2011年10月24日月曜日

Brain Cancer

Pod Castで聴く英国のニュース

英国BBCから。

‘Mobile Phones Won’t Cause Brain Cancer’

携帯電話の使用は、脳に悪い影響を与えないという研究結果が出された。

英国メディカルジャーナルがデンマークの34万人の被験者に依頼して実験を行った。

BBCの記者が取材した。

携帯電話の電波が人体に悪影響を与えるのかどうかという研究は、

20年も前から行われている。

その研究の多くで、悪影響はないとの結果が出ているが、完全に人体への影響はないと信じられない人もまだいるだろう。

今年初め、WHOWorld Health Organization)が行った調査では、

18年以上携帯電話を使用している人に、脳のがんや中枢器官の破壊といった症状の発生率の増加は見られなかったとのこと。

ただ、この調査のリポートによると、更なる調査、特に子供が携帯電話を使用した際の悪影響を綿密に調べていく必要があると記している。

この調査結果に対する反応はさまざま。

安心したと言う人もいれば、調査の方法に疑問が残ると、不安を述べた人もいる。

とくに、携帯電話を最も頻繁に使用すると思われるビジネスマンが調査対象から除外されていることが不安を大きくしているようだ。

BBC Global News  October 22 配信分より。

参考にしてください。

2011年10月13日木曜日

Chinese calligraphy

Pod Castで聴く世界のニュース

今回はシナの話題。

BBC Global Newsから。

Young Chinese struggle with their alphabet

シナの経済発展が進むにつれ、世界中でシナ語教室の数も増えている。

しかし、当のシナでは、コンピュータの扱いに慣れてしまった若者が、

古くからの伝統的かつ複雑な「書く」習慣を身につけていないという問題が顕著になってきている。

上海の学校では、calligraphy(書道)の授業が必須科目となり、試験に合格せねばならないようになった。

シナ人BBCの記者が上海で取材した。

ここはcalligraphy(書道)の授業を行っているとある学校の教室。

生徒たちは黒い石で造られ、鳥のモチーフの彫ってあるシナの伝統的な机を使って授業を受けている。

墨の独特のにおいが鼻につき、それは私に小さかった頃の書道の授業を思い起こさせる。

私の住んでいたシナ南部地方では、5歳の時点で、書道は必須科目であったから。

数世紀にわたり、書道はこの国で、どんな子供でも当たり前のようにできていた。

大きな書道筆の握り方、文字を書くための上手な筆跡といったものを子供のころから学んでいたのだ。

英語やロシア語など、インドヨーロッパ言語のアルファベットと違い、

漢字の一文字一文字は意味があり、その文字の発音だけを表しているのではない。

calligraphy(書道)の先生のチェン氏はこう話す。

「書道の技術を身につけることは、今のシナの子供にとって、

これほど大事なことはない。

シナ人にとって、どのように書くかは、その人がどのような人であるかさえも表す。

シナ人が自分の国を愛するなら、その言葉を愛さねばならないという諺さえあるのです。

シナ人はきちんと書くということを一人一人ができなければならない」

しかし、上海の教育者は口をそろえてこう話す。

最近の若者は、携帯電話のメールに慣れ、コンピュータなどによるコミュニケーションに頼りすぎている、若者は「書く」力を失っている、と。

先ほどのcalligraphy(書道)の教室。

30人ほどの生徒がいて、みな1213歳。

みなパソコンの扱いには慣れている。

何故シナでこれほどコンピュータの授業に力が入れられているかというと、

IT(Information Technology:情報技術)をマスターし、未知の世界への探索心を養うことは、

20世紀を生きる人間として必須であるという認識が強いからである。

しかしそれは、シナの精神的な、かつ根本的な方向転換をも意味する。

パソコンを使うとき、シナの子供たちは、西洋文字のアルファベットを使って文字を入力する。

そして、いくつかの変換候補の中から、最適な漢字を選択、入力する。

漢字を覚えている必要はあるが、実際に書く必要はない。

13歳のハンェンは、ペンを持つまではいいが、そこから先、漢字を忘れてしまい、

何も書けないと話す。

ハンェン「文字を書くときは、それを覚えながら書かねばならなかった。

もしくは、いつも手元に辞書を置きながら書いていた。

しかし、パソコンで入力する際は、キーボードに慣れてしまえばそれで終わり。

そのほうがずっと楽チン」

放課後、生徒たちは授業で使った、墨で真っ黒の筆を洗う。

この書道の授業は上海のすべての学校で必須となり、

試験でも書道科目を受ける必要がある。

古代から続く、子供たちにとって難しいといわれる書道が、近代技術の猛威に立ち向かう精神的強さを彼らの中にはぐくんでくれることを、

上海の教育者たちは願っている。

(BBC Global News 神無月十二日 配信分より)

