2009年8月25日火曜日

Chinglish

今月2回目の投稿させていただきます!!
今回はエキスポを控える中国から、言葉の話題を。

英国BBC Global News から。


海外に旅行に行ったとき、
自分の国の言葉が間違ったように使わている案内標識などを見ると、
なんとなく微笑んでしまうもの。

しかし、中国でのこの事態は深刻で、
微笑むこともできないようです。

中国当局は、この事態の改善のため、動き出しました。
公共の場にある、‘poorly phrased English’(むちゃくちゃに訳された英語)の案内標識を、
修正するという作戦を開始しました。
来年開かれる世界博覧会に向け、
このようなChinglish(Chinese+English)をすべて修正できるのか。

上海でBBCのリポーターが取材した。

上海当局は、この地のイメージ向上に躍起である。
来年の世界博覧会に数百万人の来場者を予測しているからである。
上海の学生たちは、ボランティアで、上海の英語の案内標識をチェックしている。
その英語が正しくないと判断した際、
学生は上海当局に報告する。
そして当局の職員は、その標識を管轄する部に修正を要請するのである。

ここ上海では、いわゆるChinglishを至る所で発見できる。
こうなった原因は、英語を中国語に翻訳するソフトに不備があったせいであるといわれる。

しかしときに、このようなChinglishの中にも、
何とか苦しくも理解できるようなものもある。
一部を紹介しよう。

①あるデパートのエスカレーター付近で見つけた案内標識。
“Please bump your head carefully.”
(「どうぞご注意して頭をぶつけてください」。頭をぶつけないようご注意くださいと言いたかったのでしょうが・・・)

②わたくし(記者)のお気に入りのフレイズは、地下鉄の案内標識にありました。
“If you are atolen, call the police.”
(「誘拐されたら、警察を呼んで!」。物を盗まれたら警察を呼ぶようにと言いたかったのでしょうが・・・)
これは、上海の公安当局が掲示したものだとのこと。

(BBC Global News August 25 配信分より)

粗悪でお粗末な国、中国ならではの事象と言って良いのでしょうか。
このようなものを直そうと心がけているだけでもまぁましと言うべきところなのでしょう。
昔、日本人より中国人のほうが英語学習に向いていると言う話を聞いたこともありますが、
それもなんだか怪しいですね。

終わりです。

2009年8月18日火曜日

Cafe in France

お久しぶりです!!!
今回はフランスのカフェに関する話題です。

加奈陀 CBC The World This Weekend から。


フランスストリートの象徴とも言えるカフェが減少しているという。
1960年には20万軒あったカフェが、
50年後の今日、4万軒まで減ったという。
1日に2軒つぶれる計算だ。
フランスのカフェ文化が衰退してしまっているのか?
CBCの記者が取材した。

天気のいい昼下がりのシャンゼリゼ大通り。
このとおりのカフェはいつも人でいっぱい。
観光客がレモネードをすすったり、
ビジネスマンがランチを食べたいたり、
ただ座って静かに時間を過ごす人がいたり。

これはパリのカフェの情景。
パリから少し離れた、ルベレという町のあるカフェでは、
状況が異なる。
今このカフェにお客は2人しかいない。
ここは、フランス国内にの労働者層の多い地域に散発して見られる、
ワンルームカフェ。
このカフェのオーナーさんによると、
経営はこのところ非常に厳しいという。

オーナー「政府の禁煙対策や、
警察の飲酒運転取り締まり強化などで、
お客が減少している。
以前は、ランチの前にカクテルを頼むというお客が多かった。
しかし今はそんなお客はいない。
また、以前は1日にランチが40~50食ほど出ていたが、
今は10食出ればいいほうだ」

このような状況は、郊外のカフェでは珍しくないという。
昔からあるカフェは、店をたたまざるを得ない状況に追い込まれることも多い。

フランスカフェ連合のトップ、カジウェイさんは、
このような状況になっているのは、
必ずしも禁煙や飲酒運転取り締まり強化のせいだけではないと言う。
古いカフェのオーナーが、時代の変化に合わせた経営をしていないせいだと言う。
カジウェイさん「最近のカフェは、きれいでないといけない。
ドリンクも、ビールだけでなく、オレンジジュースやスムージーなどの
ノンアルコール系のものも充実させていなければ。
さらに、新聞やテレビがあるのも当たり前、
テレビではスポーツ観戦ができるような環境も望ましい。
お客を引き寄せるさまざまな要素を兼ね備えたカフェでないと生き残れない」

