7,000(約70万円)がインドの代理母に渡る。 

インド西部にあるエカンシカ病院は、 
代理母出産の最前線の病院である。 
医院長のネイン医師によると、 
昨年この病院では110件の代理母出産が行われ、 
今年は今のところ何件かわからないが、 
昨年より増えるだろうとのこと。 

今もこの病院では20人以上のインド人の代理母たちが、 
アメリカ人やカナダ人や日本人やヨーロッパ人の「子」を身ごもっている。 
そのうちの一人、まだ29歳のハスメディさんに話を伺った。 
ハスメディさん「若い息子がいるが、夫はもういない。
工場で働いて1月の給料は約$40(4,000円)で、子供を学校に通わせる経済的余裕さえなかった」 
記者「代理母出産は、女性の人権を踏みにじるという意見を言う人もいるが、そのことについてどう思いますか?」 
ハスメディさん「法律を破っているわけでもないし、悪いことではないと思う」 

しかし、5分に1人の割合で出産時に母親が亡くなってしまうというこの国で、 
代理母になることのリスクも計り知れない。 
代理母となるのは、まさに命がけであると言えるかもしれない。 

インドでの代理母出産の人気が高まり、 
その問題も深刻化している事態を見て、 
インド政府もやっと重い腰を上げた。 
代理母出産を規制する法案が起草されたのだ。 
政府は数カ月以内に、法律として可決したいと考えている。 


(BBC News Pod October 14 配信分より) 


代理母出産には勿論大きな利点がある。 
事情があって妊娠できない人も子供を持てる。 
タレントの向井亜紀さんがアメリカで代理母出産を通し、 
双子を授かったのは記憶に新しいところ。 

しかし、問題点も多い。 
インドでは、上記のように、 
女性の人権問題に関わるとの声がある。 
また倫理的な問題もある。 
代理母出産で生まれた子は、 
物心がつくような年齢になって、 
実は自分が代理母出産で生まれたと知ったとき、 
本当のお母さんはどちらなのかと困惑してしまうかもしれない。 
また、これはアメリカで実際にあったことなのだが、 
ある代理母が、自分が生んだ他人の赤ちゃんに強い愛情を持ってしまい、 
もともとの両親に引き渡すことを拒否し、 
裁判にまで発展してしまった。 

日本では、代理母出産は「原則禁止」ということになっているが、 
この先法律等を制定することになるのか、 
動向は注目していきたいところ。 

認めるべきか、認めないべきが。 
代理母出産は答えがなかなか出せない議論の一つであると思います。

ITと脳

Pod Castで聴くワールドニュース7回目。 

前回はイタリアのパソコン教育に関する話題でしたが、 
今回もITに関するネタを見つけました。 

米 NEWSWEEK On Air から。 

ちょっぴり怖い話です。 


‘Your Brain Will Never Be the Same’ 

今や世界で数十億人が使用しているというインターネット。 
このインターネットが私たちの脳の機能を低下させてしまっているという。 
UCLAの脳神経科学者ガリーさんの最近の著書‘i-Brain’で 
このことについて書かれている。 

インターネットがあらゆる情報を手に入れるという複雑な作業を 
私たちの脳に代わってやってくれていることや、 
Face-to-Face Communication(人と直接会って意思疎通を行うこと)を避け、 
他人とのほとんどのコミュニケーションを 
Eメールで簡単に済ませてしまうということなどで、 
脳を複雑に使う機会が減ってしまい、 
脳が情報を処理する能力や、 
即座に決断する能力が低下してしまっているという。 

特にIT技術に長けてている人は、 
他人の顔を認識する能力や、 
ちょっとした身ぶり手振りに気づくという能力まで 
低下している傾向があるという。 

IT技術の恩恵を享受し、かつ、 
社会で暮らしていくためのこれらの能力を失わないようにるすためには、 
インターネット技術に頼りすぎないように気をつけねばならない、 
とガリーさんは警告する。 


(NEWSWEEK On Air  October 12  配信分より) 


私もPC・ネットはしょっちゅう使うので、 
脳の機能が低下してるんじゃ…と心配になりました。 

確かに科学技術の発展で私たちの生活はとってもスマートになりました。 
しかし、その便利さに頼りすぎることで、 
私たちの持つ大切な能力の衰退につながるのは、 
残念ながら事実であると思います。 

PC・ネットであれば上記のような能力を奪い、 
電子レンジなどの便利な調理器具であれば人間が料理をしなくなってしまい、 
車や電車に頼りすぎることは、体力・筋力などの低下を招く。 

