2008年12月11日木曜日

こだわりトイレット

POD CASTで聴いたワールドニュース第25回。 


突然ですが、あなたにとってトイレはどんな存在ですか? 
普段何気なく使っているトイレですが、 
海外の目には、 
日本のトイレ、さらに日本国民のトイレに対するこだわりは、 
他に類をみないほどものすごいものであると 
映っているようです。 

イギリスのBBCのPOD CASTのニュースで、 
日本のトイレに関するリポートがありましたので、 
紹介させていただきます。 

海外から日本の文化や考え方がどのように 
見られているかもわかるリポートであると思います。 
少し長いですが・・・ 


英BBC From Our Own Correspondent より 


'A Sophisticated Set Of Luxury Opportunity' 


日本人にとってトイレとは特別な存在。 
彼らにとって、トイレは時に優雅な落ち着きの時間を与えてくれる空間(?!)。 

東京は、世界で最も清潔な都市のひとつ。 
ここではトイレで用をたすということは、 
時に格式高い儀式になる(?!)。 

BBCの記者が東京で取材をした。 

日本人ほど、トイレにこだわり持つ民族はいない。 
温かくなる便座付きのトイレ、ビデつきのトイレ、 
様々なパターンで温水を放出するウォシュレット機能つきのトイレ。 
このような多くのハイテク機能を持ったトイレが 
オフィスビルやデパート、家庭にあるのが当たり前になっている。 

最近、ある多忙なサラリーマンの書いた俳句に似たポエムが多くの人々の心を捕らえた。 
(いわゆる「サラリーマン川柳」のことと思われます) 
'The Only Warm In My Life Is The Toilet Seat' 
(「人生で/温かいのは/便座だけ」といったところでしょうか) 

しかし、日本のトイレは、使用者に「温かい」だけではない。 
驚くようなハイテク機能を備えたトイレがある。 

日本のリーディングカンパニーの一つ、パナソニック。 
BBCの東京支部ビルの近くにある、 
パナソニックの東京ショールームを訪れた。 
航空機のキャビンアテンダントのような衣装に身を包んだ若い女性社員が 
最新機能を持つトイレ製品を案内してくれた。 

人が近づくと、蓋が自動で開く。 
さらに、近付いた人の性別を自動で判断し、 
男性であれば、便座も自動で上がる(!)。 
さらに驚くのは、このトイレに内蔵されているスピーカー。 
便座近くのタッチパネルを操作すると、 
ヒーリング効果のあるようなクラッシック音楽が流れ出す。 
まるで春のうららかな日に小鳥のさえずりを聞きながら、 
トイレで過ごすよう。 

パナソニックのパブリックリレーション部のイシイキョウコさんによると、 
このような多機能のトイレを購入するのは、 
年配の女性が多いという。 
高齢化が進む日本で、 
このような「ハイテク」トイレは、成長の見込める分野であるという。 
イシイさんはさらに、便利さや清潔さを強調することも重要と付け加えた。 
ちなみに、このハイテクトイレは、工事費込みで約30万円。 

日本のトイレに関して、もう一つ驚くことは、 
外国人ではなく、日本人の女性がホテルでトイレの清掃をしていることである。 
先進国では、通常、トイレ掃除のような仕事は、移民が行う。 
しかし、外国人労働者が少ないここ日本。 
移民は全人口のほんの1.5%ほどしかいない。 
ただ、移民が少ないから女性でさえトイレ掃除をせざるを得ないというのは、 
本当の理由ではない。 
日本人にとって、清掃とは、見下されるような、恥ずべき仕事ではない。 
日本では小学生は、放課後に学校内の清掃をし、 
校庭のゴミ拾いをしてから帰宅する。 
タクシードライバーは、勤務後に必ず自分の車を洗ってから帰る。 
レストランでは、食事の前に必ず手を清めるためのお手拭きを出す。 

先日、大阪のある小さな会社を訪ねた。 
社長の杉本氏は、景気後退の波を意識し、 
従業員により一層精を出して働くようせっぱをかけていた。 
社長は営業用に使うプレゼンのスライドを私に見せてくれた。 
その中にあったある1枚の写真が私の心をひきつけた。 
従業員たちが、ひざまづき、便器を清掃している写真である。 
杉本氏は、みんなで清掃するということが、 
従業員の一体感を強めるのに必要だと言う。 

多くの日本人にとって、トイレは、癒しであり、友人であり、 
また、しつけや精神的昇華に必要な存在なのである。 
これだけトイレへのこだわりを持つ民族もなかなか見られないだろう。 


(BBC From Our Own Correspondent November 29 配信分より) 


たしかに、日本のトイレというのは、 
他国のトイレに比べ非常に優れていると思います。 
上記のパナソニック製のトイレは、 
聴いてて正直「本当にこんなトイレあるのか?」 
と思ってしまいました。 
利用者の使いやすさを追求して、とことんこだわる。 
利用者を思いやると言う、日本人の持つ「おもてなし精神」が 
トイレ作りにもあるのでしょう。 
アメリカやイタリアやフランスや中国などに行ったことがありますが、 
トイレといえば、どこも殺風景。 
イタリアでは、公共トイレは有料でしたが、 
日本ほどきれいというわけではありませんでした。 
中国のトイレは…あえて書かないでおきます。 

女性がトイレ掃除をしているのに驚いたと言う箇所は、 
少し意外でした。 
日本では、掃除といえば、躾の面が大きくあると思います。 
自分の部屋や家だけでない、 
みんなが使う公共のスペースをきれにすることの重要さを知ることを通し、 
他人への気遣いや思いやりの持てる人間へ精神的に成長する。 
学校での放課後清掃というのは、このような狙いがあるのではと思います。 
他の国にはないこの掃除-躾の文化。 
大事にしていかなければならないと思います。 

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