カジウェイさんは、さらに、サービスの質も問題であるという。
ごみひとつ落ちていない、掃除の行き届いた店内で、
笑顔で接客される。
このような、お客の求めるサービスを実践できている店だけが
売り上げを伸ばしているという。
昔からある古いテーブルやいすを使っているようなカフェ、
アルコール類しか提供しないようなカフェは、
対照的に危機に瀕することになるという。

カジウェイさん自身、8つのカフェを経営している。
今日はそのうち1番新しくできた店舗に出向き、
店長にいろいろ忠告をしている。
「アルコールと古い家具」という、
従来のイメージに縛られないカフェ作りが彼のモットーだ。

フランスのカフェには、もうひとつの「脅威」が存在する。
フェイスブックやトゥィッターといった、SNSだ。
SNSで多くの若者が'socialize'していると感じる。
カフェはかつての'socialize'の場であった。
それがSNSに取って代わられようとしている。

フランスカフェ・レストラン産業機構代表のクリスティンさんは、
次のように述べる。
クリスティン「カフェは、フランスの国家遺産の一部を伸しているといっても過言ではありません。
それは、社会的、文化的、さらに建築的な観点からも言えることです。
このような場所がいつか消えてしまうかもしれないというのは、
悲しいことです」

フランスの文学者、バルザックは、かつて、
'Cafe are the paeliament of the people'
と言った。
そして、現在もこの言葉は真実である。
政治団体は、よくカフェで公聴会を開く。
家族以外のさまざまな人と出会えるのも、
このカフェである。

しかし、今の状況が続けば、
フランスのカフェ文化が、relic(遺物)と化してしまう恐れもある。
そうなってしまえば、本当に悲しいことだ。

CBC The World This Weekend August 10 配信分より


何にしろ、その国の文化や伝統の衰退は、
悲しいことであると思います。
しかし、新しい波を受け入れないと生き残れないと言うのは事実で、
そこは大きなジレンマでしょう。

ちなみに本文に、
「ごみひとつ落ちていない、掃除の行き届いた店内で、
笑顔で接客される。
このような、お客の求めるサービスを実践できている店だけが
売り上げを伸ばしているという。」
という文がありましたが、
これは日本の喫茶店などでは、
ほぼ当たり前のことでしょう。

2年前にパリに行ったのですが、
いろんなお店の店員さん、
また、施設のスタッフなどは、
あまり愛想がよくなかったという印象があります。

やはり、おもてなしと言った面では、
日本はかなり優れていると言って良いようですね。

終わりです

2009年6月16日火曜日

Pod Castで聴く英国のニュース
51回目です。

今日午後7時半からNHKのクローズアップ現代という番組を見てしまいました。
内容は、日本的経営というものが見直されているというもの。

売上が前年比3割ほどになっても、
一切リストラはせず、
むしろ社員の給料を上げたという
名古屋のプラスチック製品製造会社。
あえて上場をしないことで、
株主からの目先の利益追求要求にとらわれず、
研究者に時間や予算の縛りなく、
自由な研究をさせ、
画期的な商品を次々と世に送り出してきた
岡山の食品・医薬品メーカー。

これらの会社の経営者は、
松下幸之助や、井深大といった、
昭和の日本の大経営者の哲学に深く影響を受けていたと
インタビューで答えておられました。
「急成長を目指すのではなく、
つぶれないために、ある程度の成長を目指す。
それが寿命の長い会社につながる」
「会社でなにより大事なのは、人。
それはもちろん、株主ではなく、従業員。
人を第一に考えることが、
会社の長期経営につながる」
このようなことを話しておられました。

バブル崩壊期には、
欧米発の実力主義・個人主義傾向が日本でも広まり、
多くの日本の会社にその考えが広まりました。
しかし、そういったものが果たして本当に正しいかと多くの人が感じるようになった今、
メディアさえも欧米型経営に疑問を投げかけ、
日本的経営を短所があることを認めながらも見直そうという番組を
ゴールデン時間帯に放送する。
「日本的やりかたへの回帰」という波がじわじわ大きくなっているのを感じ、
個人的にとてもうれしく思いました。

また前段でくそまじめな話で長くなってしまいました。。。
今回は、英国から癌に関するお話です。
放っておくと大変なことになりますよ!!!!
おー怖っ!!

