2009年5月27日水曜日

food cooperative

Pod Castで聴こう英国のニュース
第49回。


今回は、食料品に関する話題です。

英BBC Global Newsから。

‘Food Cooperative’

経済危機により、お金のやり繰りが一層難しくなる中、
ブルックリンの`food cooperative`が活況を得ている。
食料品店で、お客さんがタダ働きするというもの。
その代わり、そのお店の商品をとっても安く購入することができる。
数千人の人が、そのシステムに興味を持っているという。

BBCの記者がブルックリンで取材した。

私が今買い物に来ているこの食料品店は、
ただのスーパーマーケットではないんです。
あるおばさんがお客を迎えている。
「いらっしゃいませ。ごゆっくり見ていってくださいな」
このおばさんは、実はお店のスタッフではない。
‘food cooperative(フードクーペラティヴ)’なんです。
フーソクーペラティヴは、このお店で買い物をするには、
まずここで働かなくてはならないのです。

「私の名前はナオミ。
今日はお豆腐と卵を棚に並べる作業をしています。
私は大学で心理学を専攻する学生です」

「私はジェニファー。
私も棚に商品を並べる作業をしています。
職業は、カウンセラーです」

「私はマーニー。
ゴミをステーションに持っていったり、
床を清掃したりしています。
本職は、ファッションデザイナーです」

このスーパーでは、
カウンセラーや弁護士など、
さまざまな職業の人たちが、
棚に商品を並べたり、
床を清掃している姿を見かける。
彼らは、給与を得るためにこのように働いているのではない。
お店の商品を安く購入できるようにするためだ。
人件費分を彼らが肩代わりしている分、
店の商品を40%割り引いた値段で購入する権利が与えられる。
このフードクーペラティヴ制度を利用しようという人は、
ここ最近の経済情勢を反映するかのように増加を続けている。

「最近はレストランで外食しようという人が減り、
代わりにスーパーで買い物をして自分で作ろうという人が増えている。
そのぶん、このフードクーペラティヴがより注目を集めている。
今は、約1400人の人がこの制度に登録をしている。
昨年の同時期よりも10%増えた」
店長のジョン氏はこう話す。

フードクーペラティヴのメンバーは、
4週間のうち、
3時間働くだけでよい。
非常に手軽で、これが人気を加速させる一因だ。

経済情勢がこのままで続く限り、
フードクーペラティヴ制度は根強い人気を
保ちちづけるであろう。

(BBC Global News May 26 配信分より)

一見アメリカっぽいとも言えるし、
アメリカっぽくないとも言えるシステムだなぁと感じました。
しかし、この制度、あまりにも広まると、
スーパーで普通に働きたいという人から
雇用を奪うのではないかとの懸念は残りますが・・・

2009年5月21日木曜日

Pod Castで聴く加奈陀のニュースです 

48回目今回は、アイルランドのお馬さんの話題です。 
経済危機で、アイルランドのお馬さんたちも苦労されているようです。 


加CBC The World This Weekend から。 


'Horses in Ireland' 


アイルランドは、世界トップレベルのサラブレットと騎手を生み出してきた、 
伝統的な競馬産出国であった。 
しかし、昨年からの経済危機により、 
サラブレット養成の需要は減少してきている。 
そのような馬を持ちたいという富裕層の縮小によるものだという。 
強いサラブレットは多くいるが、 
お金がない、という、需給の逆転状態にある。 

あるサラブレット養成師は話す。 
「ただでさえ、レジャーへの支出を抑える傾向が強い。 
なのに、サラブレット馬を飼い、育て、さらに強くしてやろうという 
金銭的余裕のある人が減らないわけがない」 

アイルランドのサラブレットの売り上げは、 
昨年比で44%も下がった。 
これは、アイルランド国内のことだけではない。 
アイルランドで養成されたサラブレットは、 
世界中の富裕層に買われている。 
世界規模で、大幅に売り上げが減少しているということだ。 

最近では、アイルランド国内で、 
サラブレットを‘abandon(見捨てる)’することまで起きている。 
ダブリンのある馬屋で、今、2匹の雌の馬が倒れている。 
休んでいるのではない。 
栄養失調と直射日光の強い刺激で倒れたのだ。 
数時間前、この2匹は道端に倒れいた。 
誰かに飼われていた馬が‘abandon(見捨てる)’され、 
あてもなくさまよい、最終的にこうなってしまったのだ。 
今は獣医の到着を待っている状態である。 
馬屋の管理者は、 
このようなケースを2009年に入ってから何度も見てきたという。 
管理者「栄養失調になった馬が道端で倒れているのを見かけるのは、 
毎週のようにある。 
通常、このようなケースは、年に45件ほどであるが、 
今年はまだ5月なのに、すでに59件も発生しています。 
恐ろしい数です」 

馬にとって、このような状態で倒れてしまうというのは、 
「死」を意味する。 
このような馬は、 
‘shoot(射殺する)’するというのが最も慈悲的な対処方法とする馬屋の管理者もいる。 
ある馬屋での取材の最中にも、 
その場面に出くわしてしまった。 
銃声が鳴り響き、倒れていた一匹の馬が息を引き取った。 

「見捨てられる」馬の数が増えているのは、 
アイルランドの経済危機が直接の原因であると指摘する関係者は多い。 
実はサラブレットが売れないという問題は、氷山の一角にすぎないという。 
ここ10年、アイルランドは、 
馬と共に経済成長を遂げてきたようなものであった。 
首都ダブリン郊外の多くの若い男性や男の子が、 
騎手や馬の調教師になることにあこがれ、 
あらゆる種の馬を飼っていたのだ。 
しかし、馬を育てるのは、途方もない時間とお金がかかる。 
そのような困難を知らずに馬を飼う家庭が多かった。 
そこに、経済危機が直撃した。 
馬を育てる余裕がなく、見捨てるほかないという人が増えているのだ。 

