2008年11月15日土曜日

海と二酸化炭素

POD CASTで聴くワールドニュース第17回。


二酸化炭素などの温室効果ガスが地球にどんな影響を与えているか。 
温暖化だけではないらしいんです。 


米ABC World Newsより 



'Ocean Acidification' 

人間の生産活動により排出される大量の二酸化炭素。 
これが地球温暖化だけでなく、 
もう一つの深刻な問題を引き起こすことが分かってきた。 
海の「性質」を変えてしまうというのである。 
その影響は、すでに海にすむ微生物などに出ているという。 

ABC記者のワシントンからの報告。 

二酸化炭素が地球温暖化につながるということは多くの人が知っている。 
しかし、その排出される二酸化炭素のうち30%は 
海の水に吸収されるということを知っている人はそう多くはないだろう。 
そしてその二酸化炭素が海の水をacidic(酸性)に変えてしまっているのである。 

これは海に棲むすべての生き物にとってバッドニュースである。 

たとえば、サンゴ礁。 
海洋中の二酸化炭素の増加は、 
サンゴにとって破滅的な結果を招くことになる。 
海中の二酸化炭素の量が350ppmであれば、 
サンゴは生きられる。 
しかし、その数値は、現在すでに380を超え、 
さらに上昇し続けている。 
450ppm以上となると、サンゴは絶滅すると言われる。 

海に棲む約3分の1の生き物が、 
その生命をサンゴに頼っていると言われる。 
さらに、もし全滅してしまうと、 
医薬品の研究にも支障が出るという。 

ある研究者は言う。 
「サンゴは、医薬品開発のカギとなる成分を提供してくれる貴重な存在。 
サンゴの死滅は、 
病気の患者を苦しみから解放し、 
不治の病を治す可能性を我々が失ってしまうことを意味する」 

専門家たちは、温室効果ガスの排出を今後減少させることで、 
この海洋の危機をまだ回避できる可能性はあると話す。 
陸上で我々が大きな改革を進めない限り、 
海中のこの危機を回避することはできない。 


(ABC World News November 14 配信分より) 


日本でも環境問題に関するニュースはよく放送されますが、 
欧米では、環境関連ニュースはほんとに多いです。 
毎日必ずなんらかの英米加のPOD CASTの放送で環境に関する話題を聴きます。 
彼らのほうが環境問題をより深刻にとらえているということなのでしょうか。 

ちなみに、日本は京都議定書に批准したことにより、 
2008年から2012年の五年間で、 
1990年比でCO2排出量を6%減らす義務を負っていますが、 
今のところ達成はかなり難しいと言われています。 
さらに、9月のリーマンショックで加速してしまった金融危機の影響で、 
CO2排出削減に資金を投入する余裕がなくなり、 
削減目標達成は更に困難になるだろうと予測する専門家もいます。 

金融危機の解決も大事ですが、 
環境問題解決はもっと重要でしょう。 
これが他の生き物を滅ぼし、地球を滅ぼし、 
さらに最終的にわれわれ自身を滅ぼすことになるのは、 
誰もわかっていることなのですから・・・ 


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