2011年8月31日水曜日

'international day of the disappeared '

英Global News のPod Castから。

今日8月30日は、international day of the disappeared(消えた人のための日)であるという。
混沌が続く世界情勢の中、多くの人々が誘拐などで消息不明となり、
残された家族は、めぼしい情報もなく、
ただ消えた身内が戻ってくるのを待つしかない。
約47年におよび内紛等の混乱が続くコロンビア。
ここでも毎年多くの人が理由もわからないまま「消えて」しまっている。
そして残された人々はほとんど情報を得ることはない。
BBCの記者がコロンビアで取材を行った。

あるデパートメントストア。
サンドラという女性と彼女の子供がここで情報を得るために待っている。
もう3年も。
それは2008年10月のことでした。
夫はいつも通り仕事に出かけ、そのまま消えてしまいました。

サンドラの夫は、コロンビア陸軍の兵隊であった。
彼は反政府集団に人質としてさらわれてしまったのだと思っている。
しかし彼女は何の情報も得られず、
またコロンビア陸軍も彼女に何の情報も与えない。
というより、与えられない。

そして今日、国際赤十字の職員、ラビエイさんがサンドラを助けるためにやってきた。
しかし、サンドラのようなケースの人は、数えきれないほどいるという。
ラビエイ「サンドラのような人は世界に無数にいる。
何万という家族が、紛争などにより身内の行方が分からないという状態に陥っている。
この流れを止めることさえも難しい」


サンドラの夫は、コロンビア政府によって正式に認められた
57万人に及ぶ行方不明者の一人となる。
そして、国中に散在する墓から行方不明者の遺体が見つかるということがよく起こる。

ある国際赤十字の職員は話す。
職員「紛争等により、行方不明者は毎日のように増える。
そして、名の誰だかわからない遺体も毎日のように発見され、
本部に報告が上がる。
そのような遺体のDNA鑑定を行う。
数は増えるばかり。
24時間働いている。忙殺されそうだ。

数百の家族には、あなた方の身内は亡くなったことが確認されたと伝えた。
しかし、他の数千の家族には、ひとかけらの情報さえ伝えることもできない状態だ。
遺体が見つかるケースはまだいいほうだ。
遺体が反政府勢力等の手により消し去られることもある。
そうなると、どうしようもない」

サンドラの話に戻る。
彼女には夫に関していまだ何の情報もない。
このような状況は何よりもつらいという。
夫の遺体が見つかったというものでもいいから、
何か情報が欲しいという。
サンドラ「もしまた夫に会えたなら、
あなたをどれだけ愛しているかということを伝えたい。
彼は私の夫であると同時に、私のことを心から理解してくれる親友でした。
そのためなら私は何でもします。
彼に生きていてほしい。
ただもしもう亡くなってしまっていたとしても、
それでもいいから彼に会いたい」

夫がいなくなってから3年。いまだに何の情報も得られないでいるサンドラによる、
孤独な夫の捜索は続く。
彼女だけでなく、彼女の息子も、
そして他の多くの身内を失ったコロンビアの人にとって、
limbo of uncertainty (何も確実にならない辺土)の状態は続く。

Global News August 30 配信分より

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