2008年12月1日月曜日

ミニバン輸送サービス

PodCastで聴くワールドニュース第22回。 

インドで発生した同時多発テロ。 
相変わらず英米加のニュースはこの事件を中心に放送しています。 
BRICsの一つとしての成長に陰りの見えかかったインドに更なる混乱を招くことは必死です。 

ちなみに、アフリカにも、インド以上に政治的混乱が見られる国が。 
ジンバブエです。 

このジンバブエと南アフリカを結ぶある輸送ビジネスが注目されているとのことです。 

というわけで、今回は南アフリカから。 


英BBC Business Dairyより。 


政治及び経済的危機にあるジンバブエ。 
最近のコレラの蔓延がこの国を更に追い込む。 
インフレ率は230millionパーセント(2億3千万パーセント)。 
50万ジンバブエドルは、アメリカドルにしてわずか30セント。 
この札束いっぱいの50万ジンバブエドルのお金で 
パン1斤の半分も買えない。 
政治では、与党と第一野党との対立が長く続き、 
安定政府の成立する見込みもない状態。 
現大統領であるロバート・ムガベに対する国民の不信感は強い。 
大統領・与党への孤立政策を訴える政治家も国内にいるほど。 
しかし、孤立政策は、他国に住む親族からの 
金銭援助や食料・薬品等の供給路を経つことも意味する。 
これらの援助の多くは、南アフリカからやってくるといい、 
南アフリカからジンバブエへ物資を送るビジネスが活況だという。 

BBCの記者が南アフリカの首都ヨハネスブルクで取材をした。 

ここは、南アフリカの首都、 
ヨハネスブルクのある「パークステーション」。 
ジンバブエからの出稼ぎ労働者を乗せたバスが次々と到着する。 
しかし、そこから少し離れた箇所に、 
もう一つの重要な「パークステーション」がある。 
ジンバブエからの出稼ぎ労働者が、 
故郷の家族へ物資を送るのを請け負う車がたくさん停まっているのだ。 
約20台ほどのミニバンが、 
「ジンバブエ行き」の看板を出して利用者を待っている。 
何台かのミニバンは、 
すでに食料や石油や電化製品の入った段ボール箱がいっぱいに積まれている。 

ジンバブエでは危機的状況が日増しに深刻になっている。 
南アフリカで働くジンバブエからの出稼ぎ労働者が 
故郷へ物資を送る唯一の確実の方法が、 
このミニバン輸送なのだ。 

一人のミニバンドライバーにインタビューしてみた。 

ドライバー「ジンバブエは危ない状況。 
出稼ぎ労働者はそう頻繁にジンバブエへ帰ることはできない。 
物資を送るために私のやってるような 
ミニバン輸送を使うジンバブエ人は増えている」 

記者「このミニバン輸送の仕事をどこで知ったのですか?」 

ドライバー「求人広告で見つけたんだよ」 


この「ミニバン輸送」サービスは決して安くない。 
小さな段ボール一個を輸送するだけでも$50(約五千円)かかる。 
ミニバン輸送のドライバーは、現金の「輸送」も請け負う。 
ジンバブエでは、銀行を使った送金が農村部では不可能だからだ。 

この「ミニバン輸送」サービスを二年間使っている 
ある塗装工の26歳の男性に話を伺った。 

男性「毎月家族に会いにジンバブエへ帰ることは難しい。 
ミニバン輸送は便利なサービスだ」 

記者「故郷ジンバブエであなたの家族は 
どんな暮らしをしているんですか?」 

男性「暮らしは大変だ。 
まず、お金がない。 
お金があっても、今度は何も売ってない」 

記者「ミニバン輸送サービスがなければ、 
故郷の家族は生きていけないですね…」 

男性「正直最初はこのミニバン輸送サービスは信用できませんでした。 
本当に家族に物資や現金を届けてくれるのか不安でした。 
ただ、故郷の家族はきちんと受けとってるということが分かり、 
安心して使っています」 

今も多くのジンバブエ行きのミニバンが「パークステーション」に列をなす。 

ジンバブエでの危機的状況が改善されない限り、 
この車の列はずっと続くことであろう。 


(BBC Business Dairy November 28th 配信分より) 


与党と野党との対立がなかなか解消されないジンバブエ。 
今年の6月頃は、イギリスのニュースでこのジンバブエの危機が毎日のように放送されていました。 

一方、南アフリカはアフリカ大陸で最も経済・産業発展が進んでいる国の一つ。 
BRICsの次にくると言われる経済新興国群、いわゆる‘VISTA’にも南アフリカは入っています(Vietnam、Indonesia、SouthAfrica、Turkey、Argentine)。 
再来年にはワールドカップも開催されることもあり、建設ラッシュにも沸くこの国は、 
出稼ぎにはもってこいの国なのかもしれません。 

ただ、やはり出稼ぎ労働などしなくてもいいように、 
ジンバブエに政治の安定が早期に訪れるのを期待したいものです。 
ちなみに、アフリカ人の英語は非常に聞き取りにくかった… 

今回は時間がかかりました。。。 
ちなみに、 
ロシア人やイタリア人の話す英語も 
癖があって非常に聞き取りにくいです。 

ただ、様々な国の人が訛りはあっても英語を話すのを聴くと、 
英語は本当にGlobal Languageなんだなと実感させられます。 

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