シナとはいわゆるChinaのことですが、

この国は文革ぐらいのときに、昔からあった漢字をかなり簡素化してしまったそうな。

今この国の漢字は、かつての「たをやめぶり」のような勢いをなくし、

かなり弱々しい文字になってしまっているのだそう。

翻って、今シナに合併される危険をはらむ台湾。

ここでは毛沢東・文革の影響はほぼなく、古代からの漢字を今も使い、

迫力のある言語を駆使している。

同じ言語体系、漢字を使う国であるのに、

シナが異常に見えて台湾がまともな国に見えるというのは、

このような違いのせいなのかもしれません。

それにしても、上海のある子供が、ペンを持っても文字が書けないというのには少々言葉を失いました。

今の日本の子どももパソコンには慣れているとはいえ、

文字を書けないということはないでしょう。

学校でも昔から書道の授業はありますし、

巷には書道教室というのもまだ多く見られます。

まぁこの記事も上海のことだけを取材していますので、

シナ中全てがこのような状況であるというわけではないと思いますが…。

2011年10月7日金曜日

doing business in tokyo

Pod Cast で聴こう世界の事情

Steve Jobsのおっさんが亡くなりましたね。

私はiPhoneiPadMacは興味ありませんが、

iPodだけは非常にお世話になりました。

オバマのおっさんが、Jobのおっさんに死に関して、

「アインシュタインやエジソン以来の天才を失った」と

演説の中で哀悼の意をあらわすコメントを述べたそうですが、

京都大学教授の正高信男教授によると、

エジソンには注意欠陥障害があり、アインシュタインは癇癪持ちで、脳障害や学習障害があったとのこと。

「普通の人」ではない特異性が天才につながると述べています。

Jobsのおっさんも、手法が強引だったり、アイディアが独創的すぎるなどの理由で自分が作ったアップルコンピュータという会社を他の会社から引っ張ってきた役員に追放されたり、

新製品発表のプレゼンの場でも、全世界に放映されるというのに、髪型は手入れをし損ねたただのおっさん、口周りは無精ひげがボボボーボボーボボー、服装もいつも黒のとっくりと薄汚いジーンズという、50代のときめきを忘れたじじいみたいな格好で行っていたり、

