2012年5月30日水曜日

シナ


Pod Castで聴く世界のニュース

英国BBC Global Newsから

'the truth of China's economy'

ここ20年以上にわたり、シナの経済発展は著しかった。
特に安価な労働力により、大量の商品を生産できる国となった。
シナを世界の工場と称し、米国と肩を並べる超大国になると予想した評論家もいたほどだ。
しかし、この予測は、すでに時代遅れと言わざるを得ない。

BBCの記者が上海にて変わりつつあるシナの現実を取材した。

かつて、シナといえば軍隊の行進が名物で、経済政策については共産党一党独裁によって縛られているとのイメージがあった。
しかしそれは戦後数十年のこと。
今の大方のシナに対する固定観念は、新たな段階へと進む経済大国というものである。
安価な労働力によって支えられた、世界の工場というイメージである。
しかし、状況はまた変わりつつある。
ここ上海ではそれは明らかである。
街を見ただけでもそれは分かる。
高層ビルが立ち並び、高級車が通りをいくらでも走ってて、高級品を売るショップが次々と現れる。
これらからわかる通り、ここの労働者の賃金も、上り一辺倒である。
「古き日のシナ」の光景を見ることもまだかろうじて可能である。
「荷物引き」の労働者が良い例だろう。
三輪車に荷物を山ほど載せて人力で引いていく。
しかし、彼らにも「新たな現実」が影を落とす。
賃金の上昇で、荷物引きをする人も少なくなっているのだ。
荷物引きの仕事は月給600ドル(約48000円)。
5年前の2倍の水準になっている。

シナは今でも多くの製品を製造し、輸出している。
しかし、賃金の上昇で、競争力は落ち、海外からの企業も、
シナからより賃金の安いヴェトナムやカンボディアなどへ移りつつある。
一部の専門家の予測では、賃金上昇により、2015年までに品の生産競争力は格段に落ち、
そのころには米国で製造するのと同じくらいのコストがかかるようになるという。
その対処策として、輸出ばかりに頼るのよやめ、内需を増やすという方法がある。
例えば、starbucks。
今や上海のどの通りにもある。
ダイさんは月給1500ドル(約12万円)。
彼女はstarbucksの常連である。
ダイ「午後のひと時をスタバで過ごし、ゆっくり落ち着きたいの」
彼女は給料の10分の1をスタバのコーヒーに費やす。
ここにスタバの戦略があり、彼女ははまってしまっている。
賃金の上昇により生活に余裕のあるシナ人にお金を使わせ、
「必需品」から「余裕品」へと消費をシフトさせる。
スタバはシナのそんな消費者層に商品を提供していく戦略だ。
スタバは今後3年で1000店の店舗設置を目指している。

人口統計学上の変化もある。
いわゆる悪名高いone-child policy(一人っ子政策)の影響で、
壮年層が多く、若者が少ない。
一人っ子で甘やかされて大きくなった子が、より高い給料を望み、
それによりよりいい、便利な生活をしたがるという傾向が出てくる。

政治的にも経済的にも人口統計学的にも変化してきているシナ。
その変化は他の国に人間が感じているより早くて複雑なようだ。

(Global News 5月28日配信分より。)

シナの賃金上昇はここ1~2年ほど言われてきたところ。
リポートにもあった通り、多くの海外企業がシナから東南アジアの国々に工場などを移しています。
また、不動産バブルも気になるところ。
共産党幹部がバブルを抑えるため、あれやこれややっているようです。
そして何より、政治が危ない。
今年胡錦濤から習近平にリーダーが交代(後退?)しますが、
彼の求心力に疑問符がついているのが現実。
他にも政治汚職、資料改ざん、チベット弾圧、ウィグル弾圧、
ダルフール紛争関与の責任等、様々な問題がのしかかるこのカスのような国。
あと数年で悪い意味での大きな転換点を迎え

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