2008年10月29日水曜日

パレスチナの裁判官

POD CASTで聴くワールドニュース12回目。 

今回は中東パレスチナから、 
ある女性裁判官の話題。 


加CBC The World This Weekendから。 


'A Female Judge in Sharia Court' 


パレスチナ自治区で初の女性裁判官が生まれた。 
彼女はSharia Court(イスラム法を基にした法廷)で 
法の審判として働くこととなる。 
イスラム圏で、女性がこのような地位に就くことは、 
大変珍しいことで、彼女もこのことから困難に直面することも多い。 

パレスチナ・リマラのCBCの記者が取材をした。 

パレスチナ自治区で初の女性裁判官となった、ハルードさん。 
3児の母でもある彼女は、 
超難関である裁判官試験を、 
とびぬけた成績で合格した。 
イスラム圏で女性初の裁判官になれたことの喜びは、
彼女にとって言葉に言い表せられないほどであった。 

ハルードさん「これは、イスラム圏の女性にとっての勝利であると感じます。 
イスラムは、保守主義や過激主義であることで常に非難の的にあるからです。 
イスラムは保守派でも過激派でも人種差別主義でもないということを、 
世界に示すことができると思います」 

彼女が裁判官として働くのは、「ローテク」法廷。 
コンピュータはおろか、タイプライターもない。 
ここでは裁判官のあらゆる判決は手書きで記録される。 
しかし、こんなローテクなイスラム法廷でも 
もちろん多くの重要な裁判がおこなわれる。 
離婚や養育権など家族に関する事項の判決が下されるのは、 
この法廷でだけ。 
裁判官になる前の過去6年間、 
ハルードさんは、女性のための法律相談所で働いていて、 
女性やその子供たちの代表としてこの法廷に足を運ぶことが多かったという。 

弁護士のアラ・オバクリーさん(男性)は彼女についてこう話す。 
「ハルードさんは、パレスチナで最も優れた裁判官です。 
彼女は経験も豊富だし、家族問題に関することに長く携わってきました」 

この法廷の最高裁判官であるタミミさんはこう話す。 
「イスラム圏で女性が法曹の世界へと躍進し、 
裁判官としての地位を勝ちとったことは私にとっても非常にうれしいこと。 
女性は、法曹として男性より優れていると強く感じている。 
特に、この法廷で専門的に扱うのは、 
離婚や養育権など家族に関する問題。 
女性はこのような問題解決の際に有利であると思う」 

しかし、このように女性が裁判官として務めることが 
気に食わないという男性もここイスラム圏では多いという。 
この法廷に来ていたある男性は 
「法廷は男の仕事場だ。まぁ、私にはどうしようもないのだが」 
と述べる。 

ハルードさんが裁判官を務めるこの法廷もこのような動きを意識しており、 
女性がイスラム圏で裁判官として働くことのむずかしさを痛感しているという。 
ハルードさん「ここの法廷で働く人たちは、 
女性である私が裁判官として気持ちよく働けるよう、 
いつも協力してくれます。 
法廷は男の仕事場という意見を言う男性がいるということを、 
同僚はみな悲しく思っています」 

ハルードさんは、イスラム圏でもっと多くの女性が法曹界で活躍できるよう、 
体制を整えていくことにも貢献していきたいと話す。 


(CBC  The World This Weekend  October 25  配信分より) 


このパレスチナと領土問題で長く争っているのが、 
第一回でも話題にでてきたイスラエル。 
ユダヤ教徒が中心のこのイスラエルでは、
外相が女性であり、また、過去に女性首相が誕生したことがあるなど、 
主要な地位に女性がつきやすい国であり、
パレスチナの状況とは対照的です。 

タミミさんがインタヴューで話していたように、 
学生生活を通して、 
私も女性は男性より頭がいいといつも感じてきました。 
物理的な力より、インテリジェンスが重視されるこの時代、 
もっと女性の知的な能力を仕事などで生かせる仕組み作りが 
大切であると感じます。 

(ちなみに、CBCはCanadian Broadcasting Corporationの略で、
カナダの国営放送です)

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