2008年11月28日金曜日

源氏物語

POD CASTで聴くワールドニュース第21回!!!! 

日本語文学の最高峰といわれるこの作品が 
イギリスのBBCのニュースで取り上げられていました。 


英BBC Global News から。 



'The Most Famous Work Of Japanese Literature' 

日本文学最高傑作と言われる源氏物語。 
今年はこの作品の誕生から、な、な、な、なんと!!! 
1000年にもなるというのです。 
日本では小学生でさえ知っているというこの作品。 
世界初の長編文学といわれています。 
なぜこの源氏物語がこれほど日本で親しまれているのか。 

BBCの記者がケンブリッジ大学の日本文学教授、 
リチャード・バウリンさんにインタビューをした。 

バウリンさん「日本人が彼らの独自の文字で文章を書けるようになるまで、 
非常に時間がかかった。 
文字体系を発展させるのに手間取ったからだ。 
文字体系の発展は、850年ごろに起こった。 
Genji(源氏物語)は1008年ごろの成立。 
この整然とした文学作品を作り出せるようになるまで、相当の時間を要した。 
Genjiの出現は日本の文化にとって、極めて重要な出来事であった」 

記者「日本の文学作品はもちろん日本語で書かれていますいますが、 
その日本語はもともと中国が由来。 
同時代の中国の文学作品とGenjiは 
それほど大きく違わなかったのではないのですか?」 

バウリンさん「ぜんぜん違いますよ。 
それゆえに私は日本の文学をこれほど愛するのです。 
当時の日本の文学作品がprose(散文体)であったということが重要なのです。 
当時は散文体は中国では歴史書でしか使われなかった。 
さらに、当時中国では、fiction(小説)はある程度見下されていたのです。 
これが大きな違いです。 
日本での記念すべき最初の文学は、 
prose(散文体)のfiction(小説)だったのです。 
日本と中国の文化の違いがここにはっきり表れています」 

記者「これがGenjiが世界最初の小説といわれる所以なのでしょうか? 
近代・現代の文学にあるような、 
人物描写や心理描写といった特徴をGenjiが持っているのですか?」 

バウリンさん「もちろんです。 
Genjiは、ただのファンタスティックな偉業の作品なのではありません 
素晴らしい技巧にあふれた作品というのではないのです。 
Genjiは、人々の世俗的な日常を描いています。 
また、人々の行動より、心理描写に焦点を当てているのも特徴です。 
なぜ人物がこのような行動をするのかということを詳細に表わしています。 
英語の現代語訳でGenjiを読めば、 
これがどれほど近代・現代文学と 
つながる点があるかお分かりいただけるでしょう」 

記者「そう聞くと、リスナーの皆さんは、 
Genjiがいったいどういう内容なのか知りたくなるでしょう。 
少し内容を紹介していただけませんか?」 

バウリンさん「もちろん。 
作品を読むのを聴いていただければ、 
作者である紫式部の洗礼された執筆スタイルに感嘆するでしょう。 
"Intending to stay the night and have a quiet talk, ...."(Genjiの英語訳の朗読が延々と続いて終わります)」 


(BBC Global News November 28 配信分より) 


日本の千年も前の文学作品が 
海外のメディアに取り上げられるというのは、 
非常に誇らしいことだと思います。 
上記にもあった通り、今年は源氏物語生誕からちょうど1000年目。 
これに伴い、いろいろな記念行事も日本では計画されているようです。 

日本文学研究家であったアメリカ人、サイデンステッカー。 
彼は、第二次世界大戦に敗れ、焼け野原と化した日本に滞在していた時期があります。 
当時彼は源氏物語を読み、「これだけ素晴らしい文学作品を生み出せる日本民族が、 
簡単に滅びるわけがない」と直感したそうです。 
彼の直感に応えるように、 
戦後日本は「奇跡」とも言われた底力で急激な成長を遂げ、 
1990年代には世界第二位の経済大国に。 
しかし、バブルショック・金融危機などがあり、
源氏物語の成立から1000年目の今、 
日本は犯罪率の高い、失業率も高い、かつ、出産率の低い、 
学力も下がりつつある国となってしまいました。 
サイデンステッカーさんはもう亡くなってしまいましたが、 
今生きていれば、また「源氏物語を生んだ日本が簡単に滅びることはない」と言ってくれたでしょうか。 
そう言ってもらえるように、我々が努力しなければならないというのが筋なのでしょうが。 

