2010年11月4日木曜日

breastfeeding

インドネシアで物議を醸す新法の話題。

英BBC Global Newsから。

'Exclusively breastfeeding a baby for 6 months'


ほとんどの医療従事者は「breastfeeding(母乳で赤ちゃんを育てること)」が乳児にとって最良であると口をそろえて言う。
東南アジアの一国であるインドネシアで、生後6か月までの新生児は必ずbreastfeeding(母乳で赤ちゃんを育てること)で育てなければならないという法律が来年の初めに出来ようとしている。
この法律に違反した者は、罰金を科せられるか、刑に処されるという。
breastfeeding賛成者はこの法律を歓迎する一方、反対者は、インドネシアの赤ちゃんを育てる母親たちの問題解決に必ずしもつながらないと主張する。

インドネシアの首都ジャカルタからBBCの記者がリポートする。

私は今ジャカルタのスラムにいる。
近くに海が見える。
ここでは漁師たちが漁で採ってきた貝の貝殻がたくさん捨ててある。
これらが、すでに衛生状態の悪い子のスラム地区をより一層臭く、かつ汚くしている。
そしてこのことが、小さな子供たちのmortality rate(致死率)を上げてしまっている。

ここで子供たちはすぐに病気にかかってしまう。
医療関係者たちは、ここで子供たちの免疫力を上げるには、
生後最初の6か月間、breastfeeding(母乳による子育て)だけで赤ちゃんを成長させるしかないと主張する。
スラムでbreastfeedingに関するセミナーがあると、多くの赤ちゃんをもと母親が狭い会場に集まり、
breastfeedingの利点とは何なのかを聴きに来る。

チュチュ・アロゥイアさんは、breastfeedignw推進する会のリーダー。
チュチュ・アロゥイアさん「最初は、breastfeedingだけで赤ちゃんを育てるということに、
多くの母親が違和感を持っているようでした。
TVの番組やCMの影響で、市販の子ナムル区などを赤ちゃんに与えるのが1番だと信じていたのです。
しかし、じぶんの乳を赤ちゃんに与えるほうが廉価で済み、かつ赤ちゃんの健康にとっても良いということを訴え続けたのです」

しかし、breastfeedingだけで赤ちゃんを半年も育てなければならないというのは、
ジャカルタのスラムに住む女性たち、特に働く必要のある女性たちにとって、challenge(至難の業)であった。

22歳の女性、ダイアナさんは繊維工場で働く。
出産を機に、時短の申請をした。
彼女は1日に何度も授乳のために作業場から離れなければならない。
しかし、それではその分給料も減り、家族を養う分のお金が得られなくなるという。
ダイアナさん「仕事をする必要なる女性にとって、生後6か月間はbreastfeedingだけで
赤ちゃんを育てなければならないというのは、大変難しいことです。
私の働く工場内には、授乳のための設備もなく、
私たちの悩みなど気にかけてもくれません。
同僚の中には、breastfeedingを諦め、市販の粉ミルクで育てるということに切り替えた者もいます。
そしてもちろんそのようなことは新しい法律に対しては違反となります」

しかし、インドネシア政府は、この新たな法律は、
上記のダイアナのような働く必要のある女性を助けることになると主張する。

政府の報道官、タリー氏はこう話す。
タリー氏「新たな法律により、企業も徐々に授乳のための施設を作るようになる。
粉ミルク製造業者も、母乳に負けない商品をと、高い栄養価の粉ミルクを作ろうと努力を始めるでしょう」

しかし、医療従事者の中には、この新法は不十分だと話す。
医者であるフランシスカさんは、強すぎる粉ミルク製造企業の活動を制限するための努力を政府はすべきだと話す。
フランシスカさん「粉ミルク製造企業は、商品を誇大にアピールしようとする。たとえば、この粉ミルク成分は母乳に限りなく近いだとか、この粉ミルクは赤ちゃんが頭がよくなるだとか、母乳で育てるより健康になるだとか。
消費者をうまくだましているんです。
このような誇大な宣伝を政府は規制すべきなんです」

一方、粉ミルク製造企業はこう反論する。
我々はインドネシアで乳児用食品を展開する大手、ネスレに質問状をおくり、次のような返事が返ってきた。
ネスレ「われわれが我々の商品をインドネシアで誇大に宣伝しているということは、
決してありえない。
ネスレとしては、breastfeedingが赤ちゃんにとって最良の方法であると結論付けているし、
6か月間母乳のみで育てなければならないというインドネシア政府の新法を
支持している」

再びジャカルタのスラムのbreastfeedingのセミナー会場。
参加している母親たちは楽しそうにセミナーに参加している。
しかし、今回の新法の裏にある大きな、かつ深刻な問題についても彼女たちに知らせなければならないのではないかと思う。
栄養不足という理由で毎年数百万もの新生児がここインドネシアで亡くなっている。
今回の新法は、この深刻な事態に対処するための一つの方法であるといえる。
しかし、その他にも解決すべき多くの問題があるということを政府は自覚しなければならない。
この国の未来がかかっている。

BBC Global News November 2 配信分より。

やっぱ粉ミルクよりbreastfeedingってことっすね。

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