英BBC Global Newsから。

‘Cancer in Britain’

イギリスでは、ガンで死ぬ可能性が男性が女性より4割高い。
初期段階でがんが発達する可能性は、
男性のほうが女性より16%高い。
イギリスでこんな研究結果が明らかになった。

この原因は、男性のほうが医者をあまり訪れたがらないということ、
さらに男性が健康的な生活をあまり送りたがらないということにあるという。

BBCの記者が詳しく取材した。

恐ろしい結果が出てしまった。
ある英国の研究機関によると、
英国で男性のほうが女性よりがんで死ぬ可能性がはるかに高いという。
この調査を行った一人、
国立ガン情報センターの医者のデーヴィットによると、
これにはいくつかの理由があるという。

デーヴィット「英国の男性は基本的に不健康な生活スタイルを好みます。
さらに、体に何か病気に兆候が出たと感じても、
これが本当に病気なのかということを、信じたがらない。
医者があれこれ忠告やアドヴァイスを与えても、
無駄になるということが多いのです」

WHO(世界保健機関)によると、
2030年までに、癌の発症率は、
世界レベルでみると、男女ともに45%増えると予測されている。
また、ある別の世界的権威のある医療研究機関は、
がんの発症のうち3分の1は、
肥満を防ぎ、喫煙をやめ、
適度な運動を続けるという生活習慣を送ることで
防げるという研究結果を2005年に出している。

英国の研究者は、
男性のほうが女性よりがんによる死亡率が高い
biological reasons(生物学的理由)はないと結論付けている。
生活習慣を変えることが、
男性を癌から守る有効な手段であるとうったえている。

(BBC Global News June 16 配信分より)

英国では男性のほうが会社づきあいなどで
酒やたばこの量が多く、
多忙で運動もあまりできないということになるのでしょうか。
残念ながら、日本でがん死亡率の男女比に関するリポートは
ありませんでしたが、
日本でも、男性に関しては同じようなことがいえるかも知れません。
健康的な生活習慣を送る運動を広めて、
多くの人が保険金にあまり頼らない生き方をできる国にしていけたらいいんじゃぁないかと思います。

2009年6月6日土曜日

cheating

Pod Castで聴く英国のニュース
50回目。
やっと50回到達です

今回は中国の大学受験のお話です。

英BBC Global Newsから。

‘Entrance Exam in China’

中国の全国6万を超える大学受験会場の教室には、
監視カメラが設置されている。
これは受験生の‘cheating(カンニング行為)’を防ぐためである。
これまで、一部の学生が、
受験時に超小型レシーバーなどのハイテク機械を使い、
カンニング行為を行ったとして、
捕まるというこ事態が多く発生しているためである。

BBCの記者が北京で詳しく取材した。

有名大学に入るというのは、
世界中どこでも大変なことである。
しかし、中国での受験競争は、特に過激なものである。
来週から中国で全国一斉の3日間にわたる共通大学受験が始まる。
受験者数は1000万人。
中国では、大学受験は‘life-changing event(人生を変える一大行事)’
とみなされている。
一部の受験生は、高得点をマークするために、
高度な‘cheating methods(カンニング技術)’を駆使する者がいる。
超小型レシーバーは当たり前。
受験する大学の学生グループと組み、
試験中に携帯電話を使ってやり取りするという
ツワモノまでいる。

中には、信じられないが、大学に事前にお願いし、
問題用紙を手に入れるという者もいるという。
この件に関しては、
事件にかかわった学生やその親、
教授ら8人が逮捕され、刑務所行きとなっている

このような過去の信じられないようなカンニング行為を受け、
今年から受験会場では、
金属探知機が設置され、
教室内には監視カメラが設置された。
また、無線通信を遮断するための
特殊なバリアを張るという措置もとられた。
問題用紙を作成する教授陣たちは、
外部との接触を一切禁じられるということさえも行われた。

これでもカンニング行為が行われたことが発覚すれば、
検察の権力が動くことになる。
つまり、カンニング者は、
強制連行されるということになる。

公平な試験を目指し、
中国当局は様々な努力を重ねている。

(BBC Global News June 5 配信分より)