ちょっとおかしいと感じるとこがありましたが、そこが「まとも」な人にはわからない天才性を備えていた証拠になるところだったのかもしれません。

ちなみにモーツアルトっていうおっさんも、

音楽の才能はずば抜けていたが、

カネの使い方がわからず常に借金ばかり、

礼儀等は全く知らず、いつも周りの人をイラつかせてばかり、

結婚して子供がいるのに毎晩のように女友達と遊び呆けている、

最後には性病対策で水銀などわけのわからないものを薬として服用していたために

30代の若さで死んでしまったと言います。

天才とは、他の要素をすべて捨て、ある一分野に全てを捧げることで生まれる人種なのかもしれないっすね。

で、今回は日本でビジネスをするために知っておきたい話。

the Economist Pod Cast

‘Doing Business’より

Doing Business in Tokyo

日本の首都、Tokyoでビジネスをする、Tokyoに出張になった、こんな時は、以下のことを心に留めておくといいですよ。

まず、日本人の習慣から。

日本のビジネスマンとの取引で、待たされてイライラするということはまずありません。

時間の正確さという点では特に秀でています。

次に、どこに滞在するか。

Tokyoは、世界でも最大の都市。

1200万の人が住み、近郊地域も合わせると、3600万もの人がいます。

都心部には、高品質のホテルが数多くあります。

とくに、由緒あるホテルとして、オークラ、ヒルトップホテルがあります。

オークラは東京オリンピック開催に合わせて開業しました。

古風な雰囲気もありますが、とても美しく、ファンタスティックです。

東京のロマンチックな夜景を楽しみたいなら、オークラがお勧めです。

タクシーは都心のどのホテルからでも使えますし、10分ほどで都心のどんなところでも連れて行ってくれます。

公共交通機関も非常に便利で質が高いです。

運賃は約2ドル(約160円)。

車内はとてもきれいで安全で、reliable(信頼できる)です。

ただ、Tokyoでは英語が通じにくい。

タクシードライバーや日本人の通行人が案内できるよう、

英語と日本語が併記してある地図を持ち歩くことが必須です。

タクシードライバーさえ英語はほぼ通じません。

地下鉄の日本人の乗客もほぼ英語はしゃべれないと言っていいでしょう。

ただ、ほとんどの地下鉄の駅で、案内表示はkanjiと英語が併記されています。

日本に滞在する際、外国人が必ず知っておかなければならないこと、それは、チップを渡してはいけない、ということです。

みなさんの記憶に残るようにもう一度言います。

チップは絶対に渡してはダメです。

理由としては、日本ではチップを渡すことはinsult(侮辱)とみなされるからです。

もし、日本で日本人にねぎらいの気持ちをこめてチップを渡そうとしても、

断られるはずです。

それはinsult(侮辱)として受け止められてしまいます。

感謝の意を表すつもりでチップを渡そうとしても、日本ではそれはその人をhumiliate(辱めを与える)することになってしまいます。

ただ、タクシードライバーだけは例外です。

ドライバーの運転や対応に感動し、感謝の意を表す意味でチップを渡すということだけはOKです。

また、支払い運賃が970円など中途半端な額で、紙幣を渡しても釣り銭額が少ないときは、

釣り銭をもらうのを断るというのもOKです。

日本人ならこのようなとき「いい、いい、いい、いい」と言い、足早に去っていきます。

しかし、この場合を除いては、決してチップを渡してはいけません。

日本のビジネス文化には、ある種の“myth(神話)”や、“aura(霊気)”があります。

1960年代や70年代のいわゆる精神主義的な日本人のイメージは、最近は変わってきています。

例えば、いかなる時でも、ネクタイは締めていないといけない、という風潮は近頃はなくなり、

夏の暑い時期にはノーネクタイが失礼ではなくなっています。

ただ、時間に正確でなければならない、という観念は根強く残っており、

日本のビジネスマンは約束時間の5分前には必ず来ています。

また、Business Card(名刺)の扱いについても気をつけなければなりません。

Business Card(名刺)を日本人のビジネスマンから受け取った際は、

まるでダイアモンドの指輪を扱うように丁寧にしまい、

また自分のBusiness Cardも丁寧に渡さなければなりません。

もらった相手の目の前でBusiness Cardを折り曲げたり裏返しにしては絶対にいけません。

そのような行為は、侮辱行為とみなされかねません。

しかし、この時間と名刺の儀礼さえきちんと守れば、

他の面は多少カジュアルでも許容される風潮が今の日本にはあります。

ただ、まだ一部の日本のビジネスマンはstiff(堅物)と言われる人もいます。

また、日本で会社社長やCEO等に面会する機会がある際は、

絶対に足を組まないようにしてください。

オバマ大統領は日本の首相と面会する際、足を組んで話をしていましたが、

ビジネスの場で、特に取締役等の人と話をする時にはこれはご法度です。

失礼すぎますし、西洋では当たり前のことだからいいや、という風にはなりません。

礼儀作法には気をつけるようにしましょう。

ただ、あまり過度になる必要はありません。

Tokyoに来る時期でベストシーズンは、夏以外です。

678月の東京はできれば避けたい。

この時期の東京は、世界でも最も暑く、brutal(残酷な)です。

8月の東京に比べれば、同時期のアフリカやウガンダのほうがましです。

日本のビジネスマンの特徴として、bow(お辞儀)が挙げられます。

これは初対面の人に敬意を表す意味を持つ大事な習慣です。

先述のオバマ氏も日本の天皇に謁見した際は深々とお辞儀をしていました。

外国人ビジネスマンとして、このお辞儀に対し、どう対応すればよいか。

もちろん、お辞儀し返すことが第一です。

このとき大事なのは、相手のお辞儀を真似るということです。

