2009年1月1日木曜日

非正規移民労働者

POD CAST で聴きたいワールドニュース第30回!! 


あけましておめでとうございます!! 

みなさんどのように年を越されましたか? 

私は、実家で紅白観ながら年越ししました。 
紅白の途中にやっていた5分ほどのニュースで、 
日比谷公園の『派遣村』に関する話題をやっていて、 
今ほんまに日本大変なときなんやなー 
って改めて実感させられました。 

しかし、日本で非正規労働者として働いていた外国人労働者は、 
更に厳しい状況を被っているようです。 


今回はそんな、日本の移民労働者に関するリポート。 


英BBC News Podから。 


‘Redundant Foreign Workers in Japan’ 


景気後退による『非正規労働者切り』の影響があるのは、日本人だけではない。 
南米など海外からやってきた移民労働者にも深刻な影響が発生している。 

BBCの記者が日本で取材した。 

私が今いるのは、東京から新幹線で比較的簡単に来れる静岡県浜松市。 
ここは、音楽とビークルの町。 
ヤマハやスズキといった、世界に名だたる企業の発祥の地である。 

駅などに行くと、案内表示は、 
日本語や英語に加えスペイン語のものもある。 
実は、浜松市の人口うち4パーセントは、 
南アメリカからの移民なのだ。 
そして、ここの移民労働者たちが、 
日本の景気後退の深刻さを誰より辛辣に感じとっているのだ。 

浜松市に住む移民の多くは、日系2世か3世である。 
彼らの父母や祖父母は、 
前世紀初頭にペルーやブラジルから日本にやってきた。 
数代前から日本に住んでいるにもかかわらず、 
彼らの第一言語がスペイン語やポルトガル語であることから、 
彼らは『外国人』とみなされることが多い。 

『フェニックス』というあるラジオ局。 
軽快なラテン音楽とともに、 
ニュースをスペイン語やポルトガル語で放送する。 
取締役のカルロスさんはここ数カ月前から、 
雇用情勢の悪化が深刻な問題になってきていると話す。 
彼は、彼と同じような、 
豊かな生活を求め日本にやってきた移民労働者たちをサポートする団体を運営し始めた。 

カルロスさん「我々が日本にやってきたのは1990年代。 
当時、言語の壁が大きな問題だった。 
日本語ができるかどうか次第でいい仕事にありつけた。 
最近は情勢が本当に厳しい。 
浜松の多くの企業は非正規労働者をどんどん切り捨てる。 
日本語があまり話せない移民の非正規労働者にとっては、 
特に苦しい状況が続いてる」 

まだ7歳の男の子、フィリップくん。 
ある日系2世の子だ。 
この子も日本の景気後退が何を意味するのか、よく分かっている。 
フィリップ君は、父親と小さな‘shelter(避難所)’に住む。 
日系2世や3世の他の6人とともに。 
家賃や食費はタトゥーパーラーを営むあるビジネスマンに払ってもらっている。 
父親のカズオ・オノハラさんは、15年前に日本にやってきた。 
しかし、最近ある自動車会社の非正規労働者としての仕事をクビになった。 
カズオ・オノハラさん「クビになる際、会社の上司になんとかしてくれるよう頼んだ。 
小さい子供もいる、行き場もなく、冷たい冬の路上をさ迷う生活になってしまう、と。 
しかし、上司の心も冷たかった。 
私のためにできることは何もないと言われた」 

日本人がしたがらない仕事も進んでする外国からの移民労働者。 
つい最近まで、彼らは、 
日本にとってなくてはならない存在と言われてきた。 

テンプル大学のアジア学研究のキングストン教授は 
景気後退がこれを変えてしまったと話す。 
キングストン教授「日本の移民労働者政策は、 
‘Legal Limbo(合法的な辺土)’と言われてきた。 
政府は最初は移民労働者たちの過去の経歴を深く追求せず、 
景気向上期の必要なときに都合よく合法な移民として働かせていた。 
しかし景気後退期の今は政府はやり方を変え、 
移民労働者たちを『不法』とみなし、 
彼らのビザの更新を許可しなかったり、 
国外追放などの措置をとっている」 

彼らのような移民の一部は、 
航空券を買うお金さえあれば、 
南アメリカの自分たちの故郷に帰りたいと話す。 
しかし、多くは、日本残り、 
日本人労働者と同じ待遇をするよう、 
政府に団結して要求をかける行動をしている。 


(BBC News Pod January 1 配信分より) 


もともと閉鎖性の強い日本。 
外国人労働者よりまず日本人労働者を保護したいという政府の方針もわかります。 
しかし、移民労働者たちも、日本経済の発展を支え、 
私たちと同じように日本のために尽くしてきた『仲間』であると思います。 
彼らを都合よく使い、ぼろ雑巾のように捨てるという政策には首をかしげてしまいます。 

また、今の派遣労働者法にも不備があることを否めないと思います。 
もともと派遣というのは、通訳などほんの数種類の業種に限定されていましたが、 
90年代の規制緩和政策の波で、現在のように多くの業種に広がりました。 
『多様な雇用情勢を創出・提供することで、多くの人が職につきやすくする』 
政府のこのような意図もあったようですが、 
結局は労働者に利益はなく、 
結果的に企業が自分たちの利益を守るために使える政策となってしまいました。 

小泉政権に代表される規制緩和による自由市場・小さな政府政策。 
一時的に景気回復の効果はありましたが、 
その皺寄せがもっと大きな規模で、 
さらに深刻な形で今やってきている気がします。 

今の形の社会が必ずしも正しいとは思わず、 
本当の幸せとは何なのか、本当の生き方とは何なのかをよく考え、 
誰もが法律上の責任だけでなく、 
倫理的責任を果たせる社会を創っていかなければならないと思います。 

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