2008年11月25日火曜日

サウジアラビアの下着販売店

POD CASTで聴くワールドニュース第20回。 

英・米・加とも、最近のニュースは、 
ソマリアでの海賊の話題に重きを置いているようです。 

ソマリアは現在無政府状態で、 
そのような海賊を取り締まることができないのが、 
海賊によるタンカー等の襲撃が頻発する原因とのことです。 
BBCでは、海賊メンバーへのインタビューも放送していました。 
あるメンバーは、 
「ソマリアの貧困と飢えに苦しむ現状を世界に伝えるためにこのような行為をしている」 
と話しました。 

今回は、そのソマリアから海峡を隔てた中東の国、 
サウジアラビアから、下着の話題です。 


英BBC Global Newsから。 

'To Change The Way That Women's Underwear is being sold' 

女性の下着の販売に関する「変革」がサウジアラビアで起きようとしている。 
現在、サウジアラビアのすべての下着販売店で働くのは、 
男性スタッフのみ。 
女性は、見ず知らずの男性店員を通して、下着を買わなければならない。 
多くのサウジアラビアの女性がこのことに不満を持っており、 
国内で下着を買う女性はほとんどおらず、 
オンラインショッピングや、 
他国へ旅行に行った時に下着を買うという女性も増えているという。 
しかし、このような現状を変えようという動きもある。 

BBCの記者がサウジアラビアの都市、ジッダで取材をした。 

サウジアラビア王国は、古くからの伝統にしたがい、 
かつ保守性を守る国として有名だ。 
下着に関しても、男性スタッフしか販売できないという特異な決まりがある。 

2006年、政府は、女性も下着販売店で働くようにすべきとの法律を可決した。 
しかし、一部の政府高官から、 
下着店で女性が働く姿を見かけるなど、 
もってのほかであるとの意見があり、 
その法律は2年経った今も施行されていない。 

ジッダ女子大学の講師であるリーン・アサドさん。 
この法律を施行するための運動を進めてきた。 
アサドさん「下着を買う際、サイズや色やデザインを店員さんに相談する必要もある。 
そんなことを、まったく見も知りもしない男性店員なんかに聞きたくない。 
サウジアラビアで女性が下着店で働けないというのは、 
どう考えてもおかしい。 
他の近代国家でも、このようなことはないであろう」 

アサドさんは、フェイスブック(アメリカ発のSNS)を使い、 
オンラインでの運動も進める。 
すでに数百人もの人々がネット上で彼女の活動を支援している。 
彼女は自分のページで、 
「来年の1月1日までにこの法律が施行されなければ、 
サウジアラビアのすべての下着販売店に対し、 
不買運動を呼びかける」 
と宣言を出している。 


(BBC Global News November 24 配信分より) 


保守性の強い中東サウジアラビア。 
性別や宗教、家柄などにより、 
未だに就ける仕事と就けない仕事とがあるようです。 
イスラム教国であり、コーランを厳格に順守してい故に 
このような状況にあると思われますが、 
同時サウジアラビアは世界有数の石油産出国でもあります。 
世界中の民主主義国と石油を通して取引を行うということを意識し、 
欧米や日本に合わせた、 
さらなる民主化への変革も期待したいところです。 

来年の1月1日までにこの法律が施行されることとなるのか。 
それともアサドさんを中心とした下着店ボイコット運動が勃発するのか。 
推移を注目していきたいところです。 

2008年11月20日木曜日

みつばちさん

POD CASTで聴くワールドニュース第19回!!!! 



