2009年1月23日金曜日

$100の人身売買

pod castで聴くワールドニュース第34回。 


今回はある人身売買に関する話題。 

英BBC Global Newsより。 


‘Human Trafficking’ 


中央アジアのタジキスタン共和国。 
ソビエト連邦から独立した国のうち、 
経済的に最も貧しいとされる。 
ここでは、自分の赤ん坊を「売る」母親の数が増えているという。 
そのprice tag(値段)は、$100(約9,000円)・・・。 

BBCの記者がタジキスタンの首都、 
ドゥシャンベイで取材した。 

50歳のマハ・ブーバさん。 
彼女には4人の息子がいる。 
しかし、彼女はずっと娘がほしかった。 
だから、女の子の赤ちゃんを「買った」のである。 

ブーバさん「私にこの女の子の赤ちゃんを売った女性は、 
5人の子供がいました。 
彼女の夫は彼女を置いて去ってしまい、 
新たに生まれたこの子を育てる余裕がなかったそうです。 
彼女に私は$100(約9,000円)払いました。 

赤ちゃんを「売買」するというのは、 
タジキスタンでは一般的であるという。 
「売られる」赤ちゃんの多くは、非嫡出の子であるという。 
保守的なここタジキスタンでは、非嫡出の子を持つことは、 
恥と考えられている。 

非嫡出の場合、母親は、出産の数日後に、 
病院に自分の赤ちゃんを置いていくという。 
そして、赤ちゃんの運命は病院に委ねられる。 

ある病院の看護婦は言う。 
看護婦「母親が出産で死産だった際、 
医師は他の病院から『置き去り』にされた赤ちゃんを 
探してくる。 
その母親の助けになりたい一心なんです」 

しかし、このような善意の行為も、 
ここタジキスタンでは違法とみなされる。 
このように身寄りのない赤ちゃんのtrafficking(人身売買)は、 
捕まれば8年もの禁固刑となる。 
このような人身売買での検挙はこれまで30件あったが、 
実際はこの数倍の「身寄りのない」赤ちゃんの人身売買があると言われている。 

人身売買に詳しいブレギーモフさんはこう話す。 
ブレギーモフさん「タジキスタンで赤ちゃんの売買が今でも残っているのには、 
いくつかの理由がある。 
赤ちゃんを『買う』のは、通常子供のいない夫婦。 
合法的に孤児をもらうのには、非常に煩雑な手続きが必要で、 
赤ちゃんを『買う』という容易な手段に出てしまう。 
また、極端な貧困のため、 
母親が自分の赤ちゃんを『売る』しかないというケースもある。 
仕事にありつけなかったり、 
仕事があっても賃金が低すぎたりするためだ」 

今、私(記者)の目の前である母親が赤ちゃんに子守唄を唄っている。 
このように、自分の赤ちゃんに子守唄を唄うという 
当たり前のこともしてやれない女性が 
タジキスタンには多くいる。 
経済状況と社会的な圧力により、 
赤ちゃんを『売る』ということをせざるをえない女性がたくさんいるということである。 
また、孤児をもらうにも、長く複雑な手続きが要る。 
これらの状況が改善されない限り、赤ちゃんを『買う』夫婦は消えないであろう。 


(BBC Global News January 23  配信分より) 


悲しくて暗い話ですね… 
次回はもっと明るい話題を探してみようと思います。 

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