2009年9月22日火曜日

Prison Suicide

POD CAST で聴く 英国のニュース

ようやく今月3回目です。

前回に引き続き、少々くらい話題になりますが・・・

英BBC Global Newsから。


“prison suicide”



ヨーロッパの国の中で、刑務所の囚人の自殺率が一番高いのは、
フランスである。
毎週のように囚人が刑務所内でその命を絶つ。
刑務所収容人数が多すぎてそれによる「混雑」が一番の原因であるとされ、
EU委員会も仏国の刑務所の状態はあまりにもひどく非人間的であるとして、
非難している。
今週、仏政府は刑務所内の環境改善に向けた法案を通す予定だが、
専門家たちはそれだけでは到底足りないと懸念する。

BBCの記者がフランスで取材した。

仏政府は、BBCによる刑務所内への取材を10ヶ月にもわたって拒否してきた。
EU委員会も懸念する仏の刑務所のこの劣悪な環境。

EU委員会に委任され、刑務所環境改善の任務に当たるある精神科医はこのように語る。
「フランスの刑務所は、まるで『死の地域』だ。
刑務所内で囚人たちが毎週のように自殺をするというのもよくわかるというものだ。
多くは首吊りによる自殺という。
フランスの刑務所では、多くの囚人が希望を見失ってしまうのだ。
われわれは彼らに希望を与えなければならない。
ただ、今週通る予定の法案だけでは、
十分な環境改善は見込めない」

フランスの刑務所施設には、
64000人もの囚人が「閉じ込め」られている。
24年間さまざまな刑務所施設に服役していたフランソワさんはこう話す。
フランソワさん「刑務所内の混雑が一番の問題だ。
多くの囚人が昼も夜も一緒にすごさねばならない。
9平方メートルの部屋に2人や3人の囚人が一緒に暮らしているのだ。
1人の囚人が用を足しているときに、
他の囚人は手紙を家族に書いたり読書をしている。
このような共同生活を強いられることで大きなストレスがたまることが
刑務所内囚人自殺の原因だ。
みな希望を失ってしまうのだ」

囚人の家族も運動を始めている。
昨年フランスの刑務所では115人もの囚人が自殺した。
今年はすでに88人に上る。
1月に24歳のある男性囚人が自殺した。
彼は何十種類もの鎮痛剤を飲み込んで自殺したのだった。
彼は、自宅近くの刑務所に移してもらえるようずっと激しく訴えていたという。
彼の姉は、弟はneglect(無視)によって自殺したのだと言う。
姉「刑務所の環境は、言葉に表せないほどひどいものです。
刑務官の数もまったく足りていない。
さらに、必要なのは刑務官ではなく、
医療従事者や精神カウンセラーだ。
弟はこのようなサポートがなかったから自殺をしてしまったんだわ。
彼の死から9ヶ月経ちますが、
彼が何時に死んだのかさえわからない。
誰か彼のために寄り添ってあげたのかどうかも・・・」

フランス大統領サルコジは、フランスの刑務所はフランスの汚点であると認めている。
彼は犯罪に対して毅然として対応するという公約を掲げ、大統領に当選した。
刑務所環境改善に手を打つことを期待されているが、
1875年以来フランスの法律に掲げられている、
「刑務所の囚人には個室を提供する」という義務を撤廃することも表明している。
彼がこのような態度を取り続ける限り、
フランスの刑務所の十分な環境改善は見込めないであろう。

(BBC Global News September 22 配信分より)

先進国と言われるフランスの刑務所がこのように劣悪な環境であるというのは、
少し意外でした。
個室はもちろん、きちんとした食事や医療も提供される日本の刑務所。
ここに入るためにわざわざ軽犯罪を何度も犯すという人もいるということを聞いたことがあります。
死刑制度があるということで人権侵害だと日本を非難しているフランスですが、
刑務所環境の面では、
日本は十分にフランスを非難できるのではないでしょうか。

2回連続して自殺というくらい話題になってしまいました・・・

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