2009年5月3日日曜日

abduction

Pod Cast で聴く英国ニュース 
第47回目。 

明後日はこどもの日ということで、今回は、子供の話題。 
中国での深刻なお話です。 


英BBC News Pod から。 


‘Abduction in China’ 

毎年数千もの子供たちが消えうせるという中国。 
彼らは、誘拐され、人身売買に巻き込まれる。 
彼らのうち、運良く家族と再会できるのは、ほんの数例。 
中国当局は、DNAを使った一致システムによる対策を始めた。 
連れ去られ、救出されて保護された子供のDNA鑑定を行い、 
元の親と一致するかどうか調べ、 
子供を親元に戻す取り組みである。 
中国の多くの親たちが、 
子供の誘拐・人身売買を防ぐための対策をもっと徹底するよう、 
中国当局に要請している。 

中国での子供の誘拐・人身売買に関するドキュメンタリーを作成した、 
ケイト・ブルイットという映画監督がいる。 
BBCの記者が彼女にこのことについてインタビューを行った。 

ケイトさん:子供の誘拐・人身売買は世界中で起こっている問題です。 
しかし、中国では、いわゆる一人っ子政策のせいで、 
この問題が他の国・地域より一層深刻なのです。 
今でも中国では、古い考え方ですが、 
多くの人が男の子を持ちたいという傾向が強いのです。 
一人の子供しか持てないために、 
都心部では、女の子を産むことよりも、 
地方で誘拐されてきた男の子を「買う」ということを選択する傾向があるのです。 
しかも、このように男の子をさらって売買するということは、 
今中国で活況を帯びるビジネスになりつつあるのです。 

記者:では、誘拐されるのは、男の子だけということですか? 

ケイトさん:いいえ、女の子も誘拐されます。 
中国では若い男性の軍隊が非常に重要な役割を果たしてきています。 
彼らの多くが、パートナーを見つけることが難しい状況です。 
そこで、地方で誘拐された女の子が富裕層の多い都心部へ連れさられ、 
軍人のパートナーにさせられることもあるというのです。 
このように、約20年前に始まった一人っ子政策のせいで、 
子供の人身売買が非常に深刻な問題になっているのです。 

記者:警察は行方不明になった子供をどのように捜すのですか? 

ケイトさん:私たちがドキュメンタリーを作成している際、 
地方の村で、親たちが「私たちの子供はさらわれた」と紙いに書いて、 
高く掲げているという光景を何度か目にしました。 
警察は何をするかというと、そういった人たちを、なだめるだけなんです。 
中国政府も、このことをあまり公にしたがらないようなのです。 
子供の誘拐・人身売買が盛んなんてことが知れたら、 
国の威信・国際的評価が失墜してしまう。 
だから、子供の人身売買の正確な統計も公表しない。 
警察も国の人間ですから、捜査にあまり協力的でないということです。 

記者:子をさらわれた親たちはどうですか? 
その問題解決を公に訴えたりするのですか? 

ケイトさん:誘拐されるのは、地方の、非常に貧しい村の子供たちです。 
故に、親たちも子供たちを捜索するお金もない。 
自分たちの住む村を出るお金さえもない。 
周りにいる人たちに、子供を見つけてくれるよう、 
協力をお願いするぐらいしかできないのです。 
そして、残念ながら、子供に再会できる親は、ほんの一握りにすぎません。 

記者:子供に再会できた親に会ったことはあるのですか? 

ケイトさん:はい、あります。 
ある農村の家族ですが、息子さんが6歳の時に誘拐され、 
あらゆる手段を使って息子さんを捜したそうです。 
警察の助けは借りなかったそうですが。 
周りの人からお金を集め、北京行きの航空券を買い、 
誘拐された息子を捜すという行動が、 
北京でマスコミに取り上げられるようになって、 
様々な人々から協力を得ることができ、 
再会できたとのことです。 
誘拐された息子さんは、人身売買集団にさらわれた後、 
ある夫婦のもとに連れて来られ、 
「おとうさん」「おかあさん」と呼ぶことを強制されていたと言います。 
その状況から運良く助け出されたんです。 

(BBC News Pod May 2 配信分より) 


怖い話っすよね。 
鄧小平以来、改革・開放路線を進めてきた中国。 
何よりも経済発展を最重要課題としてきた故に、 
経済成長は目覚ましいものがありました。 
しかし、改革=改善と信じ続けてきてしまったことで、 
様々な弊害が出ているのは認めざるを得ないところでしょう。 
格差の問題、環境破壊、毎年増加する自殺者、そしてこの子供の誘拐・人身売買。。。 

数千年の歴史を誇る中国、 
欧米に歩調を合わせた経済発展にばかり目を向けるのではなく、 
今こそ長い歴史の中で積み上げてきた伝統や知恵にも目を向け、 
打開策を探るときではないかと個人的には思います。 
まぁそれは日本にも言えることなのかもしれないのですが。 

終わりです!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

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