2009年1月27日火曜日

お金

pOD Castで聴くワールドニュース第35回。 


今日は無印で買った本棚が届いたので、 
組み立てて整理してたら23時近くまでかかってしまいました… 


で、今回は、あるMonk(僧侶・修道僧)の話題です。 
もともと証券マンであったのがこの人が、 
何故修道院の僧侶となったのか? 


加CBC The World This Weekend より。 


‘Giving Up The Quest For Money’ 


フランスのマルセイユに、 
あるMonk(修道僧)がいる。 
彼は、もともとアメリカで働く証券マンだった。 
しかし、あるときトレイダーとしての道を捨て、 
修道僧になり、 
同志とともに貧困層の子供に勉強を教えるという生活に励んでいる・・・。 

CBCの記者がマルセイユで彼のことを取材をした。 

マルセイユのある細い道の一角にある小さな建物。 
壁は薄く、近所の子供のはしゃぎ声なども 
屋内まで響き渡る。 
ここで、今、夕方の祈りの儀式が行われている。 
仲間の僧侶とともにミサをうたう男性の名は、 
ヘンリー・クインソン。 
40を過ぎたくらいのアメリカ人である彼は、 
20年前は、若く、やり手の証券マンであった。 
しかし突然その生活に終止符を打ち、 
マルセイユの質素な修道僧となった。 

ヘンリーさん「私はかつて、 
証券会社のトレイダーとして働いていました。 
当時は、あっという間に使いきれないほどのお金を稼ぎました。 
とても裕福だったと思います。 
28歳の時には、大手のメリルリンチ証券から、 
ヘッドハンティングのオファーがきたこともあります。 
しかし、当時実は私は自分の生き方に何か違和感を感じていました。 
メリルリンチからのオファーを断るどころか、 
そのとき勤めていた証券会社も辞めてしまったのです」 

証券会社を辞めた彼は、 
アメリカをも去り、 
なにも求めないという生活を求め、 
フランスのアルプスのふもとにある修道院で、 
僧侶としての生活を始めた。 
しかし、その修道院での生活は、 
彼には合わないように感じた。 

ヘンリーさん「修道院で、普通の僧侶として生活することに 
意義があると思っていたが、 
実際やってみてあまりそうは感じなかった。 
当時、マルセイユでろくに教育も受けられない 
子供が多くいると聞き、そこで何かできるのではないかと思った。 
行ったこともない、誰も知っている人もいないマルセイユで、 
地中海南部の地方からやってくる子供たちの 
就業の手助けをしようと思ったんだ」 

コマという名前の男の子。 
彼は今、へんりーさんから読み書きを教えてもらっている。 
毎日放課後、ここマルセイユのヘンリーさんの修道院には、 
貧困街、特にイスラム教徒の多い地区から、 
コマ君をはじめ、多くの子供たちがやってくる。 
学校の勉強についていけず、 
さらに学校以外で教育の機会のない彼らに、 
ヘンリーさんの他、何人かの僧侶が、 
勉強を教えているのだ。 

ヘンリーさん「かつて、証券マンとして、 
パリのある高級マンションに住んでいたことがあります。 
パリの中でも、特にお洒落で、高級な地区でした。 
よくシャンゼリア通りに行って派手に買い物もしていました。 
しかし、そこに住んでいた4年間、 
1つだけなかったものがありました。 
それは、近所の人たちからの『ハロー』という言葉。 
近隣住民から、4年間1度も挨拶をしてもらったことがなかったのです。 
しかし、今このぼろい修道院にいて、 
誰もが私に気軽に『ハロー』と声をかけてくれる。 
今に比べ、もちろん当時のほうが、 
生活は金銭的に余裕がありました。 
一生かけても使いきれないほどのお金を稼いでいて、 
週末には何に使おうかと悩むほどでした。 
今はお金はありません。 
当時稼いだお金は、 
すべて様々なNPO(非営利団体)に寄付しましたから」 

彼に今の金融危機についてどう思うか聞いてみた。 
ヘンリーさん「この金融危機は、 
お金は役立つものであると私たちに教えているような気がします。 
お金をどう使うかが重要であるということです。 
ただ自分だけお金を儲けて、 
リッチになればいいという話ではないと思います。 
お金を、環境保護のために使う、 
将来の世代のために我々ができることに使う、 
人類の生命のために使う。 
自己主義を捨てることで、 
お金は我々の希望の星となりうる。 
そんなことを今の金融危機が我々に語っているような気がします」 


(CBC The World This Weekend January 26 配信分より) 


以前、アメリカの大富豪が、 
お金を手に入れることだけを狂ったように追い求め、 
ついには「誰かにこの資産を盗られるんじゃないか」と妄想が起こり、 
精神科にかかるまでおかしくなったという話を聞いたことがあります。 
彼は、精神科の医師に、 
慈善活動をするよう勧められて実行し、 
他人の幸福のためにお金を使うことに意義を見出し、 
ようやく精神面での安定を取り戻したそうです。 

ただお金を追い求める。 
数字を追い求める。 
こんなアメリカスタイルの思想が 
グローバライゼーションともに、 
世界中に広まってしまいました。 
しかし、使いきれないほどのお金を稼ぐということに、 
何の意味があるのかと思ってしまいます。 
特に我々日本人は、 
お金は賤しいという考えを持つ人が多いそうで、 
かつてのむらか○氏のように、 
「お金をもけることの何が悪いんですか?」 
といった考え方に反発を持つ。 

アメリカ一国主義も崩れかけているということで、 
アメリカ的価値観を捨て、 
「お金は賤しい」という我々日本人の昔から持つ価値観をルネサンスさせることで、 
閉塞感漂う今の時代に、 
新たな道筋が見えてくるんじゃないかと、 
このPOd CasTの配信を聴いてさらに深く感じました。

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