中国は昔から「カンニング大国」であるという話を聞いたことあがあります。
古代の時代から、官僚採用試験として、
「科挙」というものが行われていました。
これは、分厚い本何冊分もの法令を丸暗記し、
試験でその丸暗記したものをただ書き写すという試験です。
カンニングペーパーを衣服の中に忍び込ませたり、
飲み込んで試験時に吐き出したり、
手のひらや爪に覚えられなかった部分を書いたりと、
先人たちも様々な手を使って、
この官僚採用試験でカンニングをしまくったとのことです。
今の時代でもこれだけあからさまなカンニング行為があるというのは、
中国のお家芸と言っていいのかも・・・
失礼で済みません

ちなみに、この科挙の話をしてくださったのは、
私が受験生の時に通っていた予備校の世界史の講師。
この講師はいつも「大学受験なんてたいしたことじゃないから」
と言っていました。
受験でどの大学に入るかも大事だけど、それよりも、
大学で何を学ぶか、
さらに、そこで一生研究し続けられるテーマをいかに見つけられるかが、
より大事であると言っていました。
このことを中国の受験生も理解すれば、
あんなカンニング行為も起こらないと思うのですが。。。


2009年5月27日水曜日

food cooperative

Pod Castで聴こう英国のニュース
第49回。


今回は、食料品に関する話題です。

英BBC Global Newsから。

‘Food Cooperative’

経済危機により、お金のやり繰りが一層難しくなる中、
ブルックリンの`food cooperative`が活況を得ている。
食料品店で、お客さんがタダ働きするというもの。
その代わり、そのお店の商品をとっても安く購入することができる。
数千人の人が、そのシステムに興味を持っているという。

BBCの記者がブルックリンで取材した。

私が今買い物に来ているこの食料品店は、
ただのスーパーマーケットではないんです。
あるおばさんがお客を迎えている。
「いらっしゃいませ。ごゆっくり見ていってくださいな」
このおばさんは、実はお店のスタッフではない。
‘food cooperative(フードクーペラティヴ)’なんです。
フーソクーペラティヴは、このお店で買い物をするには、
まずここで働かなくてはならないのです。

「私の名前はナオミ。
今日はお豆腐と卵を棚に並べる作業をしています。
私は大学で心理学を専攻する学生です」

「私はジェニファー。
私も棚に商品を並べる作業をしています。
職業は、カウンセラーです」

「私はマーニー。
ゴミをステーションに持っていったり、
床を清掃したりしています。
本職は、ファッションデザイナーです」

このスーパーでは、
カウンセラーや弁護士など、
さまざまな職業の人たちが、
棚に商品を並べたり、
床を清掃している姿を見かける。
彼らは、給与を得るためにこのように働いているのではない。
お店の商品を安く購入できるようにするためだ。
人件費分を彼らが肩代わりしている分、
店の商品を40%割り引いた値段で購入する権利が与えられる。
このフードクーペラティヴ制度を利用しようという人は、
ここ最近の経済情勢を反映するかのように増加を続けている。

「最近はレストランで外食しようという人が減り、
代わりにスーパーで買い物をして自分で作ろうという人が増えている。
そのぶん、このフードクーペラティヴがより注目を集めている。
今は、約1400人の人がこの制度に登録をしている。
昨年の同時期よりも10%増えた」
店長のジョン氏はこう話す。

フードクーペラティヴのメンバーは、
4週間のうち、
3時間働くだけでよい。
非常に手軽で、これが人気を加速させる一因だ。

経済情勢がこのままで続く限り、
フードクーペラティヴ制度は根強い人気を
保ちちづけるであろう。

(BBC Global News May 26 配信分より)

一見アメリカっぽいとも言えるし、
アメリカっぽくないとも言えるシステムだなぁと感じました。
しかし、この制度、あまりにも広まると、
スーパーで普通に働きたいという人から
雇用を奪うのではないかとの懸念は残りますが・・・

2009年5月21日木曜日

Pod Castで聴く加奈陀のニュースです 

48回目今回は、アイルランドのお馬さんの話題です。 
経済危機で、アイルランドのお馬さんたちも苦労されているようです。 


加CBC The World This Weekend から。 


'Horses in Ireland' 