今回は、イギリスから、蜂に関するお話。 


英BBC News Pod から。 

'Honey Alert' 

クリスマスまでに、イギリスのスーパーマーケットから、 
国産のはちみつがなくなってしまうかもしれないという。 
これは、イギリスのミツバチの群棲が 
菌や異常に湿度の高かった夏の気候などにより、 
どんどん減ってしまっているため。 
しかし、実はこの影響を受けているのは、はちみつだけではないという。 
蜂の個体数の減少は、農作物の収穫にも影響を与える恐れがあるというのだ。 

ミツバチ飼育のベテランジェフリー・ボローさん。 
蜂に刺されないための防護スーツに身を包み、 
ミツバチが越冬するための支度をしている。 
毎年行うこの行為。 
しかし、今年は危機感を覚えつつやっている。 
ある病原菌が、イギリス中のミツバチ群棲に広がり、 
さらに、異常気象も相まって、 
イギリスの群棲のうち4分の1が死滅してしまったという。 

ハチミツの瓶詰め工場。 
アルゼンチンやオーストラリアやスペインから輸入されたはちみつが並ぶ。 
しかし、毎年あるはずのイギリス産のものはない。 
イギリス産のものは数週間前に在庫が尽きてしまった。 
クリスマス前に国産のはちみつがスーパーに並ばないのは 
初めてのことだという。 

スーパーマーケットの担当者は言う。 
「養蜂産業は、危機に面している。 
異常気象や病気でイギリスの蜂の個体数は激減した。 
これを止めるための対策がすぐにでも必要だ」 

イギリスの蜜蜂業者は、 
国になんとかこの事態を直視し、対策を講じてほしいと訴える。 
街頭でのデモも行っている。 
更に、蜜蜂の絶滅を防ぐため、 
£800万(約1億2千万円)の援助を要請している。 

しかし、この事態で頭を悩ませるのは、蜜蜂業者だけではない。 
蜜蜂の減少は、我々の普段の食事にも悪影響を与えてしまうという。 

科学技術の発達した現代でも、農作物は、 
ミツバチなしに受粉できないのだ。 
イギリスの農業組合議長、ピーター・ケンドーさんは言う。 
「蜜蜂の個体数減少を食い止めるために策をなかなか講じようとしない 
政府の対応にはあきれたものだ。 
これは蜜蜂業者だけの問題ではない。 
蜜蜂が減れば、農作物も減少してしまう」 

実は、蜜蜂の個体数の減少は、イギリスだけでなく 
世界的な風潮であるという。 
蜜蜂の絶滅は、私たちに計り知れない悪影響を及ぼしうる。 


(BBC News Pod November 19 配信分より) 


蜂といえば、私にとっては怖い存在。 
小学生の時に刺された経験があるから・・・ 
とっても痛かったです。 
しかし、蜜蜂が受粉の役割を果たしていたとは。 
彼らがいなければ、 
農作物も受粉できず実ることができないということで、 
蜜蜂たちのことをちょっと見なおしました。。。

2008年11月17日月曜日

カレッジフェア

POD CASTで聴くワールドニュース第18回。 


今回は受験を控える高校生が関心を持ちそうな、
アメリカの大学のオープンキャンパスに関する話題。 

米ABC World Newsより 


‘Checking Out Potential Colleges Online’ 


受験を考える高校生やその親御さんにとってはグッドニュース。 
IT技術の発達により、 
志望大学をより簡単にかつより安くチェックすることができるようになるのです。 

‘College Week Live’ 
これは、世界最大のオンラインの大学フェア。 
受験を控える高校生やその両親が、 
クリック一つで受験のことや授業料のことについて、 
大学の担当者に聞くことができる。 

サイトの訪問者は、まず「仮想コンベンションセンター」にたどり着く。 
そこから、約200もの大学の仮想オープンキャンパスに参加できる。 
費用は無料。 

学費の援助制度から論文の書き方まで専門家が説明してくれるビデオ放送も見られる。 

大学に在学する生徒にオンラインで直接質問できるのも大きな特徴。 

高校一年生のサムくん。 
自宅から離れたニューヨーク市にある大学に行くつもりはなかったが、 
このオンラインオープンキャンパスに参加してみて、気持ちが変わってきた。 
「ニューヨーク市にある大学に行けば、 
自分の研究したいことがきちんとやっていけそうだとわかった」 