日本のお辞儀は多くの種類があり、また、それぞれのお辞儀には意味が込められています。

カジュアルな、あいさつ代わりのお辞儀もあれば、

エレベーター等で知らない人が開ボタンを押し続けて待っていてくれた時に軽い感謝の意味でするお辞儀もあります。

また、謝罪の時にもお辞儀をします。

このときには非常に深く頭を垂れます。

また、ホテル等に行った時にも従業員がお辞儀をしてきます。

これは、あなたのservant(使用人)ですよ、という意味を込めたお辞儀になります。

このようなときにはお辞儀をし返してはいけません。

ただの物まねピエロにように思われてしまいます。

ただ、基本的にはお辞儀をされたら返してください。

これは必ず日本のビジネスマンに好印象を与えます。

1日中必要な時に必ずお辞儀をしていれば、気に入られ、

日本語が喋れるただの外国人よりよっぽど厚遇されるはずです。

このようなことに気を付け、日本に来る前に簡単なお辞儀の練習をしておくとよいでしょう。

ただ、過度にならないことも大切です。

あらゆる場でいちいち深いお辞儀をしているのは、滑稽とみられてしまう恐れもあるからです。

日本のビジネスマンとの会議で重要なことは、

何も隠さずすべて話すということ。

日本の会社が外国の会社と契約を結んだりする際は、

非常に時間をかけ、強固な関係をまず結ぼうとします。

外国人にとっては、これは煩わしいと思えるかもしれませんが、

後々困った時に強力な助言者、また協力者となってくれます。

ですから、もし日本の会社との契約に煩わしさを感じた時は、

そこで諦めたりせず、

日本側の長い長い信頼関係の構築までのステップに辛抱強く付き合うことが大切です。

日本の会社には、“Real business gets done outside of the office(本心のビジネスはオフィスの外で)という信念がある。

つまり、仕事が終わった後、酒を酌み交わし、そこでオフィスでは話しにくいことも話そう、ということである。

ですから、仕事時間内のミーティングのほかに、仕事時間外の「非公式」なミーティングにも出なければ、日本のビジネスマンと信頼関係を築けないということです。

仕事が終わって仲間と夕飯を食べに行く。

そこでは必ずアルコールを飲み、昼間の堅苦しさが崩れ、

あらゆる心情を吐露してくれる。

アフター5の飲み会でのアルコールで、

心から分かり合えるという考え方が日本のビジネスマンの間で根強いのです。

このような場で、ビジネスの議論や交渉のことを持ち出すのがよいかもしれません。

日本は、フランスに似ているところがあります。

充実した生活を送り、美味しいものに舌鼓を打つという願望が強い。

日本には素晴らしい料理とアルコールの文化があります。

酒もビールもウィスキーも、質の高いものが非常に充実している。

我々日本以外の人間が日本に上陸すると、それは、世界でもっとも食文化の豊かな地に着いたということが言えます。

実際、Tokyoはミシュランで星を獲得した料理店が最も多い都市なのであり、

本場フランスを上回っているのです。

どこでランチやディナーを楽しむか、

これは全ての日本のビジネスマンが決断に悩むところなのです。

それほど、美味しいお店がたくさんあります。

多くの日本人は、外国人が日本料理を嫌いであると信じています。

それ故、海外のビジネスマンは、しばしば東京なのにイタリアンやフレンチのレストランで食事をしようと誘われます。

これは、例えば生魚は食べないという我々に対する気遣いなのでしょうが、

この考え方は、最近では違ってきています。

多くの海外からのビジネスマンは、この国独特の、洗練された日本料理、

特にsushiを食べたいと思って日本を訪れています。

ですから、日本のビジネスマンに食事に誘われた際は、

あなたの方から日本食が食べたいと主張してください。

Tokyoは、世界で最も安全な都市です。

犯罪などほとんど発生しません。

午前2時に若い女性が一人で歩いているような都市は、

他のどんな国にも見当たりません。

本当に安全な都市なのです。

ここは世界でも稀に見る洗練された都市です。

エキゾチックで、他の都市にはない魅力があり、神秘的で、近代的。

他のどんな都市より近代的と言っても過言ではないでしょう。

Tokyoの人々は高度のガジェットやテクノロジーの使用にも慣れています。

日本人は私があった人種の中でもっとも素晴らしい人々です。

彼らは運命を受け入れる民族であり、軽快であり、初めて会う人にはよそよそしくしてしまいますが、

いったん心が通じ合うと、他の国の人間には見られないほどフレンドリーになってくれます。

人との交流をとても大切にする人々です。

是非東ここTokyoで友人を作り、この世界でも最も素晴らしい国で過ごせる喜びを感じ、

ビジネスに励んでください。

※ここではTokyoは日本の首都であるので、日本という国そのものの意味もあります。東京のことだけを示しているのではありません。日本全体を示しています。英語では首都の名前でそのまま国名を表すことがしばしばあります。例えば、英語のニュースの中で、イギリスのことをロンドンと言ったり、アフガニスタンのことをカブールと言ったり、南アフリカのことをヨハネスブルクと言ったりします。

the Economist 106日 配信分より

この“Doing Business”シリーズはこれまでロシア・モスクワや、ブラジル・ブラジリア等での特集もありましたが、

これだけよく書かれているのは、Tokyoが初めてだと思います。

海外からの人にとって日本がこれほど魅力的だというのは、

なかなか私たち日本人も気付きにくいところであると思います。

震災の原発事故の影響があるのにこれだけ良くリポートしてくれるというのは、

本当に日本という国、そこの都市、そしてそこの人々が魅力的であるからでしょう。

ちなみに、私はチップを差し出されたなら、

侮辱などとは取らずに、素直に受け取りたいです。

もちろんチップを頂くに見合うサービスなど提供できる器はないのですが。