「昭和」のような、 
不便だけども人間味や温かさに溢れた生活に回帰するということを 
考えてもいいかもしれないですね。 

イタリアの学校で・・・

POD CASTで聴くワールドニュース6回目。 

financial crunchやeconomic downturnに関する暗いニュースが 
連日のように流される中、 
久々に日本にもGood Newsが飛び込んできました。 
日本人4名がノーベル賞受賞。 
先日のBBCのニュースでも、 
化学賞を受賞された下村さんについての放送がありました。 

ちなみに、イタリアは「ノーベル賞を日本に盗まれた」と訴えているとの報道が… 
今回はそんなイタリアから、教育に関する話題。 


英BBC News Pod より 


‘The experiment of replacing all books with personal computers at schools’ 


イタリアの学校で、 
教科書でなくパソコンを授業教材として使用するという実験が今日から始まる。 
生徒はすべての授業カリキュラムがあらかじめ入れてあるノートパソコンを支給される。 
パソコンが学校教育でどれほど効果があるのか検証するということが 
この実験の目的という。 

ローマのとある小学校。 
今日から60人の5年生の生徒と多数の3年生の生徒が 
パソコンのみを使用して授業に臨む。 
パソコンはWindows仕様で、すべてのカリキュラムがあらかじめ入れてある。 
生徒はあらゆる読み書きをこのパソコンで行う。 
セキュリティ対策は万全で、 
生徒は自由にインターネットにアクセスすることはできない。 
パソコンの重量は1KGもなく、 
1.5Mの高さから落下しても壊れないタフ設計。 
さらに、防水。 

通常、小学校で生徒一人当たりの教科書代は年間約7万円。 
この特殊仕様のパソコンは一台4万円もしない。 

パソコンが学校での教育カリキュラムで、 
どれだけ重要な役割を果たせるのか、 
初めて検証されることとなる。 
保護者の協力の下、この実験は約1年間続けられる。 


(BBC News Pod October 9  配信分より) 


パソコンを教科書代わりに使用するのは、 
コスト削減、紙を使わないから環境にいいなどのメリットが確かにあります。 
しかし、停電になりバッテリーもなくなると使えない、 
書き込みができない(できるようになっているかも?!)、 
さらに、スクリーン画面がぎらぎらしてずっと見続けるのは目にあまりよくない、 
といったデメリットも挙げられるでしょう。 

授業を受けるのは子供たち。 
大人目線だけでなく、授業を受ける子供の目線で 
このようなメリット・デメリットを考慮し、 
適切な教育システムを築いてほしいものですよね。 

実験の結果が楽しみです☆

STARBUCKSの水

POD CASTで聴く世界のNEWS 第5回 

今回はGlobal Coffee Shop ChainであるStarbucksについての話題。 

英BBC Global Newsから。 


'Starbucks is being accused of wasting millions of litters of water everyday' 

世界中に数千もあるというスターバックスの全店舗で、 
毎日水道水を1日中出しっぱなしにしているという。 
会社側によると、これは安全衛生上、必要な措置であるという。 
しかし、環境保護団体はこの状況に対して黙っていない。 

スターバックスは、環境にやさしい企業であるというイメージを浸透させることに努めてきた。 
会社のホームページでは、 
「ごみを減らすための取組やリサイクルの推進で、 
天然資源の保護に努め、生活の質の向上に貢献する」 
と宣言している。 

イギリスのある店舗で、一人のお客が、 
カウンターの後ろで水道水がずっと流れっぱなしになっていることに気づき、 
このことについて会社側に問い合わせた。 
「水道を出しっぱなしにするのは、 
蛇口やシンクや食器洗いの道具に菌が繁殖するのを防ぐためで、 
世界中の店舗でやっていることです」 
とスターバックス側から回答がきた。 

BBCの記者が実際にロンドンのスターバックスのある店舗を訪れた。 
記者「なぜ水道が出っぱなしなんですか?」 
店員さん「スプーンをきれいに保つためですよ」 
記者「でもそれ、水の無駄遣いじゃないですか?」 
店員さん「……あー、確かにそうかもしれないわね」 

調べによると、2千3百万リットルもの水が毎日スタバの店舗で使われているとのこと。 
環境保護団体はこの行為を、 
「貴重な水資源の忌むべき無駄遣い」であるとして、 
止めるよう訴えている。 

