英国 Financial Times
平成24年7月23日ぶんより。
'Chinese nationalists eye Okinawa'
多くの関係者にとって、東シナ海の遠く離れた無人島をめぐる日本とシナの紛争は、頭の痛い問題だ。
しかし、シナで影響力のあるナショナリスト(国家主義者)が無理やりすれば、
日本の尖閣諸島をめぐるこれまでの紛争は、より重要なarchipelago(諸島)に広げることになりうる。
今月初め、シナの政府機関新聞、グローバルタイムスが、こんな怒りに燃えた社説を掲載した。
「シナ政府は、沖縄が日本に属することに異議を申し立てるべきだ」
沖縄は人口約140万人、米軍基地のある諸島である。
更にグローバルタイムスはこう続ける。
「日本の領土に関する相互理解の方針に、シナ政府はいちいち従わなくてもいいはずだ」
シナ軍の陸軍大将であるJin Yinanはもっと過激である。
彼は政府関係のラジオ番組でこのような発言をした。
「シナ政府が日本と尖閣のみで争っているというのは、まだ範囲がは狭すぎる。
日本に琉球の領有権に関して異議申し立てをすべきだ」
琉球という言い方は、沖縄からもっと先の領域を指すことになる。
シナの安保専門家であるTaylor Fravelは、
「琉球の領有権をシナが主張することは、過去との決別となる。
シナ政府は、定まった国境を気にして、領土に関する主張を制限しがちだったからだ」
シナのこのような主張は、沖縄のルーツに基づいている。
15世紀、琉球王国は独立した国であり、その諸島を統治していた。
琉球国王は、当時シナに朝貢しており、これにより、シナとlucrative(儲かる)貿易ができていた。
そしてこの朝貢の習慣は、1609年日本の薩摩藩の侵攻を受けて以降も続いた。
沖縄として正式に日本の一部となったのは、1879年である。
沖縄が日本の領土であるということで、シナは海軍を必要な範囲に配置することができない。
沖縄はシナにとっても非常に戦略的に重要な諸島であり、
それゆえにこの理由だけで沖縄が日本の領土であるというのは不当だと主張している。
Tang Chunfengは、日本の中国大使館の元高官であるが、彼もシナ政府に沖縄の領有権を主張することを促す一人である。
「日本で仕事をしていた時は、こんな歴史を知らなかった」
彼は今は商業省で日本分析家として働く。
しかしこのような動きは、外交上の紛争の火種となりうる。
「過去の朝貢が20世紀の領土・領有の土台になるというのなら、多くの人が困惑する。
過去に多くの国々がシナと朝貢関係にあったからだ」
こう話すのは、マイアミ大学の日本とシナの専門家、Teufel Dreyer氏だ。
シナのタカ派の中には、沖縄諸島が独立国であるべきだと言及するが、
沖縄がシナに属するべきだとまでは言わない者もいる。
そのような発言は、尖閣へのシナによる領有の主張を否定し続けることのコストを
日本に対してはっきりさせてしまうことになるからだ。
また、シナ国際大のZhou Yongsheng氏はそのような戦略に異議を唱える。
彼は言う。
「尖閣のことで琉球の独立を利用することは、日本とシナの基本関係を破壊しかねない。
military action(軍事行動)へと発展する恐れもある」
シナ共産党も沖縄県民の独立を期待できる状態ではない。
永田町の方針や、米軍基地に不快感を持つ者もいるが、
独立へと県民が一致しているかといえば決してそんなことはない。
平成18年の知事選で、独立志向の候補だった屋良 朝助は、たった6,220票しか獲得できなかった。
(その他二人の候補はともに30万票以上獲得した)
シナ共産党の日本に対するこのような姿勢は、
独立を訴えるチベットやウイグル、モンゴリアンへの弾圧・圧制を想起させる。
琉球大学のマツシマヤスカツ教授は、沖縄は独立すべきと主張する一人であるが、
このような主張は民主国家である日本だからできる、シナでチベット人がこのようなことを言えば、
すぐ殺されてしまうだろうと話す。
シナが沖縄の自立を支援するのは「おかしい」し、やはりシナは島民の少数派には自立を促すようなことはしてこなかった、とも話す。
「シナが沖縄の独立を支援するというときは、そのバックグラウンドを見極めなければならない。
琉球の独立がシナの戦略の道具として使われることはあってはならない」
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