アイルランドは、世界トップレベルのサラブレットと騎手を生み出してきた、 
伝統的な競馬産出国であった。 
しかし、昨年からの経済危機により、 
サラブレット養成の需要は減少してきている。 
そのような馬を持ちたいという富裕層の縮小によるものだという。 
強いサラブレットは多くいるが、 
お金がない、という、需給の逆転状態にある。 

あるサラブレット養成師は話す。 
「ただでさえ、レジャーへの支出を抑える傾向が強い。 
なのに、サラブレット馬を飼い、育て、さらに強くしてやろうという 
金銭的余裕のある人が減らないわけがない」 

アイルランドのサラブレットの売り上げは、 
昨年比で44%も下がった。 
これは、アイルランド国内のことだけではない。 
アイルランドで養成されたサラブレットは、 
世界中の富裕層に買われている。 
世界規模で、大幅に売り上げが減少しているということだ。 

最近では、アイルランド国内で、 
サラブレットを‘abandon(見捨てる)’することまで起きている。 
ダブリンのある馬屋で、今、2匹の雌の馬が倒れている。 
休んでいるのではない。 
栄養失調と直射日光の強い刺激で倒れたのだ。 
数時間前、この2匹は道端に倒れいた。 
誰かに飼われていた馬が‘abandon(見捨てる)’され、 
あてもなくさまよい、最終的にこうなってしまったのだ。 
今は獣医の到着を待っている状態である。 
馬屋の管理者は、 
このようなケースを2009年に入ってから何度も見てきたという。 
管理者「栄養失調になった馬が道端で倒れているのを見かけるのは、 
毎週のようにある。 
通常、このようなケースは、年に45件ほどであるが、 
今年はまだ5月なのに、すでに59件も発生しています。 
恐ろしい数です」 

馬にとって、このような状態で倒れてしまうというのは、 
「死」を意味する。 
このような馬は、 
‘shoot(射殺する)’するというのが最も慈悲的な対処方法とする馬屋の管理者もいる。 
ある馬屋での取材の最中にも、 
その場面に出くわしてしまった。 
銃声が鳴り響き、倒れていた一匹の馬が息を引き取った。 

「見捨てられる」馬の数が増えているのは、 
アイルランドの経済危機が直接の原因であると指摘する関係者は多い。 
実はサラブレットが売れないという問題は、氷山の一角にすぎないという。 
ここ10年、アイルランドは、 
馬と共に経済成長を遂げてきたようなものであった。 
首都ダブリン郊外の多くの若い男性や男の子が、 
騎手や馬の調教師になることにあこがれ、 
あらゆる種の馬を飼っていたのだ。 
しかし、馬を育てるのは、途方もない時間とお金がかかる。 
そのような困難を知らずに馬を飼う家庭が多かった。 
そこに、経済危機が直撃した。 
馬を育てる余裕がなく、見捨てるほかないという人が増えているのだ。 

ジョッキーや調教師になり、 
自分の馬が優勝するのを祝福する。 
そんな理想は、ここアイルランドでは過去のものなってしまった。 
今やここに勝ち馬はいない。 
全ての馬がlooser(負け)となってしまっう可能性がある。 

(CBCのThe World This Weekend 5月17日頃配信分のだと思います) 

日本でも、レース用の鳩が殺されて水路に捨てられるという 
事件が最近ありました。 
人間の経済の都合で、 
動物たちもいい迷惑を被っているものです。 
私たち人間も、動物たちに多いに依存して生きているという事実を知り、 
敬意を払うという姿勢をもたなあきませんよね。 

2009年5月3日日曜日

abduction

Pod Cast で聴く英国ニュース 
第47回目。 

明後日はこどもの日ということで、今回は、子供の話題。 
中国での深刻なお話です。 


英BBC News Pod から。 


‘Abduction in China’ 

毎年数千もの子供たちが消えうせるという中国。 
彼らは、誘拐され、人身売買に巻き込まれる。 
彼らのうち、運良く家族と再会できるのは、ほんの数例。 
中国当局は、DNAを使った一致システムによる対策を始めた。 
連れ去られ、救出されて保護された子供のDNA鑑定を行い、 
元の親と一致するかどうか調べ、 
子供を親元に戻す取り組みである。 
中国の多くの親たちが、 
子供の誘拐・人身売買を防ぐための対策をもっと徹底するよう、 
中国当局に要請している。 