ジョッキーや調教師になり、 
自分の馬が優勝するのを祝福する。 
そんな理想は、ここアイルランドでは過去のものなってしまった。 
今やここに勝ち馬はいない。 
全ての馬がlooser(負け)となってしまっう可能性がある。 

(CBCのThe World This Weekend 5月17日頃配信分のだと思います) 

日本でも、レース用の鳩が殺されて水路に捨てられるという 
事件が最近ありました。 
人間の経済の都合で、 
動物たちもいい迷惑を被っているものです。 
私たち人間も、動物たちに多いに依存して生きているという事実を知り、 
敬意を払うという姿勢をもたなあきませんよね。 

2009年5月3日日曜日

abduction

Pod Cast で聴く英国ニュース 
第47回目。 

明後日はこどもの日ということで、今回は、子供の話題。 
中国での深刻なお話です。 


英BBC News Pod から。 


‘Abduction in China’ 

毎年数千もの子供たちが消えうせるという中国。 
彼らは、誘拐され、人身売買に巻き込まれる。 
彼らのうち、運良く家族と再会できるのは、ほんの数例。 
中国当局は、DNAを使った一致システムによる対策を始めた。 
連れ去られ、救出されて保護された子供のDNA鑑定を行い、 
元の親と一致するかどうか調べ、 
子供を親元に戻す取り組みである。 
中国の多くの親たちが、 
子供の誘拐・人身売買を防ぐための対策をもっと徹底するよう、 
中国当局に要請している。 

中国での子供の誘拐・人身売買に関するドキュメンタリーを作成した、 
ケイト・ブルイットという映画監督がいる。 
BBCの記者が彼女にこのことについてインタビューを行った。 

ケイトさん:子供の誘拐・人身売買は世界中で起こっている問題です。 
しかし、中国では、いわゆる一人っ子政策のせいで、 
この問題が他の国・地域より一層深刻なのです。 
今でも中国では、古い考え方ですが、 
多くの人が男の子を持ちたいという傾向が強いのです。 
一人の子供しか持てないために、 
都心部では、女の子を産むことよりも、 
地方で誘拐されてきた男の子を「買う」ということを選択する傾向があるのです。 
しかも、このように男の子をさらって売買するということは、 
今中国で活況を帯びるビジネスになりつつあるのです。 

記者:では、誘拐されるのは、男の子だけということですか? 

ケイトさん:いいえ、女の子も誘拐されます。 
中国では若い男性の軍隊が非常に重要な役割を果たしてきています。 
彼らの多くが、パートナーを見つけることが難しい状況です。 
そこで、地方で誘拐された女の子が富裕層の多い都心部へ連れさられ、 
軍人のパートナーにさせられることもあるというのです。 
このように、約20年前に始まった一人っ子政策のせいで、 
子供の人身売買が非常に深刻な問題になっているのです。 

記者:警察は行方不明になった子供をどのように捜すのですか? 

ケイトさん:私たちがドキュメンタリーを作成している際、 
地方の村で、親たちが「私たちの子供はさらわれた」と紙いに書いて、 
高く掲げているという光景を何度か目にしました。 
警察は何をするかというと、そういった人たちを、なだめるだけなんです。 
中国政府も、このことをあまり公にしたがらないようなのです。 
子供の誘拐・人身売買が盛んなんてことが知れたら、 
国の威信・国際的評価が失墜してしまう。 
だから、子供の人身売買の正確な統計も公表しない。 
警察も国の人間ですから、捜査にあまり協力的でないということです。 

記者:子をさらわれた親たちはどうですか? 
その問題解決を公に訴えたりするのですか? 

ケイトさん:誘拐されるのは、地方の、非常に貧しい村の子供たちです。 
故に、親たちも子供たちを捜索するお金もない。 
自分たちの住む村を出るお金さえもない。 
周りにいる人たちに、子供を見つけてくれるよう、 
協力をお願いするぐらいしかできないのです。 
そして、残念ながら、子供に再会できる親は、ほんの一握りにすぎません。 

記者:子供に再会できた親に会ったことはあるのですか? 

ケイトさん:はい、あります。 
ある農村の家族ですが、息子さんが6歳の時に誘拐され、 
あらゆる手段を使って息子さんを捜したそうです。 
警察の助けは借りなかったそうですが。 
周りの人からお金を集め、北京行きの航空券を買い、 
誘拐された息子を捜すという行動が、 
北京でマスコミに取り上げられるようになって、 
様々な人々から協力を得ることができ、 
再会できたとのことです。 
誘拐された息子さんは、人身売買集団にさらわれた後、 
ある夫婦のもとに連れて来られ、 
「おとうさん」「おかあさん」と呼ぶことを強制されていたと言います。 
その状況から運良く助け出されたんです。 

(BBC News Pod May 2 配信分より) 


怖い話っすよね。 
鄧小平以来、改革・開放路線を進めてきた中国。 
何よりも経済発展を最重要課題としてきた故に、 
経済成長は目覚ましいものがありました。 
しかし、改革=改善と信じ続けてきてしまったことで、 
様々な弊害が出ているのは認めざるを得ないところでしょう。 
格差の問題、環境破壊、毎年増加する自殺者、そしてこの子供の誘拐・人身売買。。。 

数千年の歴史を誇る中国、 
欧米に歩調を合わせた経済発展にばかり目を向けるのではなく、 
今こそ長い歴史の中で積み上げてきた伝統や知恵にも目を向け、 
打開策を探るときではないかと個人的には思います。 
まぁそれは日本にも言えることなのかもしれないのですが。 

終わりです!!!!!!!!!!!!!!!!!!!