2008年12月23日火曜日

スリランカと星占い

pod castで聴くワールドニュース 第28回。 


今日のBBCのPodCastで、 
トヨタの業績赤字がトップニュースで放送されていました。 
『昨年度は最高益をあげた'Mighty TOYOTA(完全無欠のトヨタ)'が 
戦後初の赤字に陥る。 
急激な円高の影響で、他の輸出に頼る日本企業も危ない。 
日銀が政策金利を0.1パーセントに下げたが、 
効果は限定的だ』 
とキャスターが話していました。 

非正規労働者の解雇や、 
彼らの多くが住んでいた会社の寮を追い出され、 
住む場もない人も出てきているという内容のリポートもありました。 

日本の代表企業であるトヨタの業績悪化が、 
日本経済の後退入りを示しているとの印象を、 
他国にも与えてしまっているようです。 

暗い話から始まりましたが、 
気にせず行きましょう~ 

今回は、スリランカから、占星術の話題です。 


'Horoscope in Sri Lanka' 


天の星によって結婚相手が決まる・・・ 
あなたならこんな制度どう思いますか? 
占星術が強く信じられている国、スリランカ。 
インドの東側にある島国。 
ここでは、「星が決めた結婚」が普通に執り行われる。 
どんな会社に転職するかも、いつ外出すれば安心かということも、 
星占い次第で決めてしまう。 
政治家までが星占いに頼っている。 
いったいどういうことなのか? 

BBCの記者がスリランカで取材した。 

私はある結婚式に招待され、今式場に来ている。 
新郎・新婦が、伝統的な儀式の音楽の演奏の中、 
ヒンドゥー教の神の装飾に彩られた 
ステージのイスに座っている。 
ヒンドゥー教の祈祷師たちが、 
彼らを祝福する儀式を行っている。 

実は彼らはの結婚は、お見合い結婚(arranged marriage)である。 
占星術がこの結婚の決め手となった。 
新郎のジェン・ルービンさんと、新婦のウーマ・ランジェニーさんが 
お互いにふさわしい相手であると、「星」が決めたのである。 

新郎さんにインタビューしてみた。 
記者「星占いによってパートナーが決められたことについてどう思いますか?」 
新郎ジェンさん「今回の結婚は星占いによると 
85パーセントの確率でうまくいくと出た。 
お互いにうれしいし、実際うまくやっていけると思う」 
記者「星占いが当たっていなければ、 
つまり奥さんとうまくやっていけないということになれば、 
どうしますか?」 
新郎ジェンさん「また別の女性を探します(!)」 

私はある占星術師のもとにやってきた。 
彼は伝統的な衣装に身を包み、 
金のネックレスを首にかけ、 
ダイヤのついたイアリングをしている。 

ある家族がこの占星術師のもとを訪れていた。 
息子が結婚を予定しているのだそう。 
占星術師は、この家族の生まれた星の位置を調べた上で、 
息子と嫁候補の女性と、性格や体質、 
気質などが合うかどうか検討し始めた。 

詳しく話を伺った。 
占星術師「80パーセントの確率で、 
お互いに良きパートナーとなれるでしょう」 
記者「星占いで良い結果が出たと言うことですか?」 
占星術師「80パーセントというのは、とても良い結果です」 
記者「息子さん、この結果どう思いますか?」 
結婚予定の息子「うれしい結果です」 

ここに、ある人の占星術の表がある。 
表紙には、ヒンドゥー教の神の絵が描かれており、 
中には、その人の健康状態、生まれた日時などの記録がある。 
このような占星術の表は、 
生まれたときから記録票のようなものとして作られ、 
ずっと持っているのだという。 
そして、星占いをする際に、 
占星術師に見せる「人生の記録の資料」として使うのだという。 

また、結婚以外にも、人々は占星術に頼る。 
新たに仕事を始めようとする人は、 
いつから始めるのが適切か、助言を占星術師に請い、 
それに従う。 

政治家も例外ではない。 
彼らは、選挙をいつにするかということや、 
どのタイミングで家を出れば、 
選挙で良い結果が出るかなどということを 
占星術師に占ってもらうのだという。 

ここで再び冒頭の新郎ジェンさんと新婦ウーマさんの 
結婚式の場面に戻ります。 
彼らは、結婚がうまくいくよう、祈りをささげている最中です。 
彼らは、お互いのことをよく知りません。 
占星術によって知り合っただけの関係だからです。 
しかし、ジェンさんもウーマさんも、 
占星術のおかげで、 
幸せな結婚生活をずっと送れると確信しているのです。

彼らが本当に良き結婚生活を送れるかどうかは、 
まさに「星のみぞ知る」ですが・・・ 


(BBC Global News December 23 配信分より) 


民主国家に住む我々にとって、 
占星術に全てを頼るというのは、 
なかなか考えにくい話ですが。 

ただ、日本にも、いわゆる「占いやさん」は多くありますし、 
それで生計を立てる人がまだたくさんいるということは、 
占いが今の時代でも受け入れられているということなのでしょう。 
やはりある程度宗教的感性、魔術的感性に頼りたいという気持ちが、 
古代・中世・近世に生きた我々の先祖同様、 
現代に住むわたしたちにもにも残っているということなのでしょう。 

かつての中国の皇帝は時に占いによって政治を行っていたといいますし。 

それにしても、上記の新郎さん、ジェンさんは 
「占いが外れたら別の女性を探す」と言ってましたが・・・ 
新婦さんのほうはこの発言を聴いていたのでしょうか? 
スリランカ男性は軽いなーと思ってしまいました。。。 

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