シナウェイ
英 the Economist から。
“less express ~ What the country needs is a more efficient network, not faster trains”
シナの鉄道好きがまた熱を帯びているようだ。
昨年のおぞましい高速鉄道脱線転覆事故や過度のコスト無視の経営にもかかわらず、
鉄道関係幹部らは高速鉄道ネットワークの更なる延伸を目指している。
更なる高速化を求め、シナの最大手鉄道車両メーカーは、
時速500km/hの車両を開発したという。
高速鉄道車両は魅力的だ。
政治家たちは自国の高速鉄道車両を見せびらかしたがる。
しかしもっと多くのシナの人々がよりリーズラブルナ価格で行きたいところへ行けるようになるには、
このような高速への投資よりもっと地味な3つのことに注力していかねばならないだろう。
政府独占保有の鉄道会社、シナレールはこの3つ全てを欠いている。
1つ目は安全である。
昨年7月の高速鉄道事故では40人が犠牲となった。
鉄道関係幹部らは証拠隠滅に躍起になったが、
それがかえってシナ国内のネット上で国民から反感を食らう数えきれない書き込みを誘発することとなった。
政府びいきのメディアでさ1982え、“development had become stained with blood(技術の発展が血で汚された)”、と報じた。
この事故の結果、シナ政府は人的ミスや自国技術システムの不備等を認め、
50人の鉄道関係幹部の処分を決定したが、まだまだ徹底的な改革が必要であろう。
2つめが、ないがしろにされてきたIT技術だ。
シナレールの新たなオンラインチケット販売システムが稼働するや否や、
混乱が起きた。
シナの新年休暇に当たるこの時期、
チケットに対する需要は想定通りの28億人ぶんであったが、
かつて、この時期に列車を利用する人々は、夜通しチケット売り場に並びやっとの思いで手に入れていた。
しかしオンラインでチケットを手に入れられるシステムができたにもかかわらず、
実際にチケットを予約できたのか確認するのに数時間もかかり、客はうんざりしていたという。
3つ目は運賃である。
シナの鉄道運賃は他国に例を見ないほど規制が厳しい。
これは、シナレールがかつてから鉄道だけでなく、交通機関すべてに関して独占的に占領してきた経緯による。
しかし、世界銀行の報告書では、このような規制はもはや不必要と報じている。
シナでは鉄道より道路での移動のほうがずっとマシ、また最近利用客の増えている航空機にも押され気味であるという。
平均的なシナ民の給与は昭和57年に比べると10倍ほどになった。
運賃の自由化は、利用客のサービス向上につながるであろう。
欧州では例えば、事前予約者に大幅な割引を与えたり、
閑散期旅行者により安く座席を提供するなど、自由化された運賃体系がある。
航空業界ではもっと古くから行っていたが。
まとめると、シナ政府はどのように鉄道に金を使うかをもっと効率的に考えなければならないということだ。
あまり大きな記事で書かれはしなかったが、
政府寄りの新聞、シナデイリーが報じたところによると、
平成24年度の政府の鉄道投資額は$64billion(約5兆円)に減額される―平成22年比で44%減となる―という。
この予算を高速化などではなくより良い鉄道ネットワーク構築に投資できるのなら、
シナ民も納得するサービスレベルの鉄道となるのであろうが。
(the Economist January 7 print edition )
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