2012年9月30日日曜日

GHQの遺物-The Japan Times


9月27日のThe Japan Times 電子版のトップ記事。
昨日の自民党総裁選のこともあり、以下のような内容でした。
'The Liberal Democratic Party elects hawkish former Prime Minister Shinzo Abe as its new president, pinning its hopes on him to guide the party back into power.'
日本語にすると「自民党はhawkish(タカ派、好戦的な)である安倍晋三元首相を新総裁に選んだ。自民党の政権奪回を彼に託す決断をした」との意味です。
しかし、hawkishとはあまりに不適切な言葉。
安倍氏のこれまで行ってきたことをきちんと精査してみれば、かれが「好戦的」ではないことは明らかであるのに、まるで憎しみを込めるようにこのような言葉を使っているとしか思えない節があります。
その証拠に、海外の主要メディアは安倍晋三氏をhawkishと表現しているものはないのです。
例えば英the Financial timesは'nationalist-minded'(国のことを想った)、英the Guardianも'nationalist'、米Washington Postはただ単に'former prime minister'(元首相)、英BBCも'former prime minister、'米The New York Timesは'nationalist'。
日本以外の英語メディアはまともに報道しているようですが、the Japan Timesはきちんとした取材や情報精査を怠っているとしか考えられないのです。

(ちなみにnationalistというと、「危ない右翼の人間」と連想してしまう方が多いかもしれませんが、英語でnationalistというのは、「共通の文化や価値観のもとにまとまる国民、あるいはそのようなまとまりを持つ国民こそ大切だとみなす考え方」という意味です。「危ない右翼の人間」というのはstat ismという言葉が当てはまります。
憲法改正や集団的自衛権に反対する人々はナショナリズムは危険だと言いますが、正確にはこのようなときにはステイティズムは危険だ、と言うべきなのです。 )

また、以下の記事もトップとして扱われていました。
'Shinzo Abe's resurgence quickly raises concerns about the health problems that precipitated his abrupt departure from office in 2007, and his nationalist tendencies, which could exacerbate Japan's ties with China and other countries in Asia.'
日本語にすると「安倍氏の総裁への復帰は、平成19年に彼が突如首相を辞した際の原因であった健康問題について私たちに懸念をおこさせずにはいられない。また彼のナショナリストな感覚が中国とその他のアジアの国々との関係悪化につながるであろう」との意味です。
報道によりますと、彼が5年前に首相を辞する原因となった病は、特効薬ができたそうで、それにより健康問題はなくなったとのことです。このことは最近発売された「約束の日」にも記述があります。
しかし、この報道には一切触れず、また病によりすぐ辞任するのではないかという懸念の記事を書いている。
取材不足と事実精査不足がここにも表れています。
また、後半には中国その他のアジアの国々との関係悪化につながるであろうとなっていますが、中国との関係悪化はあっても、他のアジアの国々とはそうはならない。
なぜかというと、アジアのほとんどの国々は中国を嫌っているからです。
東南アジアの多くの国は中国と領土問題で争っています。
韓国でさえ中国と領土問題があり、中韓関係はよくないのです。
ここでも取材不足と事実精査不足が見られます。
というか、知っていてあえてこのように書いた疑いもありますが。

Japan Times は歴史が古く、明治30年の創刊です。
当時は、諸外国に日本への誤ったイメージをただす役割を果たしていたといいますが、戦後はGHQの犬となり、
占領軍の都合のいい記事ばかりを載せ、その流れが今につながっているそうです。
モットーは「ALL THE NEWS WITHOUT FEAR OR FAVOR(厳正公正な報道)」であり、毎号、題字の上に印刷されているそうですが、
このモットーからかけ離れた、取材不足・事実精査不足の偏向メディアに成り下がったというのが今の状態と言ってしまってよいでしょう。

0 件のコメント: