2009年10月31日土曜日

Путин vs Медведев

Pod Castで聴く英国のニュース

この間酒井法子氏の裁判がありましたが、
なんとBBCのPod Castのニュースでこの話題を取り上げていました。

国営放送が日本のこんな話題を取り上げるのはどうかと思ってしまいます・・・
BBCもポピュリズムに傾いた放送協会ということなのでしょうか。

で、今回は、そのポピュリズムよりもひどい、
共産主義の元リーダーに関するリポートです。

BBC Global News から。

'A Great Leader, or A Mass Murderer?'

スターリンの死からすでに50年経つ旧ソ連、ロシア。
彼に対する評価は今も割れている。
ロシアの大統領であるメドヴェーデュェフ氏は、
スターリンに対する評価の見直しを進める人々がいることに深い懸念を示し、
かつ彼らを強く批判した。
「自国の民を虐殺した者などリーダーと呼ぶに価しない」と。
しかし、現在の首相であり、前の大統領であったプーチン氏は、
スターリンのことを、自国を超大国に変えた人物として評価する。
どちらの見解がロシア国民に広がるのか。

BBCの記者がモスクワで取材した。

メドヴェーデュェフ大統領は、
スターリンに対する批判のビデオを、
クレムリンのウェブサイトに投稿した。
このことがあったのは、
旧ソ連のスターリン時代に彼によって虐殺された
数百万人もの国民を哀悼する年に一度の記念日であった。
この大虐殺は、1920年代後半から、彼が死去する1953年まで続いた。
大統領は、スターリンの圧制は、
言葉で言い表せぬほど惨いものであったと発言した。
多くの反スターリンを掲げる人々や集団が虐殺され、
さらに彼らは埋葬される権利さえも剥奪されたと言う。

大統領は、このような大罪を犯したスターリンに対する見直しの動きが最近あることに
懸念を示している。
「スターリンは合理的で偉大な指導者であり、
ソ連を超大国に変えたのだ」
このような思想がロシアで広がりつつあるというのだ。

その先鋒ともいえるのが、元大統領で現在の首相であるプーチン氏。
彼は、学校での歴史の教科書に、
スターリンのachievements(達成事項)が加筆されるべきだと主張している。

今モスクワには、スターリンがテーマになっている喫茶店があったり、
スターリンの好んだスローガンを壁に掲げる地下鉄の駅があったりする。
さらに、最近ロシアの北部で、
スターリンの歴史的犯罪について検証する研究を進めていた学者が
逮捕されるという事態も起きている。

スターリンという非常に敏感な歴史問題により、
ロシアが二部されるのではないかという危惧がある。

(BBC Global News October 31 配信分より)

今のロシア国民は、
1991年の崩壊で、
共産主義の辛酸を嘗め尽くしたのではなかったのでしょうか。
70年以上に及ぶ実験で共産主義が間違いだったことを
身をもって示してくれたはずのロシア国民が何故このような
「間違った」方向にまた戻ろうとしているのか、
理解不能です。
プーチン氏よりメドヴェーデュェフ氏が
この問題に関して、国民の信任を得ることを
期待するのみです・・・

終わりです

2009年10月22日木曜日

PS

Pod Cast 英国 ニュース

やっと10月3回目となりました。

最近はアジアやアメリカ、欧州の話題ばかりを取り上げていましたが、
今回はアフリカ大陸のお話です。

BBC Global News から。

5500万人もの国民が携帯電話を所有する国、エジプト。
このモダンテクノロジーの浸透により、
多くの女性が拒絶してもいつまでもついてくる、
フォーンストーカーの被害に悩まされているという。

エジプトの首都カイロでBBCの記者が取材した。

車や人通りの多いカイロのダウンタウン。
ここのとおりを女性一人で歩くのは、
非常に危険だ。
ここカイロでは、女性が強姦に襲われるというケースが多い。
そしてさらに最近、あまり報告されていないが、
「フォーンストーカー」の被害も増えているという。
携帯電話を持つ女性に、見知らぬ男性から電話がかかってくるというのである。

フォーンストーカーのうち、ほとんどがランダムに番号をかける。
はじめは男性側は普通の会話をしているが、
しばしばエスカレートし、卑猥な話へと発展していく。
エジプトの女性の会メンバーであるコンサムさんはこう話す。
「女性がこのような電話に応じてしまうと、もう悲劇の始まりです。
フォーンストーカーは『お前を知っている、住所も職場も何を専攻しているかも』と言い、
女性を怖がらせる。
女性が電話を切ろうとしてももう遅いのです」


エジプトでは携帯電話を持とうとする人は、
もちろん氏名や住所などを登録しなければならない。
故にフォーンストーカー対策は簡単であるように思われる。
しかしここはmale-dominated country(男性優位社会)であり、
この種の問題が軽率に扱われてしまうことが多い。
しばしば女性はフォーンストーカーの被害を警察に相談しない。
それは彼女たちが、警察が真剣に取り合ってくれないことをわかっているからだ。

カイロのユースマガジンの事務所では、
どちらも10代の女性であるモナさんとソフィアさんが話をしている。
彼女たちは過去にフォーンストーカーの被害に遭った。
モナさん「この問題は深刻に取り扱われることはないが、
女性にとって、非常に大変な問題です。
何らかの形で解決されることを願っています」

アメリカのある研究機関は、
エジプトの結婚できない男性がこのストーカーの犯人の多くを占めると見る。
エジプトでは婚姻前の貞操は当然とされているからだと言う。

エジプト政府は、この問題の対処に乗り出そうとしている。
この種のストーキング行為やセクハラ行為への罰を強化しようというのだ。
しかし一番大事なことは、
国民が男女ともに、この種の問題に対する姿勢を変えることだ。
そうしなければ、お互いに不利益を被る結果となってしまうだろう。

(BBC Global News October 22 配信分より)

男性がこのようなことをすると言うのは、
情けない話です。
しかし、日本でもストーカーと言うのが流行語になるほど頻繫にあった時期がありました。
また、電話で相手に顔がわからないからと、
あることないこと言うというのは、
「オレオレ詐欺」と同じようなものですね。
文明の利を使って堕落行為に走ってしまう。
便利なものを正しい方向以外のことに使ってしまう。
エジプトでもここ日本でも同じような現象が起こってしまっているんですね。
悲しいことです。。。

2009年10月13日火曜日

トッポジージョ

Pod Castで聴く英国ニュース

私事になりますが、
薄型テレビとブルーレイレコーダーなるものを購入しました。
私はテレビはまったく見ないのですが、
映画が好きで、特にイタリア製の映画を32インチの大画面で
楽しむ日々を送っております。

今回はそのイタリアから、映画にもなった人気キャラクターの話題です。

英BBC Global Newsから。



イタリア政府は月曜日から新型インフルエンザのワクチン対策をはじめる。
ワクチンは国中に配られる予定だ。
さらに政府は、新型インフルエンザウイルスの拡散を防ぐためのキャンペーンのために
250万ユーロを使った。
キャンペーンに使われたのは、あるねずみのパペット。
ミッキーではありません。
デビューから50年を迎えるトッポジージョです。

ローマからBBCの記者がリポートします。

イタリアでは国民がトッポジージョの助けを借りて
新型インフルエンザについて学んでいる。
1959年にテレビ番組に初登場し、
小さな体と大きな耳で国民的人気を誇るキャラクターとなっている。
日本でアニメ番組として放送されているほか、
アメリカや南米でも大きな人気を誇る。
しかしここ数年、ジージョの人気は下がり気味であった。

広がりを見せる新型インフルエンザの影響で、
彼は復活した。
いつものトレードマークであったストライプの洋服ではなく、
医者のような白衣をまとい、
新型インフルエンザの啓蒙活動に努めている。

政府関係者によると、ジージョを選んだ理由は、
彼の圧倒的な知名度であったという。
多くの大人や高齢者の方が彼のことを覚えており、
小さな子供にも気に入られる愛嬌のあるキャラクターだ。

数週間以内に約850万人のイタリア人がワクチンを接種される。
これは妊婦や防衛関連組織に勤める人を含む。
子供や高齢者も近いうちにワクチン接種を受ける。
トッポジージョを通じ、政府はインフルエンザウイルスの撲滅を図る。

(BBC Global News October 12 配信分)

前回まで少し暗い話題が続きましたので、
心が穏やかになりそうな話題を選んでみました。
BBCの真面目なニュース放送でもこのような話題を取り上げるんですね。
日本でも早くインフルエンザの猛威が治まることを願っています。

2009年10月6日火曜日

中国雇用情勢

Pod Castで聴く英国のニュース

今回で、2年目に入ることができました。
果たしていつまで続けることができるやらというところですが・・・

実は一昨日の中川昭一氏の訃報に大変ショックを受けました。
日本の失った様々なものを取り戻すべく期待をされていた方で、
北朝鮮拉致問題については、
国家の威信にかけて最後の一人まで必ず日本に連れ戻すという決意を見せたこともあり、
「こんな国会議員もいるんだ」と深く感心させられた方でした。

少しブルーな気持ちで今回のリポートを書かせていただくことになります・・・

英BBC Business Weekly から、中国の雇用についての話題です


様々な問題を抱える中国。
都市部と農村部の格差、環境問題、自殺率の増加等など。。。
しかし最近、つい数年前までは考えられなかったようなことまで問題となろうとしている。
“a future shortage of workers(将来の労働力不足)”である。
中国の経済繁栄は、もちろん安価な労働力によってなされた。
しかし共産党のone-child policy(一人っ子政策)や高齢化により、
状況が変わりつつあるのだ。
経済学者、法学者、さらに政府のアドバイザーでもある、ロー・ファン氏に
BBCの記者が話を聞いた。

ロー氏「昨年のリーマンショック以前、中国では労働不足が深刻だった。
今中国は転換期にある。労働力を更に失おうとしているのだ」

記者「何故労働不足に陥ろうとしているのですか?」

ロー氏「demographic change(人口統計学上の変化)がある。
one child policy(一人っ子政策)によって、
年齢層の構造変化が起きてしまった。
都市部では、労働人口が減ってしまった。
それは農村部でも同じこと。
時代が経つにつれ、労働人口が減ってしまった。
これが将来の労働力不足の背景だ」

記者「それでは、中国はどうしようというのですか?」

ロー氏「先進国というのは、すべてこの種の、
労働力過剰から不足への推移という、
構造的な人口問題というものを経験してきた。
故に、これは中国にとって新たな時代の到来と言うべきものなのかもしれない。
労働力は不足するが、
その分給料は上がる。
また、都市部と農村部の給与の格差も是正される。
このようなことをわれわれは予測している」

記者「でもそのようにいい方向に推移するでしょうか。
この中国で。」

ロー氏「もちろんこれまで中国では様々な問題が起こってきた。
しかし、経済のグローバル化や規制緩和改革などを通して、
中国は経済成長の歴史の中で、特に早い速度で成長することができた。
労働力不足の問題があるとしても、他の先進国にようやく追いつけると言うことを意味するのです」

(BBC Business Weekly October 3 配信分より)

様々な問題を抱え、それらを一向に解決できる兆しの見えない中国。
問題はやはり共産党による一党独裁政権という状態でしょう。
いつかこの共産党は崩壊し、中国体制は大きな変革が起こると思いますが、
それが一刻も早く実現されることを祈るのみです。