景気後退を迎えるこの時期。 
オンラインオープンキャンパスの利点は、便利ということだけではない。 
高い交通費をかけずに志望大学のことをよりよく知ることができるのが一番のアドバンテージだ。 
もちろん、大学側にとっても、コストイフェクティヴ(経費節約)となる。 

一般のオープンキャンパスに参加する高校生は、 
最近は学生の10%〜15%ほどしかいない。 
費用がかかるということと、大都市でしか開催されないということが理由であるようだ。 
約25,000人もの学生が今週のオンラインオープンキャンパスに参加する見込みだという。 
志望大学を見つけられることを祈って… 


(ABC World News November 14 配信分より) 


私は高校生のころ、大学のオープンキャンパスには一切参加しませんでした。 
オープンキャンパス行く暇あったら勉強している方が合理的だと思っていたので… 

ただ、オープンキャンパスに参加するのは、 
大学のことをよく知っておく上で必要であるとは感じます。 

ただ、オンラインというのはどうでしょうか。 
やはり、直接キャンパスを訪れ、雰囲気を味わい、 
そこの学生や教授とフェイストゥーフェイスで交流して知るのと、 
パソコンでオンラインで知るのとでは、大きな差があると思います。 
もちろん、コストイフェクティヴであるとの利点も認めますが… 

ちなみに、アメリカの大学の授業料はとっても高いんだそうです。日本の数倍だとか。 
故に、ある程度裕福な家庭しか普通に子供を大学に送れないという状況なんだそうです。 
さらに付け加えると、兵役を経験した人には 
大学の授業料を政府が全額補助してくれるという制度があるそうなんです。 
故に、貧困層の多く、特に黒人が大学授業料補助を求めて軍隊に入るそうです。 
軍事大国アメリカを支える政策の一つであると言えるでしょう。 

さらに付け足すと、 
ドイツなど欧州のいくつかの国では大学の授業料は基本的に無料だそうです。 
そのぶん、カリキュラムの内容は国の縛りを受けやすく、 
自由な教育がやりにくいというデメリットもあると聞いたこともあります。 

その中間の、ある程度の授業料を払わなければなりませんが、 
教育内容を国にしばられることもあまりない、 
日本の大学システムが実はやっぱりいいかなって思ったりします。 

2008年11月15日土曜日

海と二酸化炭素

POD CASTで聴くワールドニュース第17回。


二酸化炭素などの温室効果ガスが地球にどんな影響を与えているか。 
温暖化だけではないらしいんです。 


米ABC World Newsより 



'Ocean Acidification' 

人間の生産活動により排出される大量の二酸化炭素。 
これが地球温暖化だけでなく、 
もう一つの深刻な問題を引き起こすことが分かってきた。 
海の「性質」を変えてしまうというのである。 
その影響は、すでに海にすむ微生物などに出ているという。 

ABC記者のワシントンからの報告。 

二酸化炭素が地球温暖化につながるということは多くの人が知っている。 
しかし、その排出される二酸化炭素のうち30%は 
海の水に吸収されるということを知っている人はそう多くはないだろう。 
そしてその二酸化炭素が海の水をacidic(酸性)に変えてしまっているのである。 

これは海に棲むすべての生き物にとってバッドニュースである。 

たとえば、サンゴ礁。 
海洋中の二酸化炭素の増加は、 
サンゴにとって破滅的な結果を招くことになる。 
海中の二酸化炭素の量が350ppmであれば、 
サンゴは生きられる。 
しかし、その数値は、現在すでに380を超え、 
さらに上昇し続けている。 
450ppm以上となると、サンゴは絶滅すると言われる。 

海に棲む約3分の1の生き物が、 
その生命をサンゴに頼っていると言われる。 
さらに、もし全滅してしまうと、 
医薬品の研究にも支障が出るという。 

ある研究者は言う。 
「サンゴは、医薬品開発のカギとなる成分を提供してくれる貴重な存在。 
サンゴの死滅は、 
病気の患者を苦しみから解放し、 
不治の病を治す可能性を我々が失ってしまうことを意味する」 

