2012年3月29日木曜日

polyglot


英BBC Global Newsから。



“A young polyglot”

このGlobal Newsをお聴きのリスナーの中には2か国語、
はたまた4か国語を話せる方もいらっしゃることでしょう。
しかし、驚くべき若者がいます。
16歳のティムシー・ドーナ君。
彼はいったい何か国語を話せるのか?

ティムシー「23か国語です」
記者「23か国語?!いったいどうやってマスターしたの?」
ティムシー「趣味として習い始めたんだ。
まずアラビア語から始めて、どんどんいろんな言語を学んでいったんだ」
記者「習うのに何か特別な技術はあるのかい?」
ティムシー「技術と言っても難しいな。
本当に趣味だったんだ。
ツアーガイドなんかをやって学んだこともあったよ。
そのお客さんの国の言葉でホテルやレストランを予約するだとか。
でもやっぱり文法や文構造から習い始めるのがいいと思うね。
やはり言語学に興味を持つことは大事だと思う。
語形論や統語論、単語の成り立ちなんかをネイティヴの人と話し始める前に学ぶことは大事かな」
記者「やはり母国語以外の言語をマスターするのは大変なのかい?」
ティムシー「もちろんです。
母国語が何かによってどの言語が難しいかというのも違ってくる。
今のところ、英語を母国語とする人にとって一番厄介なのは、
文法からしても発音からしてもロシア語だと思う。
ただ、やはりインド・ヨーロッパ言語に属する言葉どうしはつながりがあって、
習いやすいとは思うけどね。」
記者「ちょっと試していいかい?(フランス語を話す)」
ティムシー「(フランス語で対応)」
記者「いいね、フランス語はとても流暢だ。簡単かい?」
ティムシー「フランスは簡単さ」
記者「それじゃ、マンダリン(シナの公用語)はどうだい?マンダリンを話す同僚のカレンと会話してみて」
(カレンとティムシーがマンダリンで会話)
記者「カレン、彼のマンダリンはどうだい?」
カレン「うーん、発音がちょっとね・・・あっ、ごめんなさいね」
ティムシー「(マンダリンで)わかってるさ」
(記者 苦笑)
記者「オッケーオッケー。では、23か国語を話せるということは、23か国語すべて流暢に話せるということかい?」
ティムシー「流暢というのもあいまいな言葉で、どのレベルを流暢というのかはっきり定義できないよね。
例えば、その言語でphilosophy(哲学)やその国の税制度を議論できるほどでなくてもいいと思うんだ。
コミュニケーションに必要な言語能力があればいいと思うんだよね」
記者「なるほど。今はどんな言語習得訓練をしているんだい?」
ティムシー「うん、毎10~15の言語を使って訓練はしているよ。
言語学校でもやるし、地下鉄で誰かと会話したりっていうのもあるし。
チャットで他国の人と交信したり、スカイプで会話したりもするね。
毎朝8~10か国の「ニュースを聴くということもしているとよ」
記者「今後どんな言語を学びたいと思っているんだい」
ティムシー「まずは日本語を学びたいとすごく思ってる。
あとポーランド語やイタリア語」
記者「素晴らしい。これからもがんばって。チャオ」

(BBC Global News 3月29日 配信分より)

16歳でこれだけの言語を話せるというのはすごいっすね。
ただ、言語の勉強ばかりに熱中して、きちんと他のことにも興味を持って二度と来ない青春を満喫できているのかが気になります。
ティムシーはロシア語が一番難しいと話していましたが、
世界で一番難しい言語は日本語です。
色々言語学者の本等を読むとそのような記述を見かけますし、
日本語を含め10か国語を操れるピーターフランクルもそう言ってました。
助詞(を、に、が、の、より、と、へ、や、より、で)の使い方や、
あいまいな表現が多いこと、
ひらがな、カタカナ、漢字の混合という他の言語にはない独特の特徴があるためだとか聞いたことがあります。
世界で唯一、一国一文明の国である日本は、他の国とこの日本語を共有できなかったという歴史があるからでしょうか。

2012年3月5日月曜日

air pollution in China

英the Economist

2月11日 Printed Editionから。

シナでの大気汚染の記事。

Satellite date reveal the true scope of China's pollution problem

PM2.5という単語を聞いたことがおありだろうか。

これは最近シナで起こっているあることと関連のある単語。

これは大気中の最も小さな固形の物質―直径2.5ミクロより小さい大気中の汚染物質を示す。

これらの物質は人の肺の奥に入り込んでしまう。

より大きいPM10の数値の汚染物質よりも簡単に。

しかしここ最近までシナ政府はPM10の数値の汚染物質に関する情報しか国民に提供していなかった。

このことが他国の研究機関によりシナの人々に暴露されたとき、様々なシナのネット上で炎上が起こった。

そのときの国民の反応があまりにすさまじかったため、シナ政府は調査を行い、

大気中のPM2.5の数値の物質に関する情報も首都北京やその他いくつかの都市で公表するようになった。

しかしその情報が公表されない他のシナの都市はどうなるのか。

現在のところそこではPM10の数値の大気中の物質に関する情報のみ公表されている。

ここでも手が加えられる予定である。

大気中の汚染物質に関するデータの調査は地表近くで測定するのが最適とされているが、

衛星を使いどれだけ太陽からの光が汚染物質によって遮られているかを測定するほうが

正確な数値が出るということが最近では常識となっている。

エール大学やコロンビア大学ではこの手法をとっており、

米国製の衛星を使い、国中のPM2.5サイズの大気中汚染物質の測定を行っている。

WHOの手引きによると、1立方メートルあたり10ミクログラムを超えたPM2.5の数値であれば安全性に問題はないとされる。

研究員のフス氏によると、ほぼすべてのシナの地域でこの数値を上回っており、非常に危険な状態である。

実際、平均1立方メートル当たり30ミクログラムを超える数値の大気汚染をこの国のほとんどの国民は被っている。

北京では35ミクログラム。

ヘナンでは50ミクログラムに上る。

大気汚染がひどい日にはこの数値をはるかに上回る汚染物質を吸い込んで生活していることになる。

フス氏の調査方法は必ずしも完ぺきではない。

衛星を使った調査では雪が積もったところや砂漠では誤差が出るし、

空高い所にある物質と地表近くの物質との区別も容易には付けられない。

また、人が住んでいる地域と住んでいない地域の違いも考慮にいれる必要がある。

このような事情もあるが、シナの人間が他のどの国度の地域の人々よりはるかに汚い空気のもとに住み、

はるかに多くの汚染物質を肺へと吸い込んでいることは間違いない。

汚染と経済発展は同時に進行するといっていいものであり、

後者の力強さが続く限り、前者は一時的には我慢しなければならないと思うのが近代国家の人間の思考であろう。

彼らがおそらく我慢できないのは、シナの人々が他の国の研究機関によって真の汚染状態を知らされなければならなかったという現実であろう。

(the Economist 2月11日 Print Edition より)

シナの大気汚染については日本も迷惑をこうむっていますね。

いわゆる黄砂です。

黄砂により砂だけでなく汚染物質まで日本に上陸してしまっているということです。

北京五輪の際、大気汚染を恐れた一部の国の五輪代表選手が日本に選手村を作り、

練習等は日本で行い、

試合の際だけ北京に飛ぶという事態があったということも記憶に新しいところです。

また大気汚染のみならず、工場からの汚染物質をそのまま川に流し

それが日本海やロシアの湖等に流れ着いて深刻な問題になったというニュースも数年前にありました。

シナが一人で勝手に苦しむのなら構いませんが他国にまで迷惑をかけるのは本当にやめてもらいたいっすね。