中国での子供の誘拐・人身売買に関するドキュメンタリーを作成した、 
ケイト・ブルイットという映画監督がいる。 
BBCの記者が彼女にこのことについてインタビューを行った。 

ケイトさん:子供の誘拐・人身売買は世界中で起こっている問題です。 
しかし、中国では、いわゆる一人っ子政策のせいで、 
この問題が他の国・地域より一層深刻なのです。 
今でも中国では、古い考え方ですが、 
多くの人が男の子を持ちたいという傾向が強いのです。 
一人の子供しか持てないために、 
都心部では、女の子を産むことよりも、 
地方で誘拐されてきた男の子を「買う」ということを選択する傾向があるのです。 
しかも、このように男の子をさらって売買するということは、 
今中国で活況を帯びるビジネスになりつつあるのです。 

記者:では、誘拐されるのは、男の子だけということですか? 

ケイトさん:いいえ、女の子も誘拐されます。 
中国では若い男性の軍隊が非常に重要な役割を果たしてきています。 
彼らの多くが、パートナーを見つけることが難しい状況です。 
そこで、地方で誘拐された女の子が富裕層の多い都心部へ連れさられ、 
軍人のパートナーにさせられることもあるというのです。 
このように、約20年前に始まった一人っ子政策のせいで、 
子供の人身売買が非常に深刻な問題になっているのです。 

記者:警察は行方不明になった子供をどのように捜すのですか? 

ケイトさん:私たちがドキュメンタリーを作成している際、 
地方の村で、親たちが「私たちの子供はさらわれた」と紙いに書いて、 
高く掲げているという光景を何度か目にしました。 
警察は何をするかというと、そういった人たちを、なだめるだけなんです。 
中国政府も、このことをあまり公にしたがらないようなのです。 
子供の誘拐・人身売買が盛んなんてことが知れたら、 
国の威信・国際的評価が失墜してしまう。 
だから、子供の人身売買の正確な統計も公表しない。 
警察も国の人間ですから、捜査にあまり協力的でないということです。 

記者:子をさらわれた親たちはどうですか? 
その問題解決を公に訴えたりするのですか? 

ケイトさん:誘拐されるのは、地方の、非常に貧しい村の子供たちです。 
故に、親たちも子供たちを捜索するお金もない。 
自分たちの住む村を出るお金さえもない。 
周りにいる人たちに、子供を見つけてくれるよう、 
協力をお願いするぐらいしかできないのです。 
そして、残念ながら、子供に再会できる親は、ほんの一握りにすぎません。 

記者:子供に再会できた親に会ったことはあるのですか? 

ケイトさん:はい、あります。 
ある農村の家族ですが、息子さんが6歳の時に誘拐され、 
あらゆる手段を使って息子さんを捜したそうです。 
警察の助けは借りなかったそうですが。 
周りの人からお金を集め、北京行きの航空券を買い、 
誘拐された息子を捜すという行動が、 
北京でマスコミに取り上げられるようになって、 
様々な人々から協力を得ることができ、 
再会できたとのことです。 
誘拐された息子さんは、人身売買集団にさらわれた後、 
ある夫婦のもとに連れて来られ、 
「おとうさん」「おかあさん」と呼ぶことを強制されていたと言います。 
その状況から運良く助け出されたんです。 

(BBC News Pod May 2 配信分より) 


怖い話っすよね。 
鄧小平以来、改革・開放路線を進めてきた中国。 
何よりも経済発展を最重要課題としてきた故に、 
経済成長は目覚ましいものがありました。 
しかし、改革=改善と信じ続けてきてしまったことで、 
様々な弊害が出ているのは認めざるを得ないところでしょう。 
格差の問題、環境破壊、毎年増加する自殺者、そしてこの子供の誘拐・人身売買。。。 

数千年の歴史を誇る中国、 
欧米に歩調を合わせた経済発展にばかり目を向けるのではなく、 
今こそ長い歴史の中で積み上げてきた伝統や知恵にも目を向け、 
打開策を探るときではないかと個人的には思います。 
まぁそれは日本にも言えることなのかもしれないのですが。 

終わりです!!!!!!!!!!!!!!!!!!!