専門家たちは、温室効果ガスの排出を今後減少させることで、 
この海洋の危機をまだ回避できる可能性はあると話す。 
陸上で我々が大きな改革を進めない限り、 
海中のこの危機を回避することはできない。 


(ABC World News November 14 配信分より) 


日本でも環境問題に関するニュースはよく放送されますが、 
欧米では、環境関連ニュースはほんとに多いです。 
毎日必ずなんらかの英米加のPOD CASTの放送で環境に関する話題を聴きます。 
彼らのほうが環境問題をより深刻にとらえているということなのでしょうか。 

ちなみに、日本は京都議定書に批准したことにより、 
2008年から2012年の五年間で、 
1990年比でCO2排出量を6%減らす義務を負っていますが、 
今のところ達成はかなり難しいと言われています。 
さらに、9月のリーマンショックで加速してしまった金融危機の影響で、 
CO2排出削減に資金を投入する余裕がなくなり、 
削減目標達成は更に困難になるだろうと予測する専門家もいます。 

金融危機の解決も大事ですが、 
環境問題解決はもっと重要でしょう。 
これが他の生き物を滅ぼし、地球を滅ぼし、 
さらに最終的にわれわれ自身を滅ぼすことになるのは、 
誰もわかっていることなのですから・・・ 


2008年11月11日火曜日

白トリュフ

pod castで聴くワールドニュース第16回。 

東京で行われたあるオークションについてのニュースがありましたので、 
ピックアップさせていただきました。 

英BBC Global Newsより。 


'A Highly Unusual Auction' 

とても変わったオークションが東京で行われた。 
'Tuber Magnatum'の愛好家たちがそこで闘いを繰り広げた。 '
'Tuber Magnatum'は、white truffle、つまり、白トリュフのこと。 
「魅力的な食用菌類」のオークションなのだ。 
一番の高値で落札された白トリュフは、1kgで約$30,000。 
日本円にして約300万円(exclamation ×2)。 
しかし、この数字も、昨年の最高値に比べると、ずっと低いという。 
最近の金融危機がこのきのこオークションまでも蝕んでいるように思われる。 

BBCの記者が東京で取材をした。 

かつてある高名なシェフが、 
「white truffle(白トリュフ)はキッチンのダイアモンドである」と評した。 
この貴重な「石」にそのような価値があるのも当然である。 
white truffleはある特定の木の下の地中にしか育たず、 
見つけるのが極めて困難であるから。 

ある東京の高級ホテルのレストラン。 
Sumo Wrestlers(力士)やBeauty Queens(セレブ美女といったところ?!)等のVIP級の人々が集まっている。 
貴重なwhite truffleのオークションが開催されるのだ。 
もっとも大きなwhite truffleは、イタリアで見つかった貴重な逸品。 
あるファッション系のビジネスを展開する日本人資産家に落札された。 
落札額は$30,000(約300万円)。 
ご飯と一緒に食べたいとのこと。 

一見バブルの再来のように見えるこのオークション。 
しかし、昨年中国で行われたwhite truffleのオークションでは、 
さらなる高値での落札が相次いだ。 
今年のものよりもっと大きなwhite truffleが、 
$300,000(約3000万円)で落札された。 

日本経済は、後退期に入ったと述べる専門家が多い。 
これが、トリュフオークションの落札額を低くしてしまったと、主催側は考える。 
しかしながら、このオークションに参加するための券は、 
1枚数万円もする。 
そしてこのホテルの会場は、 
white truffleを求めるセレブ達で一杯だったという。 

(Global News November 11 配信分より) 


落札額が下がったとはいえ、白トリュフ1kg300万円というのは 
私のような庶民からすれば、考えられない額です。 
松茸やトロなんかよりずっと高いんすね。 

以前、この白トリュフに関する記事を読んだことがあります。 
イタリアのある特定の地方でしか育たず、 
どこで育つかを知っているのは、 
先祖代々白トリュフ狩りで生計を立てる、ほんのある一族だけ。 
特別に訓練された「トリュフ犬」を使って、 
その嗅覚にたよって見つけるんだそうです。 
「トリュフ犬」が身代金目的で「誘拐」されたこともあるんだとか。 

白トリュフを探すのはほんっとに大変。 
それゆえに1kg300万は納得…やっぱりできないですね。 

2008年11月10日月曜日

ブータンの戴冠式

Pod Castで聴く世界のニュース第15回。

今回はブータンから、戴冠式のニュース!! 