スターバックス側によると、 
この行為は商品の健康性・安全性を高いレベルで維持するために必要であるとのこと。 

この水道水政策をやめない限り、お客や環境保護団体からのクレームは続きそうである。 

(BBC Global News October 7  配信分より) 


私もコーヒー飲めないくせにスタバは好きでしょっちゅう利用します。 
ただ、こんな水の無駄遣いをしていたというのは知りませんでした。 

中国の一部の食品会社は手抜き管理・低品質の食料を世界中に輸出し、非難を浴びているところ。 
逆に、管理を徹底させすぎているスタバさんもこんな形でにニュースで流されてしまう。 

食品業界って大変っすね…と思ってしまいました。

韓国のマッサージ師たち

POD CASTで聴くワールドニュース第4回。 

今回は、韓国からマッサージ師の話題。 


英BBC Global News より。 


韓国では、プロのマッサーシ師として働けるのは、blind people (目の不自由な人々)だけであるという。 
しかし、近々彼らのこの「特権」が奪われるかもしれないという。 
この「特権」が、sighted people(普通に目が見える人)にとって「差別である」という声があがっているのだ。 

韓国に住むblind people(目の不自由な人)の中には、盲目となって公務員や会社員などの職を辞めざるを得なくなったという人が多い。 
彼らの多くがこの「特権」を使い、マッサージ師になるという。 
もともと教師をしていたが、盲目となり、マッサージ師となったハンさんは、 
「目が見えなくなって、マッサージ師以外の仕事はできなくなった。 
家族を養い、そして社会の一員としてい続けられるために、 
マッサージ師としての訓練をもっと積んでいきたい。」と話す。 

韓国には約7000人のblind(目の不自由な)マッサージ師がいる。 
しかし、実は、韓国の多くの都市には、目が不自由でない健常者であるのに、 
違法でマッサージ師として働いている人が50万人もいるという。 
彼ら(目の見える、違法マッサージ師たち)が、 
「目の見えない人だけマッサージ師になれるという特権は健常者に対する差別である」として、 
国の憲法裁判所に対して訴訟を起こした。 
訴訟団代表のパクさんはいう。 
「目の不自由な人だけにマッサージ師になれるという特権を与えるべきではない。」 

街頭では、「正当マッサージ師」集団と「違法マッサージ師」集団の対立デモがよく起こり、時にはけが人も出るという。 
韓国の厚生大臣の話によると、経済の急激な発展に伴い、
このような諸問題に対処する法整備が時代の情勢に追いついていないのがこの問題の原因であるという。 

この「特権」が社会の少数の「弱者」に対する「価値のある保護」であるのか、
それとも「不平等社会に対する愛国心ゆえの口実」なのか。 

裁判所の判決は数週間後に下される。 

(BBC Global News  October 4  配信分) 


社会における弱者への過度な保護や支援は、そうでない人々のインセンティブ(やる気)を削いでしまう可能性がある。 
しかし、障害を持って生きるということは、そのようなことを経験したことのない人には想像がつかないほど大変なものであるというのも事実である思う。 
私も高校生の時に、腰に障害を持って歩けなくなり、短期間だが車イス生活を送ったことがある。 
ただ普通に歩くことができ、走ることができるということがどれだけ幸せで恵まれていることかということをその時感じた。 
目が見えないという障害は、これとは比べ物にならないほど重大なことであると思う。 

障害を持つ人もそうでない人も、満足に生きられる社会を作ることを私たちは目指さなければならないですよね。

ガラパゴスの現状

Pod Castで聴こくワールドニュース第3回。 

今回はエクアドルのこの諸島のニュースに惹きつけられました。 
米ABC WORLD NEWS より   今回も南米の話題です。 


'The Challenge to Keep Them Just As They Are' 


ユネスコの世界遺産に世界で初めて登録されたガラパゴス諸島。 
南米エクアドルに属し、「Living Laboratory(生きた実験室)」とも呼ばれる。 
外からの危険にさらされることなく、生き物たちは、独特の生態系を保ってきた。 
ダーウィンが「進化論」を構想するきっかけになったとも言われる場所。 

数百万年前に多くの生き物のがこの諸島にやってきたときは、 
彼らの敵はその自然環境のみであった。 

しかし最近この島に増えている生物−人間−が今、彼らの新たな脅威となっている。 

30年前はガラパゴスにやってくる観光客はせいぜい年1万人ほどだった。 
しかし世界遺産に登録されて以来、その数は年々増え続け、 
昨年は16万1千人。 
多くの観光客が残す大量のゴミによって島の環境が激変してしまっていることに彼らは気づいていない。 