英BBC Global News/From Our Own Correspondentから 

'The Coronation of A New King in Bhutan' 

ヒマラヤの小さな王国、ブータン。 
人口は700,000人にも満たない。 
新たな王の戴冠式のため、数日間の国家行事を開催する。 
世界でも有数の「知名度の低い」国であり、古くからの伝統を強く保つ国。 
モダンな民主国家とはずっと距離を置いてきた。 
テレビの放送が始まったのはほんの10年前。 
ブータンへでは海外からの旅行者もあまり歓迎されず、 
さらに、旅行者は民族衣装を着て旅をすることを強要される。 

しかし、この新たな王の戴冠式を機に、 
世界がこの国の近代化と民主化への移行に注目している。 
ブータンは「変化」が必要であると感じ始めているようだ。 

BBCの記者が首都ティンプーで取材した。 

首都ティンプーにある要塞のような修道院。 
僧侶たちが、仏教音楽を奏でている。 
その庭には、巨大なタペストリーが敷かれている。 
赤や青に衣装に身を包んだ踊り子たちが近くの山々から集められた。 
19世紀の戦士の格好をした男たちのパレードもある。 
新たな王が金や銀の鞍をつけた馬、その他の財宝とともに登場した。 
内外のVIPたちが新王への敬意を示す。 
修道院の広場には2万人もの人々が集まった。 
ティンプーの人口の5分の1に層とする数である。 

集まった観衆のうちの一人の男性に聞いてみた。 
記者「ブータンで王制を続ける重要性はあると思いますか?」 
男性「この国の主権を維持し、文化を伝え、伝統的な服装を重視するために、 
王制は必要であると思う」 

ブータンの王制は比較的国民の支持を得ており、かつ、うまく機能している。 
新たに王になる人の父、つまり前の王は、意図的に地位を退いた。 
彼がまだ在位中、国の政治をより発展させる目的で、 
2党制を導入した。 
国の民主化への道を狙ってだ。 
2党制であると、党間の競争が生まれ、 
政治家がより国民のことを考えて国政を行うようになる。 
アメリカがいい例だ。 
前王は、ブータンに近代化・民主化が必要であると感じていたのだ。 
彼の息子である新王も同じ考えの持ち主である。 

首相であるティンリーさんは、 
ブータンの多くの国民は民主化は必要ないと感じているということを打ち明けてくれた。 
ティンリーさん「民主政治は時に社会的不安を引き起こし、 
国民にとって不利益となる。 
王制であり、王がいるということが、多くのブータンの国民にとって、 
精神的な安定につながるのです。」 

このような国民の声もあるが、 
これまで、様々な「変化」がもたらされてきた。 
外相のチェリンさんは言う。 
「ブータンは進歩的な国であると思う。 
ブータンは南方アジアの国で唯一、 
英語を公用語として広めている国です。 
優秀な学生は海外の大学に留学させています。 
政府の役人も、教養の高い人ばかりです。 
イギリスのように医療も無料なんです。 
ブータンは、開かれた、自由な国であるという認識を 
もっと多くの人に持ってほしいと思います」 

イタリア人の学者であり、ブータンによく訪れるというガンドーフォさん。 
ブータンの「変化」に賛同しつつも、 
その変化の速さに戸惑いを隠せないという。 
ガンドーフォさん「この国を訪れるたびに、 
必ず何かが変わっている。 
テレビが登場したり新聞が出回っていたりラジオ局ができていたり。 
新しい党を結成することもできるようになった。 
ほんの数カ月で次々と大きな変化があるんです」 