島には下水システムがなく、 
観光客の排泄物はそのまま島や海に垂れ流される、というのはほんの一例。 

ユネスコは昨年このガラパゴス諸島を「the List of Heritage Sites In Danger(危険遺産リスト)」に載せざるを得なくなった。 

政府は、島での人口増加の抑制と観光の規制により、この事態に対応するという。 
政府は84隻の特別許可を与えた船にのみ島への入港を許す。 
さらにすべての観光客は、訓練を受けたベテランの観光ガイドと同行でなければ島での観光を許されない。 

約2世紀前、チャールズ・ダーウィンが初めてこの島に上陸したときと同様、 
さまざまな意味でこの諸島は今も「不思議」である。 


(ABC World News  October 2  配信分より) 


ここでも「人間の経済活動と自然保護の両立は難しい」という言葉が 
当てはまると思う。 
観光産業の発展はその土地の自然や動物の破滅につながってしまう。 

ところで、日本でも今観光産業が脚光を浴びている。 
10月1日、「観光庁」が新たに発足した。
「2020年までに日本にやってくる海外からの旅行者の数を年2000万人にまで増やす(昨年は約830万人)」と本保観光庁長官が決意を述べた。 

エクアドルと同様、日本にも多くの世界遺産がある。 
また、宮城の松島などの日本三景に代表されるように、 
多くの美しい風景がある。 
外からの観光客数を増やす取り組みも必要だが、 
そういった日本の「宝」が破滅に向かわぬための努力も同時に始めなければならないと思う。 

観光産業においても日本が「ガラパゴス化」しないよう、気をつけなければならないと思う。

ブラジルの100人

POD CASTで聴く世界のニュース2回目。 
今回はブラジルのある100人の話。 

英BBC Global Newsより 


ブラジルの環境省が、 
アマゾン熱帯雨林で不法伐採を行い、 
その中でも悪質な100人の名前を公表するとのこと。 

ブラジルでは不法森林伐採者への罰がまだまだ甘いといわれる。 
ブラジル環境大臣が認めたところによると、 
不法森林伐採者のうち、 
告訴されるのは10人にたった1人、 
有罪となるのは200人に1人にも満たないとのこと。 

100人の名前公表に踏み切ったのは、 
世界で最も大きい熱帯雨林であり、かつ、 
不法森林伐採による被害も最も大きいアマゾンでの不法伐採の抑止力とするため。 

(BBC Global News September 30 配信分より) 


熱帯雨林保護の1番の目的は地球温暖化防止。 
温室効果ガスの1つであるCO2を草木が吸収してくれる。 

熱帯雨林の重要性は誰もがも承知しているはず。 
しかし、そこの木を伐採して販売したり、 
焼き畑農業などで生計を立てている人が多くいるというのも事実。 
人間の生産活動と環境保護の両立を図るのは、 
今の時代においてはなかなか難しい。 

ちなみに、最近太陽の燃焼活動が低下していて、 
それに伴い地球に届く太陽熱の温度も下がることが予想されていると聞いたことがあります。 
この状態が続けば地球温暖化も食い止められる?! 
なんていう淡い期待は持たずに、
環境保護に積極的に取り組んでいきたいところです。

ポール 43年前の約束

POD CASTで聴こう世界のニュース第一回。

ビートルズのあのメンバーについてコメントがありました。 

米ABC放送 World Newsより。


「ポールマッカートニーがイスラエルへ」 
'McCartney Pilgrimage' 

もともと1965年にイスラエルでビートルズがライブツアーを開催する予定だったそうですが、
当時のイスラエル政府によりキャンセルされたそうです。 
「イスラエルの若者に悪影響がある」。それが当時の政府からの理由だそうです。 
43年越しの念願がかない、ポールは遂にイスラエルでのライブを敢行。 
集まった4万人の観客の熱狂の声も聞こえました。 
観客の一人は「歴史的なこと。信じられない」と言い、 
ポールは「イスラエルとパレスティナの平和を願う」とコメント。 

(ABC World News  September 25  配信分より)

「ディアスポラ」から二千年以上、 
ナチスによる大虐殺から数十年。 
いまだにユダヤ人国家に「真の安息」「真の平和」は訪れていませんが、 
ポールのように平和を願う人がいる限り、 
ユダヤ人の「真の平和」が必ず将来訪れると信じたいものっすね。