世界で一番変化が速いと言えるかもしれないここブータン。 
伝統を守りながら今の時代に合った体制を順調に作り出すことができるのか。 
豪華な戴冠式に浮かれることなく、 
「変化」への礎作りへと素早く取り組まなければならない。 


(BBC Global News / From Our Own Correspondent November 7・8 配信分より) 


ブータンという国がどんな国であるか、 
このPOD CASTの放送で初めて知りました。 
変化が速すぎるということの弊害は、 
もちろんあるでしょう。 
日本がそうではないでしょうか。 
敗戦後、焼け野原であった国が、 
欧米のさまざまなシステムを取り入れ、 
奇跡とも言われた底力であっという間に世界第二位の経済大国になった。 
しかし、その過程では、深刻な環境破壊や公害があったり、 
バブルによる長期の不景気があったり。 

ブータンの方々には、ぜひ日本の例を参考にしてもらって、 
失敗のより少ない「変化」に取り組んでいただければと思います。 

2008年11月5日水曜日

選挙

POD CASTで聴くワールドニュース第14回。

アメリカ大統領選挙の投票が始まりました。 
アメリカのニュースや雑誌では、ここ1年ほどこの選挙の話題ばかりでした。 
アメリカの大統領がブッシュ2世以外だったら誰でもいいと考えてる私としては、 
あまり盛り上がっていませんでしたが・・・ 

ただ、世界的に注目を集める選挙なので、 
1度くらいはこのネタをピックアップしようと思い、取り上げさせていただきました。 

というわけで、今回は、アメリカ大統領選挙の話題。 
民主党候補のオバマ上院議員とつながりの深いアフリカ東部の国、ケニアでの 
盛り上がりについて。 


米ABC World News より。 


'The Possibility Of A Black Man Being Elected The Most Powerful Office In The World' 

多くのオバマ候補の親族や父親側の家族の住む国、ケニア。 
多くの国民がオバマの活躍ぶりを喜んでいる。 
中には、「オバマニア」になる人も… 

ABCの記者がケニアで取材をした。 

世界から注目を集めるアメリカ大統領選挙。 
ここケニアでは、共和党候補マケインの名を出すものは少なく、 
ほとんど誰もがオバマ支援者。 
ケニア国民は、オバマに自分たちを投影しているようである。 

アメリカから遠く離れたここケニアであるが、 
メディアでは、アメリカ大統領選ニュースで持ちきり。 
TVではオバマのCMまで流れる。 

実は、「オバマ産業」というものまで生まれている。 
オバマ氏のスピーチのビデオやCDが街頭で売られている。 
オバマ帽子やオバママグカップ、オバマカーステッカーまで売っている。 
オバマ氏の似顔絵の入ったTシャツが、1番の売れ行き。 
Tシャツには、オバマ氏のスピーチの言葉が、 
英語だけでなく、ケニアの先住民族の言葉でも表記されている。 

最近は、オバマビールなるものまで登場。 
もともと、Senator Beerというものがケニアにあった。 
(Senatorとは、上院議員という意味) 
オバマはアメリカ政府のSenator(上院議員)。 
これがきっかけで、Senator BeerがObama Beerとなって、 
ケニアの居酒屋ならどこでも飲めるというヒット商品になった。 

そしてついには、オバマミュージカルまで登場… 
オバマ氏のこれまでの軌跡がこのミュージカルで分かる。 
演じるのは、ケニアの若者たち。 

ケニアは、民族同士の紛争で不安定な情勢が続く。 
しかし、このアメリカ大統領選の時期、 
全ての国民、全ての部族たちが団結している。 
彼らの合言葉は、“We Love Barak Obama!!” 


(ABC  World News  November 4 配信分より) 


アメリカ大統領選挙がアメリカでけでなく、 
他の国でも大いに盛り上がっているといいう話。 
オバマ氏が選ばれれば、 
黒人(白人の血も入っているので、正確にはシナモンというそうです)初の米大統領となる。 
一方、共和党の候補、マケイン氏が選ばれれば、史上最高齢の大統領の誕生となり、 
さらに副大統領はペイリン氏となるので、 
女性初の副大統領誕生となる。 
いろいろと「初」や「記録」づくめの今回の米大統領選。 
それゆえに、注目度も高いようです。 

オバマ氏とマケイン氏、どちらが勝利するか。 
私としては、正直どちらが勝っても別にいいって感じっす。 
世界金融危機を早急に解決することに尽力し、 
ブッシュ2世現大統領が避けてきた温暖化対策に積極的に取り組み、 
かつ日本との関係を重視する大統領であれば。 

日本時間で5日の昼にも大勢が判明する見通しです。

2008年11月2日日曜日

宇宙旅行者

ポッドキャストで聴くワールドニュース第13回。 

今回はBBCから宇宙旅行の話題を〜 


英BBC Global Newsより 


‘A More Than $30m Ticket’ 

宇宙旅行から戻って来たリチャード・ガリアードさん。 
彼の生涯の夢であった宇宙旅行を、$30million(約30億円)で遂に果たした。 
彼は宇宙空間にあるISS(国際宇宙センター)に12日間滞在したあと、 
ロシアの宇宙船で地球に帰還した。 

彼の血筋は「宇宙の血筋」と言ってもいいほどで、 
彼の父は元アメリカの宇宙飛行士、 
また彼自身も宇宙へ旅行したい人を募って実際にロケットを打ち上げるという会社の取締役であったのだ。 

そして、遂に彼は6人目の宇宙旅行者となった。 

BBCの記者が彼にインタビューをした。 

リチャードさん「宇宙へ経つ前の地球での訓練で、 
どれだけ宇宙で過ごすことが大変かわかったよ。 
ロケットの発射のときはものすごかった。 
宇宙からの眺めは最高で、本当に忘れられないし 
人生が変わったような気持ちになったさ。 
そして、地球へ帰還したときの宇宙船が地面に着地したときの衝撃は、交通事故に遭ったような感じだった(笑)」 
記者「リチャードさんは宇宙から戻ってきたばかりなのにとてもお元気そうに見えますが、 
それは地上での訓練で宇宙での生活に備えていたのお陰ですか?」 
リチャードさん「地上ではいろんな訓練をしたよ。 
宇宙での生活に慣れるためのね。 
しかし、たった12日の滞在だったけど、やっぱり無重力のせいで筋肉はかなり弱ってしまって、 
実は今は歩くのも辛いし、 
スクワットなんてできないし、 
ただ立つだけでも支えがないと無理なんだ。 
元の状態に戻るにはまだ数日かかるだろうな」 
記者「訓練はロシアで行ったそうですが、ロシア語は大丈夫だったのですか?」 
リチャードさん「専門用語のロシア語はなんとかなったんだ。 
何ヶ月かロシア語の会話学校に通ったからね。 
ただ、普通の会話をするのが困難だった(笑)」 
記者「宇宙旅行に30億円かけたそうですが、この金額は、将来もっと低くなりますね?」 
リチャードさん「大気圏の軌道より下のところを上がったり下がったりするだけの『フライト』なら、 
国際線の1stクラスの値段でいけると思うけど、 
僕がいったような、大気圏外の宇宙旅行となると、 
今私たちが知ってるようなロケットを使っている限り、 
その10倍〜100倍はかかるんじゃないかな。 
ただ、高額といっても、宇宙での無重力空間でしかできない実験なんかの結果を 
地球での技術開発に使えたりしてるから、 
これだけのお金を出して行く価値はあると思います」 

(BBC Global News October 31 配信分より) 

毛利衛さんのように、宇宙飛行士として宇宙へ行ったのではなく、 
リチャードさんのように旅行として自分でお金をだして夢を実現した方のインタビューは 
日本ではなかなか聞ける機会がないかなと思いまして、今回取り上げさせていただきました。 

それにしても、30億とは… 
私のような庶民には到底無理ですね〜 
わざわざ宇宙に行かなくても、 
夜に空を眺めて「あー宇宙はこんなんなのかなぁ」 
とかいろいろ思いを